小説 「サイボーグ009 VS デビルマン トゥレチェリイズ」 感想

公開まで1ヶ月を切った映画『サイボーグ009 VS デビルマン』の
前日談となる小説『トゥレチェリイズ~裏切り者たち~』が発売。
アニメ本編の脚本を手がける早川正氏による公式小説ということで
予習という意味でもしっかりと読み込んで
両作品の設定や世界観などを押さえておきたいところです。

※10/03
公式サイトで紹介された新キャラについて追記

というわけでデビルマン側、009側に分けて
小説から受けた印象や気になった点をつらつらと書いていこうと思います。

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○デビルマン側
時系列はシレーヌ編の後、ジンメン編の前で
了と共にデーモンを狩り続けているという設定。
主な敵は原作「闇の蜘蛛」編に登場したデーモン、ラズバであり
「闇の蜘蛛」編をアレンジして小説化した感じのストーリーが展開。
『デビルマン』は話の構成が違うバージョン違いがいくつかあるけれど
シレーヌ編とジンメン編の間にラズバが登場する「闇の蜘蛛」編が入るのは
近年再編集された『改訂版デビルマン』だけなので
本作の時系列は恐らく改訂版がベースだね。

またタレちゃんの名前が「太朗」であったり
「数ヶ月前に不審な死を遂げた明の両親」に言及していたりと
小説『真・デビルマン』の設定を組み込んでいる部分があるのも興味深いところ。

デーモンの合体能力に関しては新解釈を加えつつ説明しており
既存の作品よりも「精神力」を重視している感じがするなあ、と。

○サイボーグ009側
時系列は0012戦の後、ミュートス編の前であり
0013との戦いとオーロラ作戦をアレンジして小説化した感じのストーリー。
ドルフィン教授の娘の名前が「シンシア」だったり
平成版アニメの「ミュータント戦士編」に繋がっていくであろう
「意図的突然変異体(インテンショナル・ミュータント)」
という語が出てきたりと
原作をベースに平成版アニメの設定を加えて話を膨らませている印象。

またブラック・ゴーストのサイボーグ計画にはかなりの新設定・新解釈があり
「悪魔改造人間(サイバネティック・デーモン)」という単語には大興奮。
いやーやっぱりこういうのがコラボレーションの醍醐味だね。

ただ一つ分かりにくかったのが「生体サイボーグ」という概念。
怪我や病気を治すために体に人工物を埋め込む……
というのは現在の医療でも見られるけれど
それと作中の「生体サイボーグ」の区別がどうにも分からないというか
この辺は描写不足のせいで何となくもにょもにょする感じがしたなあ、と。
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というわけで前日談ということもあり
ジョーと明がお互いの存在を気にする以外にはキャラの接点は無く
夢の共演はアニメ本編にお預け、といった感じだった
小説『トゥレチェリイズ~裏切り者たち~』。
とは言えサイボーグ009の小説化、デビルマンの小説化として
単体で読んでも楽しめる内容だし
アニメ本編への期待がますます高まるね。
『サイボーグ009 VS デビルマン』は漫画化も決定しているし
この調子で本編のノベライズとかも出てほしいなあ。

※10/03追記
ちょうど公式サイトの登場人物が更新されましたね。
小説では0014~18の訓練シーンがあったりデーモン・リリスに言及したりしています。
また0016=ジョン・ケーン・スミスは小説で重要キャラクターとして登場し
既に009たちと対面、交戦しているので
思った以上に小説のエピソードがアニメ本編に関わってきそうな感じです。

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