4巻の「神社や寺」、5巻の「東京で食べる地方の料理」に続いて
「食堂」をテーマとした『食の軍師』の第6巻。(2017年7月発売)

というわけで4巻あたりから1冊を1つのテーマでまとめるようになった
『食の軍師』の6巻のテーマは「食堂」。
特に昔ながらの大衆食堂的な店が中心になっており、豊富なメニューから選ぶ楽しみ、
ジャンルを問わずいろんなものを食べられる雑多さが魅力の内容。
一品料理から定食から〆のラーメンまでをカバーできる、というのは
何でもありの「食堂」ならではの魅力ですね。
自分としても地元に「半田屋」があるので雰囲気もイメージしやすい感じです。

ただせっかくいろんなメニューを取り扱っている「食堂」がテーマなのに
本郷氏の反応や注文するものが似通ってしまっているのが残念だなあ、と
思ってしまう部分もちらほら。
本巻では「シブい」「シブすぎる」という誉め言葉が
バカの一つ覚えのように10回近く出てきていますし
やたらとハムサラダやマカロニサラダを注文するのも不思議なところ。

いやー自分は酒をあまり飲まないこともあって
どうもこのあたりのメニューには魅力を感じないんですよね。
特に外食では家で食べられないもの、変わったものを食べたいタイプなので
冷奴やサラダといったものの「普通」を誉めちぎる感覚がちょっと分からないのです。

本郷氏は安い安いと言っていますが「家でも食べられる」ことを考えると
ちっちゃい小鉢で100円とか200円とかの惣菜は高いぞ、とも思いますし
普通のものを取り上げるんだったら初期のエピソードのように
食べる順番、食べ方などでのこだわりを見せてほしいなあ、と。
ただ単に出てきたものをそのまま食べて「普通!」と有り難がるだけだったら
「軍師」である意味がないと思うんですよ、はい。

そんなこんなで3巻あたりから自分の感覚との違いが顕著になってきてしまったというか
「酒を中心とした食事」がメインになり、食べ物、食べ方にこだわっていた
初期の雰囲気がなくなってしまった感じのある『食の軍師』。
自分が食べ物漫画に求めているのとはちょっと違う感じになってしまったのは残念ですが
この感覚はドラマ版『孤独のグルメ』の1コーナーである
「ふらっとQUSUMI」に対する思いに近いものがありますね。
あのコーナーも「酒を飲まない井之頭五郎」というドラマの雰囲気とは真逆なこともあって
賛否両論な感じになってますし
個人的には「酒なんていらないよ」派ですからあまり好きではないのです。

ところであんなふうに酒の肴に喜ぶ山ガールなんているんですかね……?

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