二年ほど前に堂々の完結を迎えた『成恵の世界』の劇中劇として
スピンオフ連載されている『魔砲少女四号ちゃん』の単行本第1巻が発売。

四号ちゃんやシャーマンちゃんのキャラクターデザインは
『成恵』に登場したものそのままながら
「聖統魔術協会」と「始めの九門」の板挟みになり
日常でも不安を抱えて生きる主人公、真名花などなど設定が深く練られており
『成恵』での描写よりもややダウナーな作品になっている印象。

また学校が破壊されても普通に旧校舎で授業が始まったり
助けられた警察官が四号ちゃんたちに普通にお礼を言ったりする
「現実世界そっくりだけどちょっとズレた世界観」は
『成恵』の雰囲気そのまま、といった感じだね。

ただ良くも悪くも丸川トモヒロワールドが全開というか
『成恵』中盤以降に顕著になった複雑な関係や隠喩を多用したモノローグなどを
序盤から思いっきり全力で持ってきているため
読んでいて置いてけぼりになってしまうというか戸惑ってしまう部分がちらほら。
その一方で普通の魔法少女モノならメインとなるであろう
「四号から力を託されるシーン」「四号ちゃんへの最初の変身シーン」が唐突に、
そしてあっさりと済まされてしまっているのは
丸川トモヒロ氏の魔法少女へのスタンスと捻くれっぷりが
そのまま現れている感じだなあ、と。

そして『成恵』ファンとして嬉しいのは
オマケ漫画「魔砲少女四号ちゃん対成恵の世界」が巻末に収録されていること。
ちょっと成長した成恵ちゃんが星門を理由に真名花の存在を普通に受け入れたり
『成恵』最終巻ラストページに繋がるような演出が入っていたりと
単なるファンサービスの共演で終わってないのがたまらないね。

そんなこんなで1巻から丸川ワールド全開な『魔砲少女四号ちゃん』だけど
個人的に興味深いのが表紙裏の作者コメントで
ここ十数年間エンタメ作品で主流となっている「魔法の本質を外れてしまった魔法」
への疑問というかアンチテーゼ的なことが書かれていること。
そういう意味では本作が「魔法少女」ではなく「魔砲少女」と銘打たれているのは
一種の自虐的な意味合いも含む重要なところなんじゃないかなあ、と。


ぶっちゃけてしまうと
「完全に魔法が軍事力となった世界で
主人公が組織に組するようになった『魔法少女リリカルな○は』」とか、
「使われる魔法に関しては二の次になり、魔法少女という存在そのものを
問いかけるようになってしまった『魔法少女ま○か☆マギカ』」とか
そこらへんのアレとかアレ。たぶん。

  

コメント (0) | トラックバック (0)

  アニメ・漫画

VIPRPG紅白2014作品を偉そうにレビューするよ!
いつの間にやら13回目に突入した紅白レビューだよ!
今日で2月も終わりだけど時節は気にせずに続けていくつもりだよ!


No.073 俺クエスト

 ko2014re-073.jpg

主人公「俺」が勢いのままに三つのシチュエーションで暴れ回る短編見るゲ。
猪突猛進で突っ込み不在の展開が見所であり
まさにゲーム制作時のテンションがそのまま反映されている感じ。
「ゲーム内のデータをいじりながら戦う」という
メタフィクションあるいは劇中劇的なRPGはたまに見かけるけれど
そんなことはどうでもよくなってくるほどの突き抜けっぷりだった。


No.074 代理ksg(投票結果予想)

 ko2014re-074.jpg

今回の紅白の投票結果を予想するというタイトル通りの短編見るゲ。
期間ごとの増加率や作品のボリュームなどを考慮した予想がされており
単に数を比較するだけではない真面目な分析ゲーといった印象。
時事ネタや季節ネタ以上にテーマの旬が限定されているので
こんな時期にレビューすることになってしまったのが何だか申し訳ない感じだなあ。
この提出日は間違いなく確信犯(誤用)。


