遠い未来で進化の果てを垣間見た拓馬たちがそれぞれの道をゆき、
地球では人類と恐竜帝国との最後の戦いが始ろうとしている
アニメ『ゲッターロボ アーク』の第12話。
というわけで未来世界でのアンドロメダ流国との戦いが終結し
新たな戦いとも長いエピローグとも言える未知の領域へと突入したアニメ版『アーク』。
漫画のラスト20Pがほぼダイジェストだったこともあり
今回は漫画で空白だった部分をガッツリと補完し
導入部にクライマックスを先取りする形で描かれたバグの姿と
恐竜帝国でクーデターを起こすカムイの動向以外は全てがアニメオリジナルの展開に。
特に前半部分、エンペラーに回収された拓馬と獏のエピソードは
エンペラーの内部での竜馬との対話や謎のゲッター曼荼羅(仮)の登場、
更に獏が未来世界のエンペラーの中に残るという選択肢をとるなど
ビジュアル面でもストーリー面でも「漫画で描かれてないからやりたい放題!」な印象。
漫画ではラストシーンに獏は登場しておらず
自分は「まあ恐竜帝国&バグとの戦いの中で死んじゃったんじゃないの」と
3号機パイロットゆえの去就を勝手に想像していていたんですが
アニメ版ではタイールの弟として自らの使命を全うしようという決意が描かれて
一気にゲッターの深淵へと向かう重要キャラになりましたね。
漫画では侵略者となったゲッターに明確な答えが出されることは結局無かったんですが
アニメでは獏がゲッターの中に入ることで
「善悪を持たず本能で突き進むだけだったエンペラーに進むべき方向性を与える」
みたいになる未来もあり得るのかなあ、と。
また地球ではシュワルツやバット将軍、敷島博士などの
サブキャラにもスポットが当たり人類と恐竜帝国の最後の総力戦という様相に。
中でもバット将軍は第7話で登場した際に
「たった1~2個のセリフのためにわざわざ若本氏を呼んだのかな」と疑問だったので
何らかの形での再登場はある程度予想していたんですが
まさかこんなカッコいい形で老獪っぷりを見せてくれるとは思いませんでした。
そして竜馬との対話を経て地球へと帰還する拓馬、
カムイが実権を握った恐竜帝国による宣戦布告、
早乙女研究所に残った隼人や敷島博士による白兵戦、などなど
全てがオリジナル展開のまま物語はいよいよ最終局面へ。
敷島博士による侵入者トラップが「目だ! 耳だ! 鼻!」だったりと
(昔の隼人の行動をからかうような感じで開発したんでしょうか)
ここに来てパロディが入り込むあたりにはダイナミックプロ作品っぽさを感じますね。
そんなこんなでいよいよ次回が最終話となるアニメ版『アーク』。
最終話のタイトルは「果てしなき戦い」とタイトルこそ漫画の最終話と同じですが
漫画では既にほとんどのエピソードを消化しており
アニメで描かれていないのはラストの1ページ半のみ、という状況なので
もはや同じなのはタイトルだけですね。
漫画のラストに至るまでの戦いを膨らませて
最後はそのままぶん投げる、という可能性もある一方で
残り1話あればある程度の結末、戦いの行方を描くことも出来るでしょうし
とにかくあと1話なのに着地点が全く分からないというのが楽しみなのです。
あ、それと本話で早くもその姿を見せてくれたシグム・セイクンもといバグですが
正直「青かったのかお前……」という驚きが先に来たというか
イメージしていたカラーリングと違っていたことに戸惑ってしまいましたね。
自分はずっと薄茶色というか薄黄色というかベージュやクリーム系の色だと思っていました。
恐らくゲッターの赤と対比する形の青、という意味合いがあるんでしょうが
個人的にはすごい違和感がありますねこの青。
ちなみにバグのデザイン元であるシグム・セイクンが登場する作品
『セイテン大戦フリーダーバグ』は全2巻と短いこともあって物語としては
「なりゆきでロボに乗ったら敵に襲われて戦っているうちに地球がヤバくなってドワオ!」
と石川作品の中でも特に行き当たりばったり感が強い作品だと思いますが
「動くだけでヤバイ」「触れるだけでヤバイ」「戦い出したら地球がヤバイ」と
登場するメカ、セイクンたちのヤバイ感は存分に伝わってくる作品なので
そのあたりのヤバさは是非味わってほしいと思います(語彙力)。
Amazonのマケプレでは例によってアホみたいな値段がついているようですが
駿河屋での買取価格が2冊セットで700円(2021年9月時点)のようなので
恐らくそのあたりが適正価格だと思います。
※ebookjapan商品リンク:セイテン大戦フリーダーバグ
今はebookjapanから電子版も出ているので
実物の本にこだわりがなければそちらがベストですね。