「SDガンダム 新SDガンダム外伝メモリアルブック」 感想

今年の1月に発売された「SDガンダム外伝メモリアルブック」の続刊となる
「ナイトガンダム物語(ゼロガンダム編)」から「聖伝」までを網羅するガイドブック
「SDガンダム 新SDガンダム外伝メモリアルブック」が発売。
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「SDガンダム SDガンダム外伝メモリアルブック」 感想
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本書については前巻に封入された折り込みチラシに「企画進行中」とあったものの
「後期作品だけの本が本当に出せるんだろうか」と需要などを含めて少々の不安があったので
こうして無事に発売されて何よりです。ありがとう本当にありがとう。
前巻は帯をめくったイラストが「真悪参→騎士ガンダム」になっている演出がありましたが
本書でも「啓示騎士エックス→勇者エックス」で同様の表現がされているのがいいですね。

というわけで約1年ぶりの新刊となった「新SDガンダム外伝メモリアルブック」ですが
本の装丁や中身の構成、ページ数も前巻と全く同じとなっており
その情報量は言わずもがな。
当時は尻切れで終了してしまった「鎧闘神戦記」と「聖伝」についても
「鎧闘神戦記」は後年の復刻版で新規展開された
第4弾「光臨の超鎧闘神」も含めてしっかり紹介されていますし
「聖伝」も漫画やガシャポンで展開された後半部分までしっかりとカバー。
特に「聖伝」は「アルティメットバトル」で展開されたものを除けば
2021年現在まで復刻や新作も出ていないですし
リオン・カージ世界とスダ・ドアカの関係など近年にフォローアップされた部分も含めて
その全体像を俯瞰することが出来る文字資料、というのは
恐らく本書が初めてなんじゃないでしょうか。
自分はカードダス以外はあんまり興味がなかったので
ぶっちゃけ「聖伝」後半の具体的なストーリーは本書で初めて知りましたよ。
もうこれだけで嬉しい……嬉しい……。
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また個人的には両面プリズムや二重プリズムといった
「カードダスそのもの」の仕様の変化にしっかりと触れてくれていたのが良かったところ。
同時期のドラゴンボールのカードもそうでしたが
インフレした数値をリセットするための単位の変更
(騎士ガンダムの場合はHP→BHP、ドラゴンボールの場合はBP→DP)や
両面プリズム、二重プリズム、隠しプリズムの登場など
当時はカードダスそのものがいろんな試行錯誤を強いられていた気がするので
このあたりにもしっかりと言及していたのは嬉しかったですね。
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ところで本書のインタビューにあった「最大のライバル」は
ドラゴンボールカードのことでいいんですよね。

そして意外だったのが本筋とは別口である「スーパーバトル」について
当時の提案書が載っていたりとかなり詳しい話がされていたこと。
ファルコやコナン(=コマンド)には復刻版や「新訳」で掘り下げが行われている
先代の円卓の騎士も絡めての記載もありましたし
まさか1ページ丸ごとフューラーザタリオンにスペースを取っているとは思いませんでした。
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ただ「スーパーバトル」にここまでしっかりと触れてくれるなら
「スペシャル」の話も入れてほしかったなあ、という部分はありましたね。
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いわゆる総集編~次回予告風に展開された「SDガンダム外伝スペシャル」は
何とかして新規客を取り込もうとした当時の状況が窺えるシリーズだと思いますし
本書にも「スペシャル」に使用されたイラストがかなり載っているのに
インタビューでもほとんど言及がなかったのはちょっと寂しい気もします。
「スーパーバトル」はカラーページで当時のディスプレイパネルが紹介されているのに
「スペシャル」は載っていませんでしたし。

また巻末のインタビューではカードの番号をリセットして
「新」としてシリーズが展開されるようになった理由や
転職やアイテムといったRPG的な要素を入れて原点回帰を目指した
「聖伝」の方向性などについての話が載っているんですが
肝心のシリーズが打ち切られた経緯については
「時代に逆らえず大きく広げることが出来なかった」と曖昧な表現をされていたので
実際の売り上げの推移なども含めて
このあたりの話を詳しく聞きたかったなあ、というのがありますね。

えーといやリアルタイム世代だからこそぶっちゃけて言っちゃいますけど
「聖伝」は線の少ない丸っこいデザインなど全体の雰囲気が低年齢向けになったこともあって
自分の周りではすごい不人気で評判が悪かったんですよ。
カードダス自体が大好きだった自分は特に気にせずガチャガチャやってましたが
「キャラやモンスターが格好悪くなったからイラネ」という人も多かったですし
そもそも原点回帰をした剣と魔法のファンタジーRPG的な世界観自体が
FF7が発売した1997年に出すには「古臭くてダサい」印象が
当時のスレた子供たちの間にあったのは否めないと思うんですよ。

今でこそエンタメ系は流行が一周して猫も杓子も異世界モノ、みたいになってますが
90年代末期から10年くらいはライトノベルの新人賞も
「異世界ファンタジーは門前払いだから学園ものにしろ」みたいな時代でしたからねマジで。

せっかくのメモリアルブックでそういうネガティブな話を聞きたいとか
打ち切りの経緯について詳しい話をしてほしい、っていうのが
失礼なことだって言うのは分かります。

ただですね、何も知らされずにいつまで経っても続きが出ない理不尽さを
小学生の頃にリアルタイムで体感した身としては
どうしてもそのあたりの事情を知りたいところがあるんですよ。
どんなに不人気で売り上げが不振だったとしても
あの時カードダスの続きを待っていた子供は確かにいたんです。
当時のカードを大事に持っている大きな子供はここにいるんです。
ただそれだけは伝えたかったんです。はい。

というわけで当時打ち切られたシリーズの書籍、ということもあって
ついついノスタルジーというかセンチメンタル(?)な文章を綴ってしまいましたが
「聖伝」までをしっかりカバーしてここで一区切り、といった感のある
騎士ガンダムのメモリアルブック。
折り込みチラシでは「新訳」の最新作である「騎士王物語」の宣伝をしていましたが
今後の展開としては「新訳」のガイドブックも期待したいところですね。
「新訳」も既に同じような本を1~2冊は出せるくらいに続いていますし
プレバン限定での商品展開に加えて過去話やらユニコーンによるアルティメットバトルやら
完全に一見さんお断り状態になってしまっているシリーズを整理するという意味でも
書籍の形でストーリーや設定、時系列を確認出来るような本は
「新訳」でも是非とも出してほしいのです。

ちなみにWikipediaでは「聖伝」から「新訳」までの期間に発表された
「列伝」「英雄伝」も同一シリーズとしてカウントされているみたいですが
本書では全く触れられていませんし
自分もこの2つはシリーズには含まれないって認識なんですよね。
いや別に嫌いだとか認めたくないとかそういうわけでは全くないんですが
両方ともカードダスで展開された作品ではないですし
カードをメインに考えたい自分としては
「別作品に騎士ガンダムがゲスト出演した」くらいの印象しかないのです。

ほらアレですよアレ。
スパロボ30にOGキャラがたくさん参加してるからって
30がOGシリーズにはならないでしょ、的な。

 

 

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