アモンの鎧に奇妙な感覚を覚える勇希の前に
再び来客が現れる『デビルマンサーガ』の第43回。

というわけで今回は舞台を日本に移して
かつて勇希に警告を行ったクロード氏が再び登場する展開。
ぶっちゃけ彼のことは完全に忘れていたので
単行本を読み返してみたら2巻、第13話以来の登場になりますね。
それにしても「彼はもうダメだ」とか言ってた割には
今回はずいぶん友好的というか協力的な印象ですね。

そして今回のもう一つの注目点は
アモンの鎧を着て戦っていたような感覚に陥る勇希の描写。
これが夢なのか現実なのか? というのは
まだ作中でははっきりしていないけれど
破壊衝動に襲われ無意識のうちに……という描写は
『デビルマンレディー』に近いものがあるなあ、と。
クロード氏の「地獄=別の次元」という推測も
レディーの設定を踏襲している感じ。

そんなこんなで次回に続く。
それにしても話がなかなか進まないですね。
そろそろジンメンと遭遇してのド派手な戦闘を見てみたいです。

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  デビルマンサーガ, アニメ・漫画, ダイナミック系

『サイボーグ009』の映像化50周年の節目に公開された
最新アニメ『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』の最終章となる第3章が公開。

全3章の作品も今回でついに完結、ということで
「人類強制進化計画」による人類に迫る危機、超スピードの宙間戦闘、
チート的な能力を誇る黒幕・エンペラーとの最終決戦まで
まさに90分ノンストップの総力戦。

そしてエンペラーとの死闘、加速の果てに迎える
唐突にして圧巻、喪失感の漂うクライマックスにはただ圧倒されるばかり。
うわーそう来たかー。すごかった。(小並感)

面白かったとか楽しかったとかいうのは良くありますが
「とんでもないものものを観てしまった」と感じたのは本当に久しぶりです。
ありがとう本当にありがとう。そしてさようなら。

事象の地平を超えた先にある真っ白な世界、というのは
どこかで観たことあるなあ、と思っていたら
『トップをねらえ2!』のクライマックスですねあれ。
『サイボーグ009』の加速装置を現代SF的ガジェットでインフレさせると
そういうスケールになってしまうんだなあ、と。

というわけで全体を通してみてみると
加速装置を軸としたストーリー展開としたことで
これまでの作品群と比べると009の主人公性が強調されていた、という印象。
『サイボーグ009』は9人+αの全員が主人公、という
群像劇的な性格が強い作品だと思うんですが
本作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』に関して言えば完全に009が主人公です。

ただジョーの主人公性が強調されたあまり
最終決戦では物語的にも戦力的にも「009とその他大勢」になってしまっており
そのあたりは痛し痒しかなあ、と。
ドラゴンボールの「悟空早く来てくれー!」みたいな感じで
「ジョー早く加速してくれー!」みたいなセリフが出てくるんですよ。マジで。

そしてもう一つ本作の009の主人公性を強調させていたのがその覚悟の強さ。
「加速装置による孤独」を描いた作品には
傑作と名高い短編エピソード『結晶時間』がありますが
『結晶時間』での009は止まった時間での孤独に耐えられず
「人もサイボーグも一人では生きられない」という結論を出していたのに対して
本作の009は加速の果てにある何もない世界、永劫の孤独を
「これが僕の使命だから」と完全に受け入れてしまっているんですね。

あそこで本作の009は真の意味で人間を超えてしまったというか
「ブレスド」とは別の形での神様になってしまったと思うんですよ。
機械の体を持ち、その心までも人間を超越してしまった。
本当に行き着くところまで来てしまった、という喪失感です。
対比する形でエンペラーが一気に情けなくなっちゃったのは仕方ないですね。

ちなみに第2章までを観た時点ではエンペラーの正体は
加速の果てに3000年を逆行した別の時間軸の009」だと思っていたんですが
別にそんなことは全くない他人の空似でした。
まあ最後に「仮面が外れるけど顔は見せない」という
思わせぶりなシーンがあったので
作中で語られていないだけで制作スタッフ的には
何らかの形で009との関係性を持たせているのかもしれません。

というわけで娯楽作品としてヒーロー性を強調しつつ
絶妙なバランスで現代SF的な要素を加えて見事に完結した
本作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』。
面白かったー、と素直に言える作品です。映画館で観てよかったです。

