研究所を徘徊する早乙女博士たちの幻影に導かれ
拓馬たち3人が過去の出来事に直面する
アニメ「ゲッターロボ アーク」の第4話。

というわけで早くも第4話となった今回のタイトルは「美しい夜に」。
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ゲッターらしかぬ(?)綺麗な字面にちょっと違和感がありましたが
「早乙女博士がゲッター線を発見した星のきれいな夜」を
「美しい夜」と表現しているんですね。
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警備員たちがゴールの幽霊におののくシーンは
「真」の終盤エピソード「破滅への序曲」からの引用ですし
今回はストーリーラインがほぼアニメオリジナルということもあって
かなり大胆に原作シャッフルをしている印象ですね。
ファンとしてはいろんなところからネタを拾ってくれるのは
「あ、ここかぁ!」って気分になれるので嬉しいです。

また面識のない早乙女博士を迷子の老人と勘違いする拓馬、
意外な形でタイールとの再会を果たす貘、
同年代のハチュウ人類の子供を見て自分の境遇を思う幼少時のカムイ、と
漫画ではなかなか見られなかった人間関係が出てきたのもアニメ独自の展開。
特にカムイが「同年代の子供に呼び捨てにされるくらいには仲が良かったこと」が
分かってなんだか嬉しくなりましたね。
もっと不自由な生活を強いられてたんじゃないかと思ってたので。

ところで3人とも寝るときは上半身裸なんですね。
もしかしてサービス回かな?
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あとこのシーンのハチュウ人類の子供たちがかわいいですね。
作画的にも某オルフェンズのかんたんアトラちゃんっぽくてなんか好きです。
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そして後半は研究所で過去に起こった出来事として
漫画「真」での昆虫軍団とのファーストコンタクトを再現する展開。
単にキャラが回想したり説明したりするのではなく
「旧研究所に遺された記憶」として目の前で再現させられる、という演出は
非常に上手いところですね。
オカルトっぽい描写を入れることでゲッター線マシマシ感が伝わってきます。

今回は旧研究所メンバーが貘の体をすり抜ける、という描写で
幽霊っぽい表現をしていましたが
たぶんゲッター線フルパワー状態だとすり抜けないですからねアレ。
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勝手にケーブル繋いだりハッチ開けたりしますからねこの幽霊たち。

そんなわけで冒頭のドラゴン増幅炉の実験シーンから
ベンケイを残して3号機に伊賀利クンを乗せての出撃、
印象的な「有機体ならぶっ殺す! メカならぶっ壊す!」のセリフなどなど
もうバッチリ完全再現で嬉しいところなんですが
あくまでもビターエンドな過去話ということなのか
全体的にちょっとテンションが抑え目だったのが残念だったところ。
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ゲッタードラゴンの増幅炉実験シーンの早乙女博士も
漫画ではセリフ全てを叫んでいるような雰囲気だったんですが
アニメでは良くも悪くも「経過を冷静に見守る研究者」っぽい
押し殺した感じの口調になってしまっていましたし。

このあたりは解釈の違いや過去のOVAとの差別化もあるかと思いますが
個人的にはもっと全編テンション上げてやってもいいんじゃないかなあ、と思います。
だってゲッターですよ?(謎理論)

それにしても「HEATS」はすっかり真ゲッター出撃のテーマとして定着した感じですね。
格好いいからとにかくヨシ!

あ、それと細かい部分で気になったのは
カムイが旧研究所での出来事について「19年前の~」と言っていたところ。
原作漫画では「真」と「號」との間には十数年ほどの隔たりがあるはずなんですが
その両方が「19年前」ということになるとちょっとおかしくなりますね。
やっぱり今回のアニメ版の歴史の流れは漫画とはちょっと違うってことになるんでしょうか。
まあ単なるミスの可能性もありますが。

このあたりの差異はなまじ原作既読だと逆に戸惑ってしまうところなので
公式サイトとかで簡単な年表みたいなものを載せてくれれば嬉しいなあ、と思います。
アニメ版の設定資料集とか出してくれてもいいのよ?

