アニメ『サイボーグ009 ネメシス』全3話 感想
7/19より配信開始となった『サイボーグ009』のアニメ最新作
『サイボーグ009 ネメシス』(通称:ネメゼロ)をさっそく視聴してきました。
というわけで前作(?)『CALL OF JUSTICE』から
約10年ぶりとなる『サイボーグ009』の完全新作アニメーションでしたが
テーマとなる「正義」をしっかりと描いた作品だと思いましたね。
自分たちの力で世界を変えようとする者たちとゼロゼロナンバーサイボーグの能力バトル、
という点では『CALL OF JUSTICE』と似ているんですが
あちらの敵であるブレスドたちにはある種の傲慢さがあったのに対し
本作のネメシスナンバーたちは自分たちを「必要悪」と認識しているのが大きな違い。
ラストの張々湖飯店でのやり取りが顕著ですが
目指すものは同じで状況によっては共闘もするけれど安易に和解はしない、
お互いのやり方は絶対に認められないし
かと言って単純に引き止めることも出来ない、というもどかしさ、ジレンマを
明確な答えの出ないテーマとしてしっかりと描いくてれた作品だと思うんですよ。
ただ全3話という尺の短さと敵も味方も9(+1)人というキャラの多さがネックとなり
1〜2話はほぼ自己紹介に終始してしまい3話も強引な場面転換が多く
全体としてかなり駆け足の展開だったのが残念なところ。
ネメシスナンバー9人のうち3人は雑に退場してしまいましたし
アクションも一見多いもののよく見ると能力を紹介するだけのようなものが半数近く。
作品のテーマはちゃんと描けているんだけど
そのために肝心のエンターテイメント性を含むいろいろな部分が犠牲になっちゃったのは
娯楽作品としてどうなんだろう、と思ってしまうところはありましたね。
『CALL OF JUSTICE』は荒唐無稽な能力バトルや多人数戦闘で
そのあたりはしっかりと楽しませてくれていたんですが
本作は各地に散らばっての1vs1が基本だったのも不満なところです。
『サイボーグ009』のバトルは能力が上の敵に対し
チームワークで乗り越えてゆく……というのが見所の一つだと思うので
そのあたりが全く無かったのは残念なのです。
そんな物足りない部分の多い本作の中で印象的だったのが
まさかの006=張々湖の活躍っぷり。
過去のアニメでは006と007はコメディリリーフとして扱われることが多く
特にクリエイター側は007にシンパシーを感じることが多いのか
同ポジションでは007のほうが出番が多め……みたいな印象があったんですが
本作では頭脳プレイで戦ったり戦闘中のジョーの異変にいち早く気付くなど
006がジョーの相棒ポジションっぽくなって準主役級の活躍。
これは間違いなく主要スタッフの中に熱心な006ファンがいますね……。
それと本作のデザインというか演出では
「マフラーが首のガジェットから発生する半透明のものになっている」
「加速装置の発動時に全身からオーラのようなエフェクトが出る」
あたりが印象に残ったところ。
本作の戦闘服は自由に着脱して私服へのカモフラージュも可能なようですし
公式サイトで設定資料を公開するなどして
そのあたりの機能などの解説をしてくれると嬉しいなあ、と。
そんなわけで尺の短さから来る物足りなさはあるんですが
ある程度時間に融通が効くWEB配信というプラットフォームで3話だけ35分と長めでしたし
予算やら何やらも含めて全3話というのはギリギリの判断だったんじゃないかなあ、と。
CGアニメーションなので作画の大きな崩れなどはないんですが
それでも低予算っぽさはあちこちから感じられましたし。
先日始まった『神速の改造戦士(サイボーグ)009』の感想とか。
https://tktkgetter.com/blog-entry-1569.html
それと近年の『サイボーグ009』は既存の古いファンに向けた展開が続いている……
みたいなことを『神速の改造戦士(サイボーグ)009』の時に書いたんですが
結局『ネメシス』もOP曲を『誰がために』のカバーにしたりと
既存ファンへ向けたもの、で終わってしまった感じはありますね。
『サイボーグ009』の最初に連載された初期シリーズは
キャラの多さから編集長に難色を示された……との話があるみたいですが
それに対となるネメシスナンバーが存在する今回の9対9の構図は明らかに過剰で
そういう意味でも「サイボーグ009を既によく知っている人のためのもの」
になってしまっているんですよ。
ネメシスナンバーたちの名前が能力に直結したシンプルなものになっているのは
そこらへんを分かりやすくするための苦肉の策だとは思うんですが
そもそもの人数の多さはいかんともしがたいのです。
本作のキャッチコピーは「世代交代」なのに
視聴者を世代交代させる気が全く感じられないのはなんだかなあ、と。
そんなわけで良くも悪くもいつもの「既存ファンに向けた単発作品」で
終わってしまいそうな感じのある本作ですが
アニメの続編は無理でも何らかのメディアミックスをしてほしいとは思いますね。
『サイボーグ009vsデビルマン』は前日譚の小説『トゥレチェリイズ』や
完全オリジナルストーリーの漫画『BREAKDOWN』が展開し
『009 RE:CYBORG』や『CALL OF JUSTICE』もノベライズやコミカライズがあったので
本作も小説や漫画でスピンオフとかやってくれませんかね・・・・・・?
自分は世代的には平成版になるので
誰が為に戦うよりも身体が溶け出す奇跡を待っていたいんですよ……(謎)。
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