永井豪 「マジンガーZ 2022」(上下巻) 感想

自伝的漫画『激マン!』で描かれたリメイクパートに描き下ろしを加えて
令和の時代に新たな物語として生まれ変わった『マジンガーZ 2022』が上下巻で発売。
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というわけで昨年末に最新の絵柄で蘇ったマジンガーZ『2022』ですが
本書の特色は何と言っても雑誌と同じB5サイズだというところ。
大判サイズの中で大ゴマや見開きの連発で紡がれるマジンガーの大活躍は
「やっぱりロボット漫画はこうでなくっちゃ」的な気分にさせてくれます。
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ほらもうキングダンと対峙してるだけで超格好いいですよ。

上下巻合わせて6600円と本書はかなり値は張るものの
1コマ1コマのアクションがとにかく凄く
マジンガーの超格好いい画集、イラスト集とも考えることも出来ますし
そう考えると決して高いものではないんじゃないでしょうか。
いやこの値段ならもうちょっと紙質は良くしてほしかったなあ、というのはありますが。

それとB5サイズのマジンガーの単行本、というのは
集英社版の『マジン・サーガ』を思い出しますね。
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本書の扉ページ(左側に大きく英字でタイトルを表示しているデザイン)は
集英社版マジンサーガの表紙を意識してると思うんですが考えすぎでしょうか。

それと今回の『2022』はあくまでもリメイク、リライトで
原作からの大きな変更はないんですが
改めてマジンガーZの物語を振り返ってみると
導入部の「操縦方法が分からず暴れ回ってしまうマジンガーZ」に
かなりの尺を割いている(『2022』版だと上巻の半分近く)のが印象的なところですね。
「神にも悪魔にもなれる」というコンセプトを
じっくりと描いていこう、というのが非常に良く分かります。

ただ『マジンガーZ』の漫画には昔から引っかかっていることが一つありまして
「操縦が分からずマジンガーを暴れさせてしまう兜甲児を執拗に描いているのに
操縦を教わるシーンはカットされてしまっている」のが気になっているんですよ。
尺の都合もあるんでしょうが「そんなに簡単に覚えられるものなの……?」と。

なので今回の『2022』版ではさやかさんから操縦法を教わるシーンを
具体的に追加してくれるかも……と期待していたところがあったんですが
結局は原作そのままの流れでしたね。
まあ不要と言われれば不要な部分なので気になってるのは自分だけかもしれないです。

そんなわけで大迫力の筆致で大興奮の『マジンガーZ 2022』なんですが
収録されているのがいわゆる「機械獣大作戦」編までで終わってしまっているので
「え……? ここで終わり……?」となってしまったのが正直なところ。
対称になっている表紙のデザインなどからも
上下巻で発行、と最初から決まっていてページ数などの制限もあったんだと思いますが
やっぱり「尺がないのでここまで!」みたいな尻切れっぽさを感じてしまうので
是非とも後半部分を『2023』みたいな感じで発刊してほしいと思いますね。

漫画版マジンガーZの後半部分はジャンプ版、テレマガ版、
そして続編となる『グレートマジンガー』との兼ね合いもあって
どういう形でまとめるか、は難しいところだと思いますが
(近年の『改訂版』なども後半は構成がかなりシャッフルされていましたし)
やっぱりマジンガーの戦いは最後まで見届けたいのです。

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