『もうひとつのユリトピア』と同時発売となる
PCゲーム『屋上の百合霊さん』のコミカライズ第二弾『仲良しクイズ』。

『もうひとつのユリトピア』が本編キャラオールキャストで
ゲームの続編、あるいは劇場版的な性格を持っていたのに対して
こちらはクイズ研究会に所属する巴七津希、笹木里香のカップルを
仲良し女子を見るのが好きな長谷千英&伊地山時乃のコンビの視点から描くという
四人の新キャラを中心としたストーリー。

貴重な沙紗さんの私服姿や月代ちゃんの登場、
「全国優勝を果たした伝説の料理部部長」などの小ネタはあるけれど
彼女たちが積極的に話に絡んでくることはなく
どちらかと言えば『屋上の百合霊さん』の舞台を借りた
オリジナル作品、という雰囲気が強い印象かなあ、と。
放送部の三人が卒業していることから本編の二年後以降の話なんだろうし
各キャラが巣立っていった後の新たな世代の物語、といった感じもするね。
数理部の部室が当然のように合宿本部になってるのに微笑ましくなったり。
伝統はこうやって作られていくんだなあ。

そして某高校生クイズを彷彿させるクイズ大会へ向けての
笑いあり涙ありの熱血部活ストーリーとしても楽しめるのも本作の魅力。
物語的には単なる憎まれ役+引き立て役でしかない他校のライバルキャラに
しっかりとした性格付けや設定がされているのは
『屋上の百合霊さん』らしいこだわりが感じられる部分だね。

そんなわけでゲームやドラマCDに続いて漫画化も果たした『屋上の百合霊さん』。
世界観がどんどん広がってタイトルの「百合霊」から
ずいぶん遠くに来ちゃった感じもするし
ここらで一発原点回帰的な設定資料集とか
本編のカレンダーを埋めるような外伝エピソード、
北海道での修学旅行編なんかも見たいなあ、と。

コミカライズ第一弾『もうひとつのユリトピア』の感想はこちら

   

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  アニメ・漫画, ゲーム

PCゲーム『屋上の百合霊さん』のコミカライズ作品
伊藤ハチ氏の『もうひとつのユリトピア』と
文尾文氏の『仲良しクイズ』が描き下ろし単行本として二冊同時に刊行。

2012年のゲーム本編の発売以来、非公式同人誌「○○レシピ」シリーズや
Twitterによる設定公開、全四巻のドラマCD+サントラの発売と
コンスタントに世界観を広げてきた百合霊さんワールドに
新たな歴史がまた1ページ、といった感じだね。

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そんな一冊目のコミカライズ『もうひとつのユリトピア』は
ゲーム本編の一年後を舞台に
新キャラとなる主人公、椎名栞が各キャラに助けられながら成長していく
正統派の青春物語といった展開。
ドラマCDでは大学生になった後のエピソードがあったりと
現実の暦と連動してリアルタイムに綴られていく群像劇が
『屋上の百合霊さん』の魅力の一つだけど
このコミカライズでも結奈ねえを始めとして
ちょっと成長した彼女たちの顔が見られるのが嬉しいところ。

中でも例のアレが既に伝説となっている牧ちゃんさんと
本編同様に絶妙な距離感で接してくれる比奈の二人は
栞のクラスメイトという立ち位置もあって準主役級の活躍。
彼女たちの所属クラスが2-Bというのも
・牧ちゃんは総合クラス志望だからA組かB組
・生徒会長を輩出しているのはB組とD組が多い
という「はるレシピ」で語られた設定を踏襲したものだし
こういう細かい所のこだわりがファンには嬉しいなあ、と。

そしてクライマックスは舞台が学園祭ということもあり
卒業した上級生組も登場しまさにオールキャストの劇場版的な雰囲気。
美紀さんの私服が「はるレシピ」の挿絵と同デザインだったり
本編終盤でギターに興味を持っていた愛来が陽香と二人で学祭ライブを行い
固定ファンがつくまでになっていたりと
こちらも細かいところで「おお」と思わせてくれる演出が上手いところ。
たった一コマで妙な存在感を醸し出すちゅるぎいねさんは
ヨゴレ役がしっかり板についちゃってるなあ。

