筋肉はゴリラ!
牙は狼!
燃える瞳は原子の炎!
暴力と血の臭いを携え、あの男が帰ってきた!
単行本化アナウンスもされたもののお蔵入りになっていた
「新バイオレンスジャック」がついに上下巻で同時発売。
しかも帯によると100P以上の大幅描き下ろしを加え再構成、というまさに完全版。
連載時は「これまとめて読まないと分からないな」と途中で切っちゃったんだよなあ。
メディアファクトリー発行な所に大人の事情を感じるけど気にせず喜ぼう。
さて、まずこの「新ジャック」を読む前に念頭に置いておきたいのが
かつての「バイオレンスジャック」最終エピソード「魔王編」において明かされた
「ジャック=デビルマン」という図式。
本編完結後に描かれたエピソードということで「ジャックの正体」は無視出来ないわけで、
それは以前に「魔王降臨編」で夢枕獏氏が指摘していた通り。
そのことを踏まえた上で今回の「新ジャック」を見てみると
まず帯には「バイオレンスジャックが復活する時、デビルマンの新たな神話が始まる!」
折り込み広告には「これはデビルマンの正統な続編である!」
と、ジャック=デビルマンを隠す気がゼロ。
そして本編も当然のように
スカルキング=スラムキング=飛鳥了っぽい伏線があったり
ジャックの目の下に不動明の目の下のアレが出てきたり
ハルマゲドンがかつてあったようなセリフを喋ったりと
「デビルマン」やかつての「バイオレンスジャック」を意識した内容まっしぐら。
何だこの未見の人置いてけぼり+タチの悪いファンがニヤニヤする展開は。
これ知らない人は全然分からないよなあ。
連載が打ち切りっぽく終わってしまったのもそのせいだったんだろうか。
まあコアなファン以外が単行本買うとも思えないからいいんだけどね!
そしてスラムクイーン登場+舞台が地獄であることが示唆されて下巻に続く。
巨大化したり服をイメージしたりと
「精神力が物を言う地獄」っていうのは「デビルマンレディー」と全く同じ設定だなあ。
もし本当に「新ジャック」の舞台が地獄なら
時系列的には「デビルマン→新ジャック→ジャック」となって
死んだ不動明が復活する話とも考えられそうだ。
下巻の感想はこちら。