「週刊少年チャンピオン」や「別冊少年チャンピオン」で毎回2Pで連載中の
『木曜日のフルット』の単行本第5巻が発売。
1巻や2巻の頃のような話題性はなくなったけれど
そのぶんしっかりと一つの連載作品として雑誌に溶け込んでいる感じだね。
それにしても始まってからもう5年以上になるのか……。

そんな『木曜日のフルット』は
今回も2Pでしっかりと楽しませてくれるエピソードが目白押し。
引っ張って引っ張って最後の一コマでオチを付ける正統派の「専門家の巻」や
「味のある皿」などの二重の表現で笑いを誘う「器の巻」、
皮肉の効いた描写が魅力の「白川先生の巻(12)」「お葬式の巻」、
二つのエピソードがしっかりと絡みあう「霊能者の巻」と「頼子の旅」などが
個人的には特に印象に残ったところ。

また最初の頃は「ダメかわいい」部分が強調されていたフルットが
ちょっとした機転を利かせたり他のネコを騙したりするしたたかさを見せたりと
5冊目ということでバリエーションに富んだ話も増えてきている感じ。

というわけで今回も安定して楽しめる『木曜日のフルット』。
1年数ヶ月に1冊とペースはかなり遅いけど
フルットにはこれくらいののんびりペースが似合ってる気もするなあ。

  

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  アニメ・漫画

『鉄のラインバレル』などの代表作を持つ清水栄一×下口智裕コンビの最新作
『ゲッターロボ DEVOLUTION ~宇宙最後の3秒間~』が
今月発売の別冊チャンピオン1月号からついに連載開始。
9月に初報が出てから3ヶ月、満を持して登場した今年最後の超大作!
いやあこの日をずっと待ってたんだよ!

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というわけで巻頭カラー&55ページの
大ボリュームで始まった『ゲッターロボ DEVOLUTION』。
流竜馬にミチルさん、早乙女博士など名前はオリジナルを踏襲しているものの
デザインや設定など全てが一新されており、
西川秀明氏の『偽書ゲッターロボ』同様に既存の設定に囚われず
清水×下口コンビが得意とする分野でゲッターに挑んだ完全新作、といった印象。
ミチルさんがしっかりとヒロインしてるのは新鮮だなあ。
顔のラインが非常に多く鋭角部分が多くなったゲッターのメカデザインは
OVA『新ゲッターロボ』のものを更に緻密に発展させた感じ。
ぶっちゃけ『ULTRAMAN』と同じ方向性の顔ですねこれ。

また個人的に気になるのが「2015年12月20日」と
作中の世界観が現実世界に即したものになっていること。
原作『ゲッターロボ』では学生運動、『號』では湾岸戦争と
けっこう世相を反映した設定や描写が出てきていたし
本作でも現代が舞台ならではの設定や展開が出てくるのかなあ、と。

また本作のゲッターロボが「全てを奪える力」と
呼ばれているのも興味深い部分。
「GETTER=奪うための力=奪還者」というのは
西川秀明氏の『偽書ゲッター』の設定そのままだし
このあたりは先に新作ゲッター漫画に挑んだ先人へのリスペクト、的な
意味合いも込められているんじゃないかな。

そんなわけでアオリ文に「全宇宙の存亡を描く壮大なサーガ」とあるように
とにかくゲッターに相応しいド派手な物語を期待したいところ。
主人公の竜馬クンは短髪のキャラデザで常人以上の力を持て余したり悩んだりと
清水×下口コンビのいつものパターンの主人公という気もしますが
本作の竜馬クンには正義だ何だとあんまりこだわらずに
ゲッターと共に突っ走ってほしいなあ、と。

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あ、あと本作の略称は「ゲッターロボD」みたいですね。
自分としてはDというと原作『アーク』のゲッターD2とかが
先に思い浮かんじゃうんですが。

   

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボDEVOLUTION

ヴァルバとの戦いもついに決着となる『デビルマンサーガ』の第22話。

というわけで長かったヴァルバとの戦いも今回で終了。
いろいろあったけど結局ジェフとケリーを助けられなかった……というのは
まあ予想通りの流れなんだけど
細胞レベルでの融合、拒絶反応が起きるというのは
原作「デビルマン」の無差別合体や
「レディー」終盤のデーモンたちの復活を思い起こさせる
興味深い描写だなあ、と。

そしてジェニーが二人のテレパシーを強く感じていたのも気になるところ。
単なる「超能力者だから」では済まされない気もするし
彼女も何らかの形で過去のデーモンとの繋がりがあるんじゃないかな。

 

そして先日発売した単行本の2巻では
販促のプロモーション映像が作られてYoutubeなどで公開中。
以前の「グレンダイザーギガ」に続いての販促映像ということで
最近のダイナミックプロ作品は宣伝に力が入っているなあ。

『ギガ』では新作アニメーションによって
「海外で大人気となったTVアニメ、グレンダイザー」の新作
というのを強調していたけれど
今回は漫画本編のコマを用いたモーション・コミック的な映像で
永井豪氏の漫画『デビルマン』の最新作であることを
アピールしている感じだね。
しかし単行本1冊半のストーリーを1分半で完璧に説明出来るんだなあ。
やっぱりペース遅いわ。

  

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  デビルマンサーガ, アニメ・漫画, ダイナミック系

ゼロゼロナンバーサイボーグとデビルマンが激突するWEBコミック
『サイボーグ009 VS デビルマン -BREAKDOWN-』の第5回となる
「ACT-3 遭遇 (前編)」が更新。