No.075 宝探し

 ko2014re-075.jpg

アレックスが宝を求めて奮戦する掌編RPG。
「宝探し」とは言うものの探索要素はほとんどなく
版権キャラを使った実験作お使いゲーという印象。
謎解きらしい謎解きもなく超展開であっさりエンディングを迎えてしまうので
ちょっと肩すかしをくらってしまった部分もあるかなあ、と。
洞窟マップはもうちょっと頑張ってほしかった。


No.076 はい

 ko2014re-076.jpg

歯痛に苦しむエロリアを描いた一発ネタ作品。
いつどこで何があろうとも変わらない魔王城の日常には安心するね。
一瞬だけ痛みが治まって素に戻るところが妙にリアルだった。
はい口開けてー。


No.078 野生の王国

 ko2014re-078.jpg

ちょっとオツムの弱い主人公「公爵」が
生まれ育った教会を守るために立ち上がるARPG。
独特の世界観と雰囲気のあるマップ組みが魅力であり
特に橋が架かるイベントの細かい動きなどは感動モノ。
ただ普通の道ですら隠し通路に思えてしまうほどの重厚なマップが仇となっており
「見るだけならすごいけど実際に歩くと微妙にストレスを感じてしまう」
ような作りになってしまっているのが非常に勿体ない感じ。
とにかく出入口が分かりにくいので目印みたいなのが表示されても良かったかも。
シナリオも練られている分取っつきづらい部分が多く
スキップ機能を前提としたNPC会話の長さや宗教と種族が入り混じる設定は
初見プレイではかなり戸惑ってしまう印象。
大公への請願イベントあたりから各々の状況が分かってきて面白くなってくるので
そこまでのシステム面、ストーリー面での敷居の高さが惜しいなあ、と。
「横や後ろから攻撃しないとまともにダメージが通らない」ことなどは
最初のかくれんぼが上手い具合にチュートリアルになっていたので
あんな感じで序盤にプレイヤーが理解出来る部分を増やしてほしかったところ。


コメント (0) | トラックバック (0)

  紅白2014レビュー, VIPRPG祭りレビュー, RPGツクール

陰謀渦巻くパーティの中で主人公、不動勇希の困惑と苦悩が描かれる
「デビルマンサーガ」の第5話。

今回のストーリーの中心は自分の意思とは裏腹に
軍事開発に巻き込まれていく勇希が必死にそれを否定しようとするところ。
続々と登場する新キャラの中に日本人が混じっている、というのが
いい感じの皮肉になっていて上手い演出だね。

ただちょっと展開がゆっくりというか
勇希があまりにも軍事産業に拒否反応を示しすぎているせいで
ストーリー全体にブレーキがかかってしまっているような気も。
永井豪氏は以前にエッセイで
「不動ジュンが真面目すぎて『レディー』の序盤は話を大胆に動かせなかった」
みたいなことを書いていたけれど
本作の勇希からもそれに近いような雰囲気を感じるなあ、と。

また次々と登場する兵器群がどれもこれも個性的で
運用法なども含めてしっかりとデザインされているのが個人的に気になるところ。
「魔王ダンテ(平成版)」では超能力兵器と融合してダンテたちが誕生していたし
本作のこれらの兵器もただの使い捨てではなく
ストーリー的に大きな役割を果たすんじゃないだろうか。

そして今回の最後のページでは本作のサタンと大きな関わりがあるであろう
「竜アスカ」が勇希の知り合いとして登場。
アモン、シレーヌ、そしてサタンと
ここでようやくデビルマン作品には欠かせない役者が全員揃った感じだね。
しかしアスカまで女性になると美紀ちゃんの影が更に薄くなるなあ。
『レディー』のアスカ蘭の二番煎じ的な印象も強いし。

   

コメント (0) | トラックバック (0)

