先週の7/25から上映が始まった映画
『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』を観てきました。

いやー本作品は5年くらい前に初報が出てからずっと楽しみにしていたんですよ。
何度か書いていますが自分がアメコミで一番好きなのが『ファンタスティック・フォー』で
以前の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』も
半分くらいはリード目当てで観に行ったくらいなので
今回の映画は本当に待ち望んでいたのです。
映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」感想
https://tktkgetter.com/blog-entry-1447.html
『ファンタスティック・フォー』はアイアンマンやスパイダーマン等と比べると
日本での知名度はあまり高くなく名古屋弁のアレのほうが有名になってしまった感じですが
映画に合わせて近年になっていろいろと単独誌の邦訳が出てきているので嬉しい限りです。

現在刊行中の「マーベル グラフィックノベル・コレクション」も
『ファンタスティック・フォー』だけ買い揃えているのです。
そんなわけで待望の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』ですが
いやー本当に最初っから最後まですごい楽しかったというかワクワクしっぱなしでしたね。
『ファンタスティック・フォー』仕様の最初のIMAXカウントダウン映像に始まって
エンドクレジット後のアレまでとにかく楽しく
『ファンタスティック・フォー』の映画として100点満点の出来栄え。
まさか『宇宙忍者ゴームズ』の新規映像が映画館で観られるとは思いませんでした。
ちゃんとキャラクターデザインが映画に準じたものになっているので新規作画ですよアレ。
宇宙忍者の動きは素早いぞ!
原作というかベースとなっているのは
過去にも映画化されている超有名エピソードのテッカーメン編もとい
「カミング・オブ・ギャラクタス」ということで
全体のストーリーはそこから大きく外れたものではない予定調和なものなんですが
超光速ワープや物体の瞬間移動などの超技術が当然のように出てくる宇宙規模の壮大さと
レトロな世界観や家族ヒーローならではの生活感が同居しているのが本作の最大の魅力。
次々と登場する王道のSFガジェットには「こまけぇことはいいんだよ」的な
問答無用のワクワク感があります。センスオブワンダーです。
亜光速スイングバイ出産はさすがにダイナミックすぎます。
また原作ではこの時点では登場していない
長男のフランクリンがキーキャラクターとなっており
「大人が子供を守る」という要素が強くなっているためか
各キャラクターがアメコミ版よりもちょっとマイルドに、大人になっていた印象。
リードは「頭が良すぎるがゆえに他の3人に説明せず
1人でいろいろ動いて状況を悪化させてしまう」のが一種の様式美のようになっていますが
そのあたりのどうしようもなさは本作ではかなり薄れていますし
ジョニーも単なるお調子者ではなく自力で惑星ゼン・ラの言語を解読するなど
頭脳派である部分も強調されています。
ジョニーは以前の映画でも原作以上に出番が多く準主人公的な役割を担っていましたし
いろいろと使いやすいキャラクターなんだろうなあ、と。
最初のダイジェスト映像だけの出演かと思いきや意外な形で活躍するモグラ怪人モールマンや
世界会議でラトヴェリアが欠席しているなどの細かなネタも嬉しいですね。
ただ「母は強し」的な演出にするためか
パワーでギャラクタスを押し返す役割をスーが担ってしまったために
シングのパワー面、アクション面での活躍があまりなかったのはちょっと残念だったところ。
「リードの親友、家族の一員」としての出番は多いですし
ベンの魅力はパワー系の能力だけではないことは重々承知ですが
まあ今回は相手が悪かった感じですね。
逆にリードの伸びる能力はギャラクタスに人形のようにグイグイ伸ばされたりと
ちょっとした演出も含めて原作より印象に残る出番が多かった気がしましたね。
伸びろ、ゴームズ!
あ、それとエンディングでチャイルドシートを固定するために
男3人でワチャワチャやってるところがすごい好きです。
超天才の科学者だってベルトには苦戦するのです。
今回は見本だで、サンプルだで、後ろ姿だけにしとく、てな感じでラストには彼も登場し
来年公開予定の映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』への引きこそあるものの
過去のMCU作品とは全く異なるアースを舞台としており
他のヒーローも一切登場せず単体作品として完成しているので
近年の一見さんお断り状態になっているMCU作品と比べると
「事前にこれを観ておかなきゃいけない」作品がほぼ皆無なのも個人的には嬉しいところ。
ただそれで本作の敷居が低いかというと難しいところでありまして
いわゆるオリジン部分をダイジェストで一気に流して
各キャラの能力の紹介や説明もほとんど無いために
『ファンタスティック・フォー』の予備知識が必要になってしまっている気はしますね。
『スーパーマン』くらいの知名度があればそれでいいんでしょうが
最初に書いたように日本での『ファンタスティック・フォー』の知名度は微妙なので。
とりあえず「カミング・オブ・ギャラクタス」
(『ファンタスティック・フォー』#48〜#50)
モールマンも出てくる初登場エピソード
(『ファンタスティック・フォー #1』)
惑星ゼン・ラが舞台のシルバーサーファー誕生エピソード
(『シルバーサーファー #1』)
の3作品を押さえておけば今回の映画の予備知識としてはバッチリだと思いますね。
嬉しいことに上記の3作品は全て邦訳本が出ているのです。
それと今回「シルバーサーファー本人とボードは別」な部分への言及が
やたらと多かったのは伏線のような気がしますね。
映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』は今年の9月に初邦訳となる
『ファンタスティック・フォー:ドゥームズデイ』
(2025/09/17に「マーベル グラフィックノベル・コレクション」96号として発売予定)
が元ネタの一つになるでしょうし
過去の映画のようにサーファーのボードをドゥームが奪う展開もあるんじゃないかなあ、と。
あ、それと『スーパーマン(2025年版)』の感想記事でもちょっと触れましたが
今夏の映画は某アニメが強すぎてとんでもない上映回数になっており
他の作品が完全に追いやられてしまっているのがどうにもキツいですね。
映画 『スーパーマン(2025年版)』 感想
https://tktkgetter.com/blog-entry-1625.html
『ファンタスティック・フォー』も初週にして
IMAX上映が朝の8時台と21時台の2回のみとMCUの新作としてはかなり寂しい状態ですし
『スーパーマン』も予想通り3周目からはIMAXや吹替がなくなって
1日2回の通常字幕のみになってしまいました。
商業的に仕方ないのは分かるんですがもう少しこう何というか手心というか……。