スタッフロール後のアレをどう捉えるかは別として
ストーリー的にはもうこれで完全に終了。
「これもう続き作れないじゃん」的な感じですが
またいつか『サイボーグ009』の新作アニメが作られる時には
「前にはこんな事件もあったよね」程度に本作のストーリーに触れつつ
何事も無かったかのように全員揃っているような気もします。
『009 RE:CYBORG』と『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』の関係もそうでしたし
世界が求めるのならサイボーグ戦士たちは何度でも蘇るのが世の常なのです。


あ、それとWEBコミックサイト「コミッククリア」でのコミカライズも
第3章の公開に合わせて12/9より本格連載開始ですね。

CYBORG009 CALL OF JUSTICE
https://www.comic-clear.jp/comic.aspx?c=62

『009 RE:CYBORG』のコミカライズは数年をかけて映画を忠実にマンガ化、
『サイボーグ009vsデビルマン』のコミカライズは
両者が戦うというエッセンスのみを残した完全オリジナル作品でしたが
本作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』は今のところ映画そのままだなあ、と。
月刊掲載みたいですしこのペースだと年単位の作品になりそうです。

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  アニメ映画, アニメ・漫画, 映画, サイボーグ009

全3章を2週間ごとに公開、という形式で上映中の映画
『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』の第2章が公開。

ストーリー的にはちょうど中盤、ということで
敵「ブレスド」たちの後手後手に回る状況がずっと続いていたり
細かい謎解きや状況説明に尺が割かれていたりと
第1章に比べるとちょっと外連味やカタルシスが薄れて
落ち着いた展開だったなあ、というのが正直な印象。
特に戦う相手が人間(ガーディアンズの機体)中心だったため
第1章の異能バトルっぽさが感じられなかったのは残念なところ。

とは言えそのぶん作品のテーマにがっつりと踏み込んだストーリーになっており
009と003が一度力を失うことで
・「戦えない」ことと「戦わない」ことの違い
・力を失ったら戦わなくても良くなるのか?
という部分を分かりやすく描いているのは特筆すべき点。

そして「力が欲しい」と願った009により
加速装置で時間が逆行していくシーンは第2章の最大の見所。
第1章の感想では加速装置が光速を超える可能性について書いたんですが
あのシーンはまさにその瞬間だったんじゃないかなあ、と。

そしてブレスドたちの「人類強制進化計画」について明らかになり
黒幕である「エンペラー」もついに登場。
彼が「もう一人の009」のようなキャラデザインで描かれ
演じるのがTVシリーズ2期で009を演じた井上和彦氏なのは
単なるファンサービスなのか作中で何らかの意味があることなのか、
というのは気になるところ。

自分は世代的には平成版「サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER」になるので
井上和彦氏が009を演じたTVシリーズ2期には思い入れはあまり無いんですが
(そもそも2期放送の79年~80年にはまだ生まれてないです)
OPテーマ「誰がために」の知名度もあって
やっぱり009アニメと言えばTVシリーズ2期になるんですかね。

ともあれ今週末に公開の第3章で
『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』もいよいよ完結。
9日は休みを取ったので初日に観に行くつもりです。
いやー楽しみ楽しみ。

あ、それとCGですが第1章に比べるとスタッフが慣れてきたのか
かなりこなれてきた(粗い部分の誤魔化しかたが巧くなった)感じですね。
特に後半は夜間の侵入作戦ということで光の使い方がすごい巧みでした。

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現在上映中の「サイボーグ009」の劇場アニメ最新作
『CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第1章』を観てきました。

神山健治監督&Production I.Gによる3Dアニメ作品ということで
2012年に発表された同監督による『009 RE:CYBORG』のように
アクションよりも心象重視の小難しい作品になるのかなあ、と
ちょっと身構えていたんですが
すごくいい意味で予想を大きく裏切られてしまった感じです。

いやーびっくりするほど分かりやすい娯楽作品ですね今回。
本当理屈抜きで面白かったです。もう大満足。

かつての『009 RE:CYBORG』のキャッチコピーは
「終わらせなければ、始まらない」でしたが
内面的・無意識的な部分に吹っ飛ばして
「サイボーグ009」という作品を一度終わらせたことで
逆にエンターテイメントの原点に立ち返ることが出来たのが
本作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』なのかなあ、とも思ったり。

