今月末に単行本の4巻が発売となる『デビルマンサーガ』の第38話。
というわけで今回は勇希の元にやって来た
国軍省(元・国防省)の智円万次郎氏との会話が中心の展開。
来客が軍関係の人物だった、ということで
軍嫌いの勇希なら拒絶してすぐさま追い出す……かと思いきや
アスカからの紹介や白縫さんという共通の話題があるからか
やけにフレンドリーに対応しているのがちょっと意外なところ。
一巻の頃と比べて勇希の軍事に対する抵抗感が少しずつ薄れていっている、
的な意味合いを込めた描写なのかなあ、と。
そして今回は作中設定の2025年までの政治的な流れに触れつつ
「憲法九条」「徴兵制」などの話題が出てきて
一気に現実世界を意識させる語句を持ち込んできたなあ、という印象。
『デビルマン』を現実の国際情勢、戦争と絡めて語る……というのは
90年代以降の永井豪氏のエッセイやインタビューで随所に見られたけど
『サーガ』も今回の話でそのあたりにガッツリと踏み込んできた感じだね。
これまでインタビューなどで
「人間がデーモンになること=兵器を持って戦うこと」
と語っていたのと照らし合わせると
・『サーガ』のデーモン化は鎧の装着によって行われる
・アーマーが装着者の意思を無視して無理矢理にくっつこうとする
などなどの設定も何らかのメタファーなんじゃないかなあ、と
変なふうに邪推してみたり。
そんなこんなで「うーんそっちの流れで来たかー」と思いつつ次回に続く。
前にも同じことを書いたような気がするけど
下手に現実世界を意識させることで
スケールが小さくなっちゃってると思うんですよ。
ぶっちゃけ自分としてはこんなところにリアリティなんて求めてないんで
荒唐無稽にして壮大な神話の世界、
人間のことなんてどうでもいいんだよ、的な
神々の物語を見せてほしいのです。