  デビルマンサーガ, アニメ・漫画, ダイナミック系

2015/02/24までの進み具合です。今週はこんなことをしてました。

・スキル作成
・細かい部分の整理
・オープニングイベント

 20150224-1.jpg

そんなこんなでここまで長かったですが
今週というか今日から本編ストーリーに手を付けることになりました。
熱血妖怪バトルアクション超本格和風長編RPG(仮)がいよいよ開幕するのです。

オープニングの文章はもう半年以上前に完成していた部分なので
いざツクールに入力すると変な気分になりますね。
やっとここまで来たか……的な。

 20150224-2.jpg

ちなみにオープニングの演出として上の画像のような
「流れ星のアニメーションを並列処理で夜空にかける」というのを入れてたんですが
いざやってみたら効果をあまり感じられず
予想外に処理が重くなってしまったこともあり泣く泣くカットしました。
自前で作った流れ星アニメも残念ながらお蔵入りです。
まあ先は長いしどこかで日の目を見る機会もあるかな……。

コメント (0) | トラックバック (0)

  妖鬼少女(現在制作中), RPGツクール

VIPRPG紅白2014作品を偉そうにレビューするよ!
二月も下旬に入ったけど紅白レビューはまだまだ終わらないよ!
作品ナンバー的にはちょうど今が中盤戦って感じだね!


No.066 わてり☆イーターバースト

 ko2014re-066.jpg

勇者わてりの冒険に出そうで出ない日々を描いたドタバタ系前後編見るゲ。
シリーズものと言うこともあり過去エピソードを前提とした会話や
説明無しに登場するキャラの多さなど取っつきにくい部分はあるものの
ブライアンの名前がちまちまと変わる芸の細かさや
コマ送り的なダイジェスト演出など丁寧に作られたギャグイベントが光る作品。
フライング的に始まるスタッフロールはまさに不意打ちだった。


No.068 ホットケーキ作りたい

 ko2014re-068.jpg

成長したメビウスが幼き日の約束を守るために
リナックスの元に帰りホットケーキ作りに挑戦するほのぼの中編見るゲ。
「力が強すぎて卵が割れない」というありがちなネタの導入部を始めとして
全体的にギャグの比重が高い感じだけど
絶妙なバランス感覚によって
友情をテーマとしたハートフル作品としても楽しく見ることが出来る作品。
歳をとっても変わらないラナとのやり取りや
主要キャラの一人として登場するアレックスの息子など
「ちょっと未来のお話」を感じさせてくれるエピソードが
ところどころに入っているのもニヤリと出来るところ。
シゲキックスのネーミングセンスが秀逸すぎる。


No.069 まっきいろわーるど

 ko2014re-069.jpg

某アニメのEDをバリアーズで再現したパロディ見るゲ。
元ネタの再現度はもちろんのこと細かい部分の動きには目を見張るものがあり
特にキャラクターが滑らかに回転したりジャンプしたりするところは感動モノ。
おまけではちょっとした操作をすることが可能なので
ついつい無駄に歩いてぐるぐる回しちゃうねこれ。
そのままACTになってもおかしくないくらいの操作感の良さにもびっくり。


No.070 魔王城 ~月影の暗殺者~

 ko2014re-070.jpg

ザンニンニンが紛うことなき変態な動きで魔王城を一気に攻略するNKT見るゲ。
元ネタとなるTAS動画の再現度が非常に高く
頭の中にテンプレが完全に浮かんできてついつい何度も見てしまう、という
知っていれば間違いなく楽しめる中毒性のある作品。
タイトル画面のSEがちゃんとペポゥだったりするこだわりも嬉しいところ。
デレデレデェェェン


No.071 大乱闘!もしもブラザーズ

 ko2014re-071.jpg

タイトルやSSとは全く関係のない一発ネタ作品。
この手の「何でもアリ」を象徴するような作品は実は結構好きだったりする。
おならぷうと言えば魔法陣グルグル。


コメント (0) | トラックバック (0)

  紅白2014レビュー, VIPRPG祭りレビュー, RPGツクール