そんなこんなで次回に続く。
次回のタイトルは「申し子」ですが
女王蟲がD2パイロットに取りつく形になっていたりと
次回も原作とはちょっと流れが変わってきそうな感じですね。
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まあ「祭りの準備で公民館に集まっていた人々が狙われた」
という漫画でのシチュエーションは
アニメ版の世紀末な世界観にはちょっとそぐわない感じもしますし
原作通りにして場面転換やモブキャラを増やすよりも
研究所のメンバーやパイロットたちの出番を増やしたい、ということなんだと思います。

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボアーク(アニメ)

集中砲火の戦場でゲッターアークが初合体を果たし、
戦いの中で拓馬が母親の仇と邂逅するアニメ「ゲッターロボ アーク」の第3話。
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というわけで早くも第3話となった「アーク」の今回の見所は
アバンタイトルにかなりの尺を割いて描かれた拓馬の過去。
漫画では6P~7Pほどだった回想シーンを膨らませて
母親のキャラクター性や仇敵となるマクドナル(ド)たちの卑劣さを強調し
更に獏との出会いも絡めてしっかりとオリジナルのエピソードに昇華してくれています。
前回もそうでしたがオープニング前の満足感がすごいですねこのアニメ。

特に今回のアニメ化で初めて名前が設定された拓馬の母親、流りょうは
ハートマークや赤い糸の演出、そして島本須美さんの演技も相まって
「厳しくも優しい拓馬の母親」に加えて
「流竜馬に恋するかわいい女性」という雰囲気も強くなっていた印象。
数少ない女性キャラということもあってアニメスタッフも意識して
彼女を可愛く描こうとしていたんじゃないでしょうか。
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また道場の宗家として竜馬の父、流一岩の名前がしっかり記されていたり
同門のメンバーとして「来留間慎一」「岩鬼将造」の名前があったりという
細かなフォローやファンサービスも嬉しいところ。
そういえば「流一岩の空手は相手を倒すためだけの危険なものだった」
という設定がありましたね。確かにこのメンツの空手は危険すぎますわ……。
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ただ欲を言えば「ハンバーグなどは食べすぎるとバカになります!」と
「今日はお父様の写真をオカズにゴハンを食べましょう」の
セリフが無かったのはちょっと残念だったなあ、と。
前者は公共の電波に乗せる関係で過激な表現を控えたのかもしれないですが
後者のギャグは好きだったので残しておいてほしかったです。
拓馬が年相応のツッコミを見せる数少ないシーンでもありますし。

そしてマクドナル(ド)たちの来訪から
母親が殺されてしまうまでの過程が詳細に描かれたのも漫画との違い。
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「いったいどんな酷いことをされたんだろう」という
想像する余地を残した漫画のフキダシだけの描写も好きだったんですが
「道場で襲われるかつての竜馬の姿をなぞらせよう」という
アニメ版の演出の意図も理解できるところではあります。
右腕にナイフが刺さっているところや空手の構え方などはほぼそのままですし。
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そして本編は原作通りに「ゲッターロボが1機多い!」から始まって
アークの初合体から圧倒的な強さを見せる戦闘までを描く展開。
敵のセリフが増えたことで「得体の知れない敵」というよりも
「露払いの小物」ぽくなってしまっていた感がありますが
アークの初合体をD2部隊のメンバーがフォローする形になっていたのがよかったですね。
特にD2部隊の活躍は前回のアークチームの合体失敗や
ドタバタ喧嘩のエピソードからも上手い具合に繋がっていますし
何だかんだで世話を焼いてくれるいい先輩たち、という連帯感も感じられます。
漫画ではこれ以降はゲッター部隊の出番はなくなってしまうんですが
D2の玩具展開もありますしキャラクターも漫画より立ってますし
アニメでは今後もちょこちょこと活躍の場があるんじゃないでしょうか。

そして空に浮かび上がるマクドナル(ド)の姿に拓馬が逆上したところで次回に続く。
漫画の拓馬は母親のことを「俺の母親」「おふくろ」と呼んでいましたが
今回のアニメ版では一貫して「母ちゃん」という呼び方をしていますね。
「母ちゃん」という表現にはどこか子供っぽさがありますし
脚本的には「母親を思慕する子供」を強調したい意図があるんじゃないかなあと思います。

そんなこんなで次回のタイトルは「美しい夜に」。
漫画版の第4話のタイトルは「謎の不可侵領域」なので
今までの「漫画とアニメのタイトルが同じ」だった流れがここで変わってきましたね。
既に公開されている場面カットやストーリー紹介を見ても
漫画にはないエピソードや過去作品の回想が多そうな感じです。
これは漫画『真』の「ファーストコンタクト」を
ガッツリとやってくれるってことでいいんですかね! いやあ楽しみです。
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それと予約していた主題歌「Bloodlines〜運命の血統〜」のCDも無事に届きました。
前から思ってましたがなんかジョジョっぽい曲名ですよね。
両方とも世代を超えた因縁が出てくる話ですし。

