「食堂」をテーマとした6巻に続いて
「朝食」をテーマとして描かれた『食の軍師』の単行本第7巻。(2018年10月発売)

ただ「朝食」とは言っても
喫茶店などのいわゆる「モーニング」を取り扱ったエピソードは少なく
「早朝からやっている、朝から酒が飲める食堂」がメインとなっている印象。
6巻のテーマ「食堂」では時間帯への言及がなかったこともあり
正直「6巻と何が違うんだろう」「やってることは同じじゃないか」と
感じてしまうところもありますね。
今回もやたらと「シブい」という表現が出てきてマカロニサラダを注文しますし。
どんだけ好きなんだマカロニサラダ……。

というわけで「前の巻と変わらないじゃん」というのが本巻の第一印象だったんですが
そんな中で面白かったのは吉野家の朝定食を食べる「新橋の朝食」と
1巻のバイキング回のリベンジとも言える「ホテルの朝食」の2つのエピソード。
吉野家では「大根おろしや釜揚げしらすをどう使うか」と悩んだりして
久々に食べ方の工夫が見られた話ですし
バイキング回はオチの「寝過ごして失敗」こそ取って付けた感がありますが
しっかりと食事を楽しんでいる感じがして
素直に美味しそう、自分も朝食バイキングではカレーを食べたい、
などと思いたくなるものになっています。

そんなこんなで「面白いエピソードもある、パッとしないエピソードもある」と
「軍師」初期の餃子回のような感想になってしまった今回の第7巻。
大衆食堂や酒類の出番の多さだけはどうしても気になってしまうので
(本巻ではそれに加えて煙草まで出てきた感じですし)
そのあたりはもっとバリエーションを増やしてほしいなあ、と。

あ、それと4巻あたりから本郷氏の知識のなさ、
一般常識のなさを感じてしまうような描写がたまーにあったんですが
本巻の「小女子の読みを知らなかった」のもさすがにどうかと思うんですよね。
いわゆる下ネタのオチに持っていきたかった、というのは分かるんですが
ぶっちゃけそのオチ自体が寒いですし何だかなあ、な気分になってしまうのです。

初期の「豊富な知識で食を楽しむ本郷と更にその上をいく力石」みたいな
高レベルの戦いっぽい雰囲気が好きだったんですが
連載が続いていくうちに本郷がダメ化していっちゃったなあ、と。

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