現在上映中の映画『不思議博士2』もとい
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を観てきました。
前作『ドクター・ストレンジ』の感想はこちら。
https://tktkgetter.com/blog-entry-1189.html
一連のMCU作品は正直関連作品が広がりすぎてついていけなくなってしまい
気になったものだけをちょこちょことレンタルや配信でつまむ程度になっていたんですが
今回は自分がアメコミで一番好きな宇宙忍者ゴームズ『ファンタスティック・フォー』の
ミスター・ファンタスティック(リード・リチャーズ)が
単独作品に先駆けてサプライズ登場したという話を聞いて
これはもう観るしかない、と久しぶりに映画館に足を運んだ次第です。
宇宙忍者の動きは素早いぞ!
えーとそんなわけで今回の不思議博士2ですが
いやーやっぱり何だかんだでマーベル映画は楽しめますね。
事前知識や前提作品が多すぎる、という話を聞きましたが
話としては結構シンプルというか「なんやかんやで悪堕ちした魔女が
自分のやろうとすることの残酷さと虚無感に気付いて落とし前をつける話」と
一言で言ってしまえばそんな感じですし
導入部のストレンジの死体が終盤の展開に大きく関わってくるなど
王道ながらも非常にワクワクする構成になっていたと思います。
ただちょっと事前の評判が高すぎたというか
「すごいホラー!」「すごいマッドネス!」みたいな話を随所で聞いていたので
ちょっと肩透かしな部分もありましたね。
いやもっとドロドログチャグチャの描写があったり
平行世界が混じり合って大混乱、みたいなのを期待していたので
そのあたりは自分でハードルを上げすぎちゃったなあ、と。
アクション面も正直自分がマーベル映画に求めているのは
やっぱりヒーローものならではの「金のかかった特撮」というか
ハッタリの効いた外連味溢れるダイナミックなアクションだったりするので
そういう意味では序盤のガルガントス戦がピークだったなあ、と感じてしまうのです。
後半の音符バトルなんかはオサレではあるんですけどね……。
そして自分が期待していたゴームズもといリード・リチャーズですが
彼が所属するイルミナティ全体が「魔女に蹂躙される別世界のヒーローたち」な位置付けで
アクション的には見せ場もなく「裂けろ、ゴームズ!(物理)」な感じだったわけですが
説明役として他のイルミナティメンバーよりも台詞が多めだったのが嬉しかったですね。
ワンダに対して「子を持つ親」の視点からの台詞があったりと
出番自体は少ないながらも単なるサプライズに留まらず
しっかりと「リード・リチャーズでならではの部分」が描かれていたと思います。
出来ればもっと伸びるシーンが欲しかったけど……。
そんなこんなで久々に映画館で観たマーベル映画ですが
最近は「一見さんお断り」みたいな雰囲気が外野から出てきているのに閉口するというか
個人的にはもっと気軽に、気楽に観てもいいんじゃないかと思いますね。
本作『マルチバース・オブ・マッドネス』もネット上の感想などを見ると
配信ドラマ『ワンダヴィジョン』や映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が
必須知識のように言われていますが
実は自分はどっちも観てなかったりします。
「なんやかんやで悪堕ちして家族を求めるようになった魔女が敵」
「過去に平行世界を巻き込んだスパイダーマンの事件があった」
「スパイダーマンの糸はケツから出ない」
くらいのことは本作だけでも十分に分かりますし
それ以上の知識は特には必要ないと思います。
いやね、正直映画にしても原作コミックにしても
アメコミを楽しむにはその「なんやかんや」を「そういうもんだ」と割り切れるか、
ってのが大切だと思うんですよ。
歴史があり現在進行形で続いているアメコミは
全てを把握している人なんて世界に一人もいないんじゃないかってくらいに数が出ていますし
一連のMCUシリーズにしても原作コミックにインスパイアされたと思われる展開や演出、
小ネタがたくさん出てきています。
なので「全部観ろ」なんてしたり顔で言うよりは
よく分からない部分を「そういうものだ」「過去に何かあったんだなあ」と適当に補完して
気になったキャラや作品だけをつまんで楽しむほうが精神衛生上いいと思うんですよね。
どうせ映像作品だけ全部観たって完璧にはならないぞ! と。
そんなわけで原作コミックの話になりますが
今後の単独映画化も決まっている『ファンタスティック・フォー』が
MCUへの正式参加をきっかけに邦訳が増えてきそうな感じなのが嬉しいですね。
『ファンタスティック・フォー』はこれまで邦訳がすごい少なかったんですが
昨年は『スパイダーマン/ファンタスティック・フォー』が刊行されるなど
MCUの他のヒーロー絡みで注目されるようになってきた気がしますし。
ちなみに『スパイダーマン/ファンタスティック・フォー』は電子版も出ており
Amazonで導入部が試し読み出来るんですがそこだけでもすごい面白いです。
4人のギスギスっぷりがゴームズ四人組で完全に脳内再生されますよこれ。
そして今年より刊行中の『マーベル グラフィックノベル・コレクション』でも
『ファンタスティック・フォー』は数作ほどラインナップされており
マーベル史におけるターニングポイントの1つでありゴームズでも最高傑作と名高い
テッカーメン編『カミング・オブ・ギャラクタス』や
科学と魔術が飛び交う中で悪魔博士Dr.ドゥームとの激突が描かれる『アンシンカブル』など
有名エピソードが目白押しなのでこちらも非常に楽しみなところです。
嬉しい……嬉しい……。