「真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍 第8巻 (完)」 感想

田畑由秋+余湖裕輝コンビによる新時代の新たなる魔神伝説
『真マジンガーZERO』シリーズの最終巻となる
『真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍』の第8巻が発売。

単行本にして全17巻、原作を含めたあらゆるマジンガー漫画で
一番の長編となった壮大なストーリーに決着を付ける最終巻ということで
無印『真マジンガーZERO』の第0話から直接繋がる描写、
マジンガーが世界を牛耳る夢のような世界、
そしてマトリックス的演出でそんな世界から抜け出す甲児+鉄也さんなど
1ページたりとも目が離せない展開。

そして何と言っても見所は最後の決め手となる
「マジンガーZの可能性と人間の想像力」が生み出した
光子の巨人たちによるスーパーロボット大戦!
え? いいの? これマジでいいの?

グレンダイザーやジーグ、ゲッターをはじめとして
OP映像そのままで巨大な腕から姿を見せるイデオン、
イントロそのものがグレーゾーンなオーガス、
スーパーロボットとは比較して語られることの多いガンダムやエヴァまで登場。
いやーそれにしてもゲッターや、ジーグ、ガオガイガーなどの
擬音系オープニングは強いなあ。

想像力がついていけないのか光にしか見えないぜ

そんなわけでクライマックスにしてついに
マジンガー世界の枠を飛び出してしまった本作『真マジンガーZERO』。
「最強にして唯一無二であるがゆえに可能性が閉ざされたZERO」を
「敗北することによってロボット作品の可能性を広げたマジンガー」が
打ち砕く、というのは
まさに頂点と原点の戦いであり
最終ページの「この漫画を全ての熱きロボット作品に捧ぐ」の
一文に集約されているように
マジンガーZの登場以降、新たなロボット作品を生み出し挑戦し続けてきた
クリエイターたちへの賛歌によって幕を閉じたんだなあ、と。

というわけで「こんなもの見せられたら納得するしかないじゃないか!」的な
壮大なクライマックスとなった『真マジンガーZERO』だけど
本当はもうちょっと長く続ける予定だったんじゃないかなあ、
というのが個人的な印象。
7巻の後半、甲児が最後のタイムトラベルをしてからの展開は決まっていたにしても
その前の世界の話は
・なぜかロボット技術だけが突出しているミケーネ文明
・Dr.ヘルと兜十蔵の遺伝子構造が表裏一体
・確かに存在していたグレンダイザーとベガ星軍団
・ミネルバXの「全てを収束するチャンスはあと1回」という台詞の意味
などの伏線っぽい部分がモヤモヤしたまま終わってしまっており
良くも悪くも何でもかんでも理屈をつけてくれる
田畑由秋+余湖裕輝コンビの作風からはちょっと違和感があった感じ。
無印『真マジンガーZERO』が全9巻だったことを考えても
こちらの「VS暗黒大将軍」も9巻、合わせて18巻まで行くつもりだったのかもなあ。

何はともあれありがとう真マジンガーZERO! さようなら真マジンガーZERO!

 20160125.jpg

あ、それとZEROのストーリーとはあまり関係ありません
こちらの画像はダイナミックプロの立花未来王氏による
『マジンガー乙女』の一コマです。
『ロボットガールズZ』に先駆けてマジンガーを美少女化した作品、ということで
もうちょっと話題になっていてもいい気もしますが
2冊の単行本は絶版、電子書籍化もされておらず
微妙にマイナーな感じは否めない感じです。

※2016/01/25追記
『マジンガー乙女』及び続編『マジンガー乙女大戦』の単行本は
来月2016/02/05にeBookJapanより電子書籍版が発売するとの
情報を頂きました。ありがとうございます。

ちなみに立花未来王氏は
たまーに雑誌の読み切りやコンビニコミックで名前を見かけますね。
ダイナミックプロでは珍しく
女の子キャラ中心の作品で活動している作家さん、という印象です。

  

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