というわけで今回は待ちに待ったアクション回。
アニメ本編ではジョーと明の遭遇戦、という
偶然での二人の対決だったけれど
こちらの漫画「BREAKDOWN」ではサイボーグ戦士全員がデビルマンを相手取り
9対1(+了)の集団戦といった雰囲気。
力に勝るデビルマンをサイボーグ戦士たちが
それぞれの能力を活かしたチームプレイで翻弄する……というのは
アニメ本編ではありそうでなかったシチュエーションだし
それを漫画で実現してくれたのは嬉しいなあ、と。

ただ前回の引きとなっていた「9つの墓標」については
完全にノータッチで次回以降にお預けとなってしまったのが残念なところ。
無料のWEBコミックでページ数も毎回少なめ、更新も月2回なので
ちょっと引っ張っただけで月単位で待たされてしまうのが読者には辛いところだね。

あーまとめて読みたいわー。
完結したら単行本はちゃんと出てくれるのかなー。

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  サイボーグ009vsデビルマン, アニメ・漫画, サイボーグ009

というわけで以前にも何度か触れた
RPGツクールの「Parallax Mapping」について
自分の意見というか思うところをつらつらと書いてみようと思います。

 

この「Parallax Mapping」については海外の方による
上の紹介動画などを見るのが手っ取り早いんですが
要はエディタのマップチップ、タイルセットを使わずに
遠景などでマップを描いてみよう、というテクニックであり
それ自体はツクール2000の頃からよく使われていたものでした。

 20151209.jpg

自分がよくやる一枚絵ワールドマップも
広義の「Parallax Mapping」と言えるかもしれません。(宣伝)

それがここ数年で非常に凝った海外製のマップが登場したり
公認販売サイト「Degica」のサンプル画面として使われたり
最新作「RPGツクールMV」では遠景マップを簡単に作れる機能が搭載されたりと
最近になって妙にプッシュされるようになった印象があります。

ただ個人的には「Parallax Mapping」については不満もあるというか
そんなに手放しで持て囃していいものじゃないぞ、と思っているので
そのメリットとデメリットについてまとめてみたいと思います。


●「Parallax Mapping」のメリット

(1)見栄えのいいマップが作れる!

恐らく「Parallax Mapping」を使う一番のメリットはこれだと思います。
マップチップの座標に縛られないオブジェクトの配置、
エディタの上層や下層を無視してレイヤーを重ねた立体感、
ゲームの作風に合わせた絵画的なマップなどなど
通常では作れないようなマップを生み出すことが出来るのが最大の魅力です。
見た目がいい、というのはそれだけでアピールポイントになるので
公式でプッシュしたりサンプルゲームに採用されるのも納得です。

(2)動きが軽くなる!

「Parallax Mapping」を使うことで動作が軽くなるか重くなるか、
というのはその条件によって変わってくると思いますが
少なくとも複雑なマップを作る場合は使ったほうが明らかに軽くなります。
マップが重くなる一番の原因は「イベントチップを敷き詰める」ことなので
イベントチップで階層を作っているようなマップの場合は
一枚絵にすれば一気に軽くすることが出来ます。
自分で作ったマップを画像化して確かめたので間違いないと思います。


●「Parallax Mapping」のデメリット

(1)一枚絵だから動かない!

マップチップを使った場合はタイルセットの仕様により
波打つ水の様子や流れる滝などの「動きのあるマップ」を作ることが出来ますが
「Parallax Mapping」で描かれたマップは当然ただの一枚の絵なので
こちらは動かすことが出来ません。
もし動かしたい場合は座標を合わせてマップチップを上に敷く、
並列処理でチマチマ動かす……などの
本末転倒なことをしなければなりません。

(2)通行設定やプライオリティとはミスマッチだ!

上の紹介動画の作業を見ると分かりますが
「Parallax Mapping」でどんなに綺麗でなめらかなマップを作ったとしても
通行設定や表示のプライオリティなどの設定は
最終的にエディタ上で行うことになります。
そのため1マス(VX系では32*32、MVでは48*48)単位でしか設定出来ず、
プレイヤーが操作するキャラクターも当然1マスずつしか動くことが出来ません。

ここで「歩けそうなのに歩けない」「歩けなさそうなのに歩ける」という
滑らかなマップとキャラクターの動きとの間の齟齬が生まれてしまいます。
実際に円形の画像マップを作ってその上を歩かせてみれば
違和感が分かると思います。

(3)移動出来る場所が分かりにくい!

これは(2)から直接繋がってくることなんですが
滑らかなマップ、細かく描かれたマップになればなるほど
プレイヤーにとってはどこにいけばいいか分かりにくくなる、という危険があります。
このあたりはコンシューマーだとPS時代のFFなどがいい例だと思います。
FF7やFF8で「移動出来る場所が分かりにくい!」とさんざん言われて
FF9では移動可能な場所に!マークが出るようになったという経緯がありますし。


●結論

というわけでここまで長々と書いてきましたが結論。
「Parallax Mapping」を使うことで確かにマップの見栄えは良くなります。
ただ「見栄えのいいマップ」と「プレイしやすいマップ」は別物であり、
RPGツクールが「マップチップ上をキャラクターが歩く」ことを想定している以上、
一枚絵マップはその部分でミスマッチを起こし
プレイヤーに違和感を与えてしまう、という可能性を常に孕んでいます。

それこそキャラクターの移動単位、通行設定、表示のプライオリティなど
全ての要素をドット単位で調整することが出来なければ
「Parallax Mapping」を使う意味はない
、と思います。
はっきり言って現実的ではありません。
ドット単位移動を可能にするスクリプト素材はよく見かけますが
通行設定にまで言及しているのはほぼ皆無ですし。

逆に言えばプレイヤーが操作する余地のないイベントやOPEDの演出など
ここぞという場面で使えば強い印象を与えることが出来ますし
非常に効果的で価値のあるテクニックになると思います。

まあ一言でまとめてしまえば適材適所という話です。
おわり。

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  RPGツクール