Amazonで購入したためメーカー特典のマスクケースもちゃんとついてきましたが
正直なところ特典は他のものが良かったなあ、と思いますね。

昨今のアレやアレのせいもあって
エンタメ界隈でもマスクケースがすっかり定番グッズとなった感がありますが
ぶっちゃけ自分はマスク関連グッズは好きじゃないんですよ。
集めて楽しいものじゃないしかさばるし収納にも不便だし。

とりあえずマスク関係のものを出しておけば何も言われないだろう、みたいに
免罪符的な安易さもあるのがそもそも気にくわないのです。

まあつまり特典はクリアファイルとかポストカードが良かったなあ、という話です。

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボアーク(アニメ)

ゲッターロボに選ばれた3人のパイロットが早乙女研究所へと集う
アニメ「ゲッターロボ アーク」の第2話「運命の子ら」。

というわけで今回の見所は何と言っても
「19年前」のテロップと共にアバンタイトルで描かれた
號、竜馬、そしてタイールによる漫画『號』での最終出撃シーン!


タイールの紹介も兼ねてかセリフ回しが少し変わっていましたが
それ以外は絵柄や構図も含めて素晴らしい再現度。
いやもうね、このシーンをアニメで観られたというだけで
生きてて良かったレベルの大感激ですよもう。ありがとう川越監督! 超ありがとう!
欲を言えば真ゲッターの目には瞳がほしかったところですが
このあたりは漫画でも描かれてたり描かれてなかったりしますし
他シーンでのCGモデルの使い回しを考えてのことなのかなあ、と。

またBGMが「HEATS」のアレンジバージョンだったというのも嬉しいサービス。
OVA『真ゲッターロボ』第3話のミサイル阻止のシチュエーションは
漫画『號』のラストをオマージュして描かれたものでしょうし
ここでの楽曲の起用は一種の先祖返りという感じもしますね。

そして本編は漫画の2話をベースにしながらも
拓馬たちが研究所に留まってゲッターに乗るまでの過程、
ゲッターロボのレクチャーを受けたり合体訓練をするシーンの追加、
そして研究所の他のパイロットたちとの衝突など
第1話以上にいろいろな追加エピソードを散りばめていた印象。

いやーこのあたりの追加シーン、原作漫画の補足は非常にいい感じですね。
第1話の追加部分は「こんなに世紀末な世界観だったっけ?」という戸惑いもあって
正直いまいち話に乗りきれない部分もあったんですが
本話での細かな追加要素はどれもこれも良かったと思います。

拓馬の目的である「母親の仇討ち」が強調されたことで
話の流れが分かりやすくなっていますし
獏との友情や研究所の他のパイロットとの確執などは
漫画では尺の都合もあってなかなか見られなかったところ。

漫画『真』での昆虫軍団とのファーストコンタクトや地下で胎動するドラゴンなどなど
要所要所でしっかりと過去エピソードに触れてくれるのもたまらないですね。

また拓馬たちにゲッターロボのレクチャーをする教官役が
伊賀利三佐(漫画『真』で弁慶の代わりに3号機に搭乗したパイロット)
だったのは意外な配役。生きとったんかワレェ!
伊賀利三佐はどちらかと言えば優秀な常識人タイプだったので
隊長として後進の育成にあたっているのも納得ですね。

そんな中で今回のアニメ版独自の設定として気になったのが
アークが無印、G、真に続く第4世代のゲッターロボとして語られていたところ。
ああゲッター號がハブられてる! ゲッター線じゃないから仕方ないね!
とは言えアニメ版『アーク』の世界は
原作漫画とはちょっと違った歴史を辿っているようですし
もしかしたら「ロボットとしてのゲッター號は存在しない世界」なのかもしれませんね。
今のところそれでも無理なく話が繋がる感じはしますし。

そして後半の見所は合体訓練の失敗に端を発した他のパイロットたちとの諍い。
隼人が「いつの世代のゲッターチームも同じだ」と言っているように
漫画『號』でのシュワルツたちとの確執などを思い起こさせる一連の流れは
まさに闘争本能が先に来るゲッター流のレクリエーション。
古典的な煙が出る演出も相まって本当こういうシーンは見ていて楽しいですね。

そしてこのドタバタシーンで一番嬉しかったのが
騒動の中にしっかりとカムイも巻き込まれていたこと。
カムイはいわゆる「クールでニヒルなイケメンキャラ」の系譜ではあるんですが
単にクールと言うよりは「自分を押し殺して生きていくしか無かった」キャラだと思うので
こうして彼が生き生きとしてドッタンバッタン大騒ぎに参加しているのは
何だかすごく微笑ましく感じてしまいます。
自分に対等な拓馬という存在が状況をかき回すようになったことで
初めてカムイも自分を表に出すことが出来るようになったんじゃないでしょうか。
第1話だとちょっと淡々としすぎじゃないかなあ、と思っていましたが
今回は声を張り上げるシーンも多く一気にキャラの魅力が出てきた感じですね。