そんなこんなで新キャラの主人公、栞を中心に据えつつも
ゲーム本編のキャラも全員登場してしっかりと存在感をアピールしている
非常に構成力の高いコミカライズ一冊目『もうひとつのユリトピア』。
『屋上の百合霊さん』を知っている人も知らない人も楽しめるし
まさに理想的なコミカライズだね。うん。

コミカライズ第二弾『仲良しクイズ』の感想はこちら

   

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というわけで現在東北歴史博物館で開催中の
医は仁術』展に行ってきました。
ぶっちゃけ江戸時代は専門外というかさっぱりさっぱりなんですが
白澤之図とか妖怪関連の史料も充実しているということで
前から気になっていた特別展です。

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いやーこれがまた面白くて大満足。個人的に久々にヒットの展覧会。
どうも江戸時代って言うと
クッソ読みにくいくずし字の近世文書のイメージが強かったんだけど
よく考えたら本屋とか出版業があったんだよなあ、と。
『解体新書』などが普通に出版されていた本だったっていうのは
普段はあんまり意識してなかったから目から鱗というか何と言うか。
いやーこれだったら普通に読めるわ-。
解剖による医学の発展の歴史が展示のメインということで
各部のスケッチなど当時の人々の試行錯誤が感じられる史料が充実しているのも
楽しいところだね。

また国立科学博物館が企画した展覧会ということで
裸眼3Dによる映像や3Dプリンタによる内臓モデルなど
普段の歴史系の展示ではあまり見られないような最新技術を味わえる展示が
たくさんあったのも見所。
特に3Dプリンタによる模型は重さや質感、手触りまで
実際のものを忠実に再現している、というのが印象的。

以前に行ったことがある『人体の不思議展』なんかは
本物の人間のものを展示しているということで
人道的になんたらかんたら言われて開催終了になった感じだったけれど
今はこんなふうに人権に配慮しつつ
本物に限りなく近いものを気軽に体感出来るようになってるんだなあ、と。
科学の進歩はすごいわ-。

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そんなこんなで予想以上に見ごたえがあって面白かったので
買うつもりのなかった図録を思わず購入。
横長で古書みたいな綴じ方をしたちょっと凝った感じの装丁だね。

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そしてこっちは絶妙なシュールさが琴線に触れた腹八分目クリアファイル。
いやーいい買い物したわー。えへへ。

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鋼鉄のパン屋=シーブックとの交流によるフォントの心の変化が語られる
『機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト』の単行本9巻が発売。

今回の見所は何と言ってもついに再登場を果たしたシーブックの大活躍。
ブランド・マーカーを使っての「飛び降りろ! コクピットを潰すぞ!」という
無印第1話と同じセリフが飛び出したりと
既に旧式MSとなっているクロスボーンガンダムを駆っての大立ち回りは
シリーズのファンなら思わずニヤリとしてしまうところだね。
セシリーがちゃんと「アノーさん」と呼ばれているのにも何だか嬉しくなったり。
しかしオウムのハロはまだ生きてたのか……。
それにしてもシーブックもセシリーもすごい若いなあ。
年齢的にはもう50歳近いはずなんだけど全くそう見えないわ。

そして後半は最終決戦に向けて敵味方それぞれの決意と思惑が語られる展開。
「今回の仕事が最後」「学校に通うのもいいな」「仕送りしている妹がいる」と
次々とフラグを立てていくジャックやトビアの口調で決意を語るカーティス、
外惑星の素材によって銀色になったファントムなどが気になるけれど
中でも本作のラスボスとなるであろうキゾ中将+トモエが
「人類が絶滅しても構わない」と言っているのが引っかかったところ。

これまでのシリーズのラスボスは
・自分の手で地球を汚染することに拘り続けたドゥガチ
・自分たちが正しいことを証明するためにレーザーの連射を命じたカリスト
と最後の最後で人間であることを捨てきれずに戦局を見誤るような感じだったけど
この二人はそのあたりが感じられないというか
ナチュラルに(フォントの言い方を借りれば理性的に)
人類滅亡というのを一つ選択肢として自然に受け入れてしまっている印象。

