森橋ビンゴ&ドリル汁コンビによる
最新ゲッター麻雀漫画(なんだこの字面)『ゲッターロボ牌』が
麻雀漫画専門誌「近代麻雀」の今月号より堂々のスタート。

ここ数年でゲッター漫画もどんどん増えてきた感じですが
もう何でもアリといった感じですね。
麻雀に興味がないのにゲッターにつられて雑誌を手に取ってしまった自分がいる、
という意味ではそれだけで商業的に成功なのかもしれません。

というわけで果たしてどんなものが出てくるか身構えていた
『ゲッターロボ牌』ですが
いやーびっくりするほど王道のゲッター漫画でしたね。
周囲を巻き込んで暴れ回る主人公、迫り来る謎の敵、
そして主人公の前にゲットマシンと早乙女博士が現れて次回に続く、と
まさにゲッター作品の導入部のテンプレといった展開。

っていうか今のところ麻雀である必要性が皆無というか
主人公を女性にして「空手」を「麻雀」に置き換えただけですね。
同誌で連載中の『鉄牌のジャン!』(こちらも脚本が森橋氏)は
セルフパロディ的な要素が色濃くありますし
こちらも原作漫画のシチュエーションを麻雀に置き換えたような感じで
ストーリーが展開していくのかなあ、と。

そして敵がアトランティス、というのが個人的に嬉しかったところ。
漫画版「G」の終盤で第三勢力として登場したアトランティスは
ウザーラのインパクトのあるデザインやその境遇、
ゲッターとの熱い共闘などが魅力の勢力なんですが
続編やその他のゲッター関連作では
全くと言っていいほど話題に上がってこなかったので
(「アーク」の宇宙戦争にこっそり参加してたりするのかも)
ここでアトランティスを登場させてきた、というのは
非常にツボを突いた人選だなあ、と。

そんなわけで今のところは
予想外に王道のゲッター漫画だった『ゲッターロボ牌』。
ぶっちゃけ「ゲッター+麻雀」というのが発表された時点で
壮大な出オチになっているので
そう考えると大人しめというか微妙に物足りなさもあったり。
もっとはっちゃけてくれてもいいのよ?

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボ牌

単行本の2巻が来月発売となる
『ゲッターロボ DEVOLUTION ~宇宙最後の3秒間~』の第13話。

前回で一つの戦いが終わったということで
今回は戦闘シーンなどはない静かな展開、といった印象。
ランドウ氏が名前の通りに敵対フラグを順調に立てており
早乙女博士との会話では怪しさ抜群。
「世界を意のままに操作している何者かがいる」というのは
そのまま前回言及された「竜馬の主人公性」へと
繋がっていくんだろうなあ、と。

また「ゲッターロボに憧れている少年」というモブ役で
ファンサービス的に一文字號と彼の母親が登場。
肝っ玉母ちゃんの経営する酒屋の息子、という設定はそのままだけど
年齢的には原作漫画とはちょっとズレがある感じかなあ。

ところで竜馬がゲッターの存在を全く知らなかったことを考えると
民間人の號と母親がゲッターを知っている、というのは
ちょっと違和感がありますね。
作中でどれくらいの時間が経ってるのかは分かりませんが
いつの間にやらゲッターの存在が
民間レベルにまで周知されたってことでいいのかなあ、と。

そしてラストではまさかの「二人目の竜馬」が登場。
いやーこういうのが出てくると一気に平行宇宙っぽくなりますね。
「DEVOLUTION」は序盤に平行宇宙に言及した割には
ずっと大人しい展開が続いていたので
ようやく「らしい」ストーリーになってきたなあ、と。

というわけでここに来て平行宇宙設定ならではの物語が動き出し
話が一気に進んでいきそうな感じの「DEVOLUTION」。
正直ここ数話の展開は「竜馬が悩んだ末に吹っ切れる」というのを
ダラダラやってただけなので
どうにも話にノれない感じだったんですが
やっと面白くなってきたなあ、と。