また90分×3章と尺に余裕があることもあって
サイボーグ戦士たちの紹介から誕生編~ヨミ編の流れ、
『009 RE:CYBORG』で起こった事件にまで簡単に触れられており
ちょっとわざとらしい部分はあったものの
導入部が非常に分かりやすくなっていたのも印象的。
白黒+2D+3Dの融合で過去エピソードを見せる手法は王道でいいですね。

そして謎の敵「ブレスド」が攻めてきてからの展開は
熱量操作に空間支配、といった神のごとき能力を持つ敵を
サイボーグ戦士たちが知恵とチームワークで迎え撃つ、という
「まさにこんなアクションが観たかったんだよ!」なシーンが目白押し。
『009 RE:CYBORG』は009と002の確執が長引いていたりと
全員が集合して戦うシーンがほぼ皆無だっただけに非常に嬉しいです。
「農場のおっさんがプカプカ浮かびながら雷を落としてくる」
というのは見方によっては非常にシュールな画なんですが
しっかりと迫力のある画面になってるのはさすがだなあ、と。

というわけで問答無用の面白さとワクワク感を味わうことが出来た
『CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第1章』。
いやーここまで純粋な娯楽作品に徹してくれるとは思ってませんでした。
ぶっちゃけ予算はかなり少なかったのか
CGはかなりしょぼかった(正直PS~PS2レベルのシーンもあります)んですが
そんなことが気にならないくらいのスピード感で
ダイナミックな戦闘シーンをしっかりと魅せてくれた感じです。
あと003がかわいいので全部許せます。

そんなこんなでこれから第2章、第3章と続いていくんですが
第1章で自分の中のハードルが思いっきり上がってしまったので
ちゃんと期待に応えてくれるのか? というのが不安だったりも。
尻すぼみにならないでくださいよー本当に。

そして第1章で気になったのは
「加速装置では雷を超えられない」という描写があったところ。
各所の監督インタビューなどを読むと
本作は加速装置がストーリーの鍵を握っているようだし
完結編「Conclusion God’s War」の意識加速のように
最終的に加速装置が進化を遂げて
光速を超えていくようになるんじゃないかなあ、と。

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二人の先輩の卒業とゆの&宮子の3年生への進級、という
大きな節目を迎えた『ひだまりスケッチ』の単行本9巻が発売。

ゆのの入学前、ひだまり荘への入居から始まった本作も
いよいよ卒業を意識せざるを得ないところまでやってきた今回の9巻。
というわけで修学旅行や実家に帰省しての進路の話し合い、そして大学見学など
「高校生生活最後の1年」「間近に迫っている進路選択」
を意識させる3年生らしいエピソードが中心となっている印象だなあ、と。

特に修学旅行編は「ひだまり荘を離れての泊まりがけの旅行」であり
クラスメイトの中山さん&真実ちゃんが出ずっぱりという新鮮さ。
ひだまり荘メンバー以外はセミレギュラー的な立ち位置のことが多いから
ここにきてクラスメイトの二人ががっつり前面に出てきたのは
嬉しい不意打ちといった感じ。ああはしたない。

そして大学見学では「ヒロと同じ大学に進学した」というネタを活かして
まさかの夏目が再登場。
何だかんだで彼女にはうめ先生の思い入れの強さを感じるね。
以前には彼女が主役の短編エピソードもあったし。

そんなこんなで進学を意識して変わりつつあるゆのの周りとは対照的に
「変わらない安心さ」があるのが1~2年生の3人。
特に乃莉ちゃんと8巻で登場した茉里のコンビは
2人とも物事をズケズケとはっきり言うタイプだけに
先輩後輩を越えた独特の距離感があるなあ、と。
これまでの『ひだまりスケッチ』には無かった組み合わせで楽しいね。

というわけで今回も安定した面白さの『ひだまりスケッチ』だけど
気になるのはゆのが亜麻美術大学を第一志望にしている理由が
今のところ「ヒロさんもいるし」という消極的な理由でしかないところ。
『ひだまりスケッチ』はゆのの成長物語としての側面も持っているし
次巻以降はオープンキャンパス等を通して
本当の志望理由や自分が何をやりたいのか、といった深い部分に
踏み込んでいくんじゃないかなあ、と。

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