今回のフォントの描写なんかを見ても
本作では「理性」というのが一つのキーワードになっている感じだし
このあたりが最終決戦に繋がっていくんじゃないかなあ、と。

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  アニメ・漫画, クロスボーンガンダム

というわけで観てきました映画ドラゴンボールZ『復活のF』。
映画は上映期間ギリギリにスッカスカの館内で観るのが好きなんですが
今回は入場者特典で鳥山明書き下ろし脚本「ドラゴンボール巻『F』」が
貰えるということで早々に映画館へ。
いやーハマってるわー。まんまと特典商法にハマってるわー。

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『帰ってきた孫悟空と仲間たち』『神と神』などの近年の新作は
「あのドラゴンボールが戻ってきたぞ!」みたいな感じで
オールキャストのお祭り、という性格が強かったけれど
今回の『復活のF』は登場キャラをかなり絞ったバトル展開に特化しており
かつての東映アニメフェア作品に近い雰囲気になっていた印象。
ナメック星編でほぼ傍観者だったヤムチャや餃子はともかくとして
フリーザとの因縁を考えるとトランクスや悟天の出番は欲しかったなあ、と。

そしてバトルアクションがメインの映画ということで
フリーザ軍1000人とZ戦士たちとの集団バトルは迫力満点の展開。
ドラゴンボールでこういう集団戦はあまり無かったし
とにかく1シーンの情報量が多いから何度でも観たくなるところだね。

また予想外に嬉しかったのが『銀河パトロール ジャコ』のジャコの出番が多く
戦闘面でもトリッキーな戦い方で魅せてくれていたところ。
立ち位置的に一人だけ浮いたゲストキャラになりがちな彼が
しっかりとドラゴンボール世界のキャラとして違和感なく溶け込んでいるのは
脚本:鳥山明ならではだね。
ほんまクリリンさんのコミュ力は五臓六腑に染み渡るわー。

しかし悟飯、クリリン、ピッコロ、天津飯、亀仙人、ジャコというのは
微妙に理解に苦しむメンバー選出だなあ。
よく考えると悟飯以外全員ハゲじゃないか! かのナッパ戦を思い出すハゲ祭り。
鳥山先生の「作画が楽」という無意識がそうさせたのか?

そんなこんなで前半は楽しめたんだけど
悟空たちが到着してからの後半は所々にチャチャが入る展開が引っかかるというか
状況のシリアスさと鳥山脚本が噛み合っておらず
いまいちストーリーに乗り切れなかったという印象。
特に今回のフリーザ様は「真面目にトレーニングをして強くなった」という
まるで善玉側のような設定だったために
「チートな敵を主人公たちが正々堂々と倒す!」的な
カタルシスを感じる余地が全く無かったのが問題じゃないかなあ、と。
しかし戦闘力130万っていうのはどこから出てきた数字なんだろうか……。
戦闘力に言及したのはファンサービスのつもりなのかもしれないけど
せっかく『神と神』で気で計れない強さを提示したんだから
その設定を活かしたままにして欲しかったなあ。

また導入部のピラフ一味とのやり取りやウイスとの修行シーンに
かなりの尺を割いていたのに対して
終盤の流れがかなり唐突であっさりしていたのも気になるところ。
上映時間も映画としては短めだし
『神と神』同様にディレクターズカット商法がありそうだねこれ。うーん。

というわけで個人的には『神と神』のほうが統一感のある雰囲気で好きなんだけど
とにかく最新の作画でフリーザ様が復活したというだけで満足してしまった部分も。
つまらなくはないよ! むしろ面白いよ! でも『神と神』のほうが好きだよ!
そんな感じ。

あ、あといろいろ言われているももいろクローバーZによるED。
ぶっちゃけ曲としては好きじゃないんだけど
何でもかんでも「DB=チャラヘッチャラ」な風潮には正直嫌気が差していたので
新曲を持ってきてくれた、というだけで評価したいです。はい。

前作『神と神』の感想はこちら

   

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