そして早乙女研究所に謎の敵が襲来するところで次回に続く。
印象的だったのは漫画では文字だけの登場だった「大女王メルドウサ」が姿を見せるなど
敵組織が分かりやすくなっていることと
原作漫画では多種多様だった早乙女研究所のゲッターロボたちが
「D2部隊」としてみんなゲッターD2になっていたところ。
このあたりはぶっちゃけて言えばCGモデル作成の手間を省くためなんでしょうが
(モブゲッターにいちいちCGデータ作ってられねえよという事情は分かります)
超合金魂が発売するD2の活躍を増やしたい意図もあるかもしれないですね。
制作側の都合とD2の玩具を売りたいバンダイのニーズとが
上手く噛み合った感じなんじゃないでしょうか。

そんなこんなで次回のタイトルは「アーク始動」。
1~3話までは全て漫画と同じサブタイトルで
内容的にも「漫画1話=アニメ1話」で進んでいくみたいですね。
漫画は全14話連載だったのでどこかでこの構図が崩れてくるとは思うんですが
果たしてどうなるのかなあ、と。

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, ゲッターロボアーク(アニメ)

ツクール上でのイベント組みに詰まったらテキストエディタでシナリオ進行、
そっちに詰まったらまたまたツクールに戻って、と365歩マーチ的に進行中の
『妖鬼少女』の制作日誌第71回。

というわけでいま進めているのはシナリオのほうなので
スクリーンショットなどもありません。

いやー実は会話イベントの組み方がいまだに定まっていないというか
「臼井の会」様の立ち絵素材を使うか使わないかでずっと悩んでいるんですよ。
これが自分の中ではっきりするまでは
あんまりイベントを進めたくないというのもあるんです。
今ならまだやり直しが利くレベルなので。

そりゃあもちろん立ち絵を使ったほうが見映えはいいですよ。
ピクチャの表示だって一度コモンイベントに入れちゃえば
そんなに手間がかかるものではありませんし。

ただ立ち絵を使ってしまうとまず間違いなく立ち絵に負けてしまうというか
そちらのイメージに引っ張られてしまって
キャラのセリフ回しとか口調まで変わってきちゃうんですよ。
そうなってしまうのはあまり良くないというか
自分が目指しているのはフリーダムでバーリトゥードな
わけの分からない和風RPGなので
そこらへんのわけの分からなさは大事にしたいと思っています(謎)。

まあそんなわけでイベント組みは悩みつつひとまず置いておいて
シナリオのほうを進めている最中です。
こっちのほうは順調……と言いたいところです。
少なくとも数年前にちょっとつじつまが合わずにいたところは
大胆な設定変更とノリと勢いで何とかなりそうです。

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  妖鬼少女(現在制作中), RPGツクール

異次元からの悪魔たちがモスクワに続いてニューヨークにも出現し
降臨した魔王ゼノンらによる戦いに人間社会が巻き込まれていく
『デビルマンサーガ』の第109話。

というわけで今回は魔王ゼノンを中心に
現世へとやってきた悪魔たちの戦いに人間たちがおののく展開。
見開きページたっぷりで描かれる悪魔同士の戦いに加えて
圧倒的な存在感を見せる魔王ゼノンの強さなど
ちょっと唐突感はありますが終盤に向けて話が盛り上がってきた感じです。

しかしアレですね。異次元側の状況がギラン博士の推論通りだとすれば
異次元世界のデーモンたちは人間の敵でもなければ
侵略しようと思ってこっちの世界にやってきたわけでもないんですよね。
今回の話でも「悪魔同士の戦いに街が巻き込まれている」とだけ言われていますし。

また魔王ゼノンはアスカの部下のはずなんですが
そのあたりの事情を知らない勇希たちは「我らのデビルマン部隊で勝てるのか」と
親友であるアスカの陣営も自分たちの脅威として認識してしまっているのも悲劇的なところ。
「お互いに敵視しているわけでないのに状況が把握出来ずに戦うしかない」という
もどかしさのようなものもありますね。

というわけで過去のデビルマン関連作以上に
「人間は神々の戦いに巻き込まれただけ」な様相を見せてきた『デビルマンサーガ』。
片方の大将であるアスカが上手く動いてくれれば
状況が何とかなる可能性はありますが果たしてどうなるのかなあ、と。

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  デビルマンサーガ, アニメ・漫画, ダイナミック系