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ゲッターロボ 1

ゲッターロボ 1

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボDEVOLUTION

アモンの鎧に奇妙な感覚を覚える勇希の前に
再び来客が現れる『デビルマンサーガ』の第43回。

というわけで今回は舞台を日本に移して
かつて勇希に警告を行ったクロード氏が再び登場する展開。
ぶっちゃけ彼のことは完全に忘れていたので
単行本を読み返してみたら2巻、第13話以来の登場になりますね。
それにしても「彼はもうダメだ」とか言ってた割には
今回はずいぶん友好的というか協力的な印象ですね。

そして今回のもう一つの注目点は
アモンの鎧を着て戦っていたような感覚に陥る勇希の描写。
これが夢なのか現実なのか? というのは
まだ作中でははっきりしていないけれど
破壊衝動に襲われ無意識のうちに……という描写は
『デビルマンレディー』に近いものがあるなあ、と。
クロード氏の「地獄=別の次元」という推測も
レディーの設定を踏襲している感じ。

そんなこんなで次回に続く。
それにしても話がなかなか進まないですね。
そろそろジンメンと遭遇してのド派手な戦闘を見てみたいです。

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  デビルマンサーガ, アニメ・漫画, ダイナミック系

『サイボーグ009』の映像化50周年の節目に公開された
最新アニメ『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』の最終章となる第3章が公開。

全3章の作品も今回でついに完結、ということで
「人類強制進化計画」による人類に迫る危機、超スピードの宙間戦闘、
チート的な能力を誇る黒幕・エンペラーとの最終決戦まで
まさに90分ノンストップの総力戦。

そしてエンペラーとの死闘、加速の果てに迎える
唐突にして圧巻、喪失感の漂うクライマックスにはただ圧倒されるばかり。
うわーそう来たかー。すごかった。(小並感)

面白かったとか楽しかったとかいうのは良くありますが
「とんでもないものものを観てしまった」と感じたのは本当に久しぶりです。
ありがとう本当にありがとう。そしてさようなら。

事象の地平を超えた先にある真っ白な世界、というのは
どこかで観たことあるなあ、と思っていたら
『トップをねらえ2!』のクライマックスですねあれ。
『サイボーグ009』の加速装置を現代SF的ガジェットでインフレさせると
そういうスケールになってしまうんだなあ、と。

というわけで全体を通してみてみると
加速装置を軸としたストーリー展開としたことで
これまでの作品群と比べると009の主人公性が強調されていた、という印象。
『サイボーグ009』は9人+αの全員が主人公、という
群像劇的な性格が強い作品だと思うんですが
本作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』に関して言えば完全に009が主人公です。

ただジョーの主人公性が強調されたあまり
最終決戦では物語的にも戦力的にも「009とその他大勢」になってしまっており
そのあたりは痛し痒しかなあ、と。
ドラゴンボールの「悟空早く来てくれー!」みたいな感じで
「ジョー早く加速してくれー!」みたいなセリフが出てくるんですよ。マジで。

そしてもう一つ本作の009の主人公性を強調させていたのがその覚悟の強さ。
「加速装置による孤独」を描いた作品には
傑作と名高い短編エピソード『結晶時間』がありますが
『結晶時間』での009は止まった時間での孤独に耐えられず
「人もサイボーグも一人では生きられない」という結論を出していたのに対して
本作の009は加速の果てにある何もない世界、永劫の孤独を
「これが僕の使命だから」と完全に受け入れてしまっているんですね。

あそこで本作の009は真の意味で人間を超えてしまったというか
「ブレスド」とは別の形での神様になってしまったと思うんですよ。
機械の体を持ち、その心までも人間を超越してしまった。
本当に行き着くところまで来てしまった、という喪失感です。
対比する形でエンペラーが一気に情けなくなっちゃったのは仕方ないですね。

ちなみに第2章までを観た時点ではエンペラーの正体は
加速の果てに3000年を逆行した別の時間軸の009」だと思っていたんですが
別にそんなことは全くない他人の空似でした。
まあ最後に「仮面が外れるけど顔は見せない」という
思わせぶりなシーンがあったので
作中で語られていないだけで制作スタッフ的には
何らかの形で009との関係性を持たせているのかもしれません。

というわけで娯楽作品としてヒーロー性を強調しつつ
絶妙なバランスで現代SF的な要素を加えて見事に完結した
本作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』。
面白かったー、と素直に言える作品です。映画館で観てよかったです。

スタッフロール後のアレをどう捉えるかは別として
ストーリー的にはもうこれで完全に終了。
「これもう続き作れないじゃん」的な感じですが
またいつか『サイボーグ009』の新作アニメが作られる時には
「前にはこんな事件もあったよね」程度に本作のストーリーに触れつつ
何事も無かったかのように全員揃っているような気もします。
『009 RE:CYBORG』と『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』の関係もそうでしたし
世界が求めるのならサイボーグ戦士たちは何度でも蘇るのが世の常なのです。


あ、それとWEBコミックサイト「コミッククリア」でのコミカライズも
第3章の公開に合わせて12/9より本格連載開始ですね。

CYBORG009 CALL OF JUSTICE
https://www.comic-clear.jp/comic.aspx?c=62

『009 RE:CYBORG』のコミカライズは数年をかけて映画を忠実にマンガ化、
『サイボーグ009vsデビルマン』のコミカライズは
両者が戦うというエッセンスのみを残した完全オリジナル作品でしたが
本作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』は今のところ映画そのままだなあ、と。
月刊掲載みたいですしこのペースだと年単位の作品になりそうです。

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  アニメ映画, アニメ・漫画, 映画, サイボーグ009

全3章を2週間ごとに公開、という形式で上映中の映画
『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』の第2章が公開。

ストーリー的にはちょうど中盤、ということで
敵「ブレスド」たちの後手後手に回る状況がずっと続いていたり
細かい謎解きや状況説明に尺が割かれていたりと
第1章に比べるとちょっと外連味やカタルシスが薄れて
落ち着いた展開だったなあ、というのが正直な印象。
特に戦う相手が人間(ガーディアンズの機体)中心だったため
第1章の異能バトルっぽさが感じられなかったのは残念なところ。

とは言えそのぶん作品のテーマにがっつりと踏み込んだストーリーになっており
009と003が一度力を失うことで
・「戦えない」ことと「戦わない」ことの違い
・力を失ったら戦わなくても良くなるのか?
という部分を分かりやすく描いているのは特筆すべき点。

そして「力が欲しい」と願った009により
加速装置で時間が逆行していくシーンは第2章の最大の見所。
第1章の感想では加速装置が光速を超える可能性について書いたんですが
あのシーンはまさにその瞬間だったんじゃないかなあ、と。

そしてブレスドたちの「人類強制進化計画」について明らかになり
黒幕である「エンペラー」もついに登場。
彼が「もう一人の009」のようなキャラデザインで描かれ
演じるのがTVシリーズ2期で009を演じた井上和彦氏なのは
単なるファンサービスなのか作中で何らかの意味があることなのか、
というのは気になるところ。

自分は世代的には平成版「サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER」になるので
井上和彦氏が009を演じたTVシリーズ2期には思い入れはあまり無いんですが
(そもそも2期放送の79年~80年にはまだ生まれてないです)
OPテーマ「誰がために」の知名度もあって
やっぱり009アニメと言えばTVシリーズ2期になるんですかね。

ともあれ今週末に公開の第3章で
『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』もいよいよ完結。
9日は休みを取ったので初日に観に行くつもりです。
いやー楽しみ楽しみ。

あ、それとCGですが第1章に比べるとスタッフが慣れてきたのか
かなりこなれてきた(粗い部分の誤魔化しかたが巧くなった)感じですね。
特に後半は夜間の侵入作戦ということで光の使い方がすごい巧みでした。

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