アニメ 「ゲッターロボ アーク」 第2話 運命の子ら 感想
ゲッターロボに選ばれた3人のパイロットが早乙女研究所へと集う
アニメ「ゲッターロボ アーク」の第2話「運命の子ら」。
というわけで今回の見所は何と言っても
「19年前」のテロップと共にアバンタイトルで描かれた
號、竜馬、そしてタイールによる漫画『號』での最終出撃シーン!
タイールの紹介も兼ねてかセリフ回しが少し変わっていましたが
それ以外は絵柄や構図も含めて素晴らしい再現度。
いやもうね、このシーンをアニメで観られたというだけで
生きてて良かったレベルの大感激ですよもう。ありがとう川越監督! 超ありがとう!
欲を言えば真ゲッターの目には瞳がほしかったところですが
このあたりは漫画でも描かれてたり描かれてなかったりしますし
他シーンでのCGモデルの使い回しを考えてのことなのかなあ、と。
またBGMが「HEATS」のアレンジバージョンだったというのも嬉しいサービス。
OVA『真ゲッターロボ』第3話のミサイル阻止のシチュエーションは
漫画『號』のラストをオマージュして描かれたものでしょうし
ここでの楽曲の起用は一種の先祖返りという感じもしますね。
そして本編は漫画の2話をベースにしながらも
拓馬たちが研究所に留まってゲッターに乗るまでの過程、
ゲッターロボのレクチャーを受けたり合体訓練をするシーンの追加、
そして研究所の他のパイロットたちとの衝突など
第1話以上にいろいろな追加エピソードを散りばめていた印象。
いやーこのあたりの追加シーン、原作漫画の補足は非常にいい感じですね。
第1話の追加部分は「こんなに世紀末な世界観だったっけ?」という戸惑いもあって
正直いまいち話に乗りきれない部分もあったんですが
本話での細かな追加要素はどれもこれも良かったと思います。
拓馬の目的である「母親の仇討ち」が強調されたことで
話の流れが分かりやすくなっていますし
獏との友情や研究所の他のパイロットとの確執などは
漫画では尺の都合もあってなかなか見られなかったところ。
漫画『真』での昆虫軍団とのファーストコンタクトや地下で胎動するドラゴンなどなど
要所要所でしっかりと過去エピソードに触れてくれるのもたまらないですね。
また拓馬たちにゲッターロボのレクチャーをする教官役が
伊賀利三佐(漫画『真』で弁慶の代わりに3号機に搭乗したパイロット)
だったのは意外な配役。生きとったんかワレェ!
伊賀利三佐はどちらかと言えば優秀な常識人タイプだったので
隊長として後進の育成にあたっているのも納得ですね。
そんな中で今回のアニメ版独自の設定として気になったのが
アークが無印、G、真に続く第4世代のゲッターロボとして語られていたところ。
ああゲッター號がハブられてる! ゲッター線じゃないから仕方ないね!
とは言えアニメ版『アーク』の世界は
原作漫画とはちょっと違った歴史を辿っているようですし
もしかしたら「ロボットとしてのゲッター號は存在しない世界」なのかもしれませんね。
今のところそれでも無理なく話が繋がる感じはしますし。
そして後半の見所は合体訓練の失敗に端を発した他のパイロットたちとの諍い。
隼人が「いつの世代のゲッターチームも同じだ」と言っているように
漫画『號』でのシュワルツたちとの確執などを思い起こさせる一連の流れは
まさに闘争本能が先に来るゲッター流のレクリエーション。
古典的な煙が出る演出も相まって本当こういうシーンは見ていて楽しいですね。
そしてこのドタバタシーンで一番嬉しかったのが
騒動の中にしっかりとカムイも巻き込まれていたこと。
カムイはいわゆる「クールでニヒルなイケメンキャラ」の系譜ではあるんですが
単にクールと言うよりは「自分を押し殺して生きていくしか無かった」キャラだと思うので
こうして彼が生き生きとしてドッタンバッタン大騒ぎに参加しているのは
何だかすごく微笑ましく感じてしまいます。
自分に対等な拓馬という存在が状況をかき回すようになったことで
初めてカムイも自分を表に出すことが出来るようになったんじゃないでしょうか。
第1話だとちょっと淡々としすぎじゃないかなあ、と思っていましたが
今回は声を張り上げるシーンも多く一気にキャラの魅力が出てきた感じですね。
そして早乙女研究所に謎の敵が襲来するところで次回に続く。
印象的だったのは漫画では文字だけの登場だった「大女王メルドウサ」が姿を見せるなど
敵組織が分かりやすくなっていることと
原作漫画では多種多様だった早乙女研究所のゲッターロボたちが
「D2部隊」としてみんなゲッターD2になっていたところ。
このあたりはぶっちゃけて言えばCGモデル作成の手間を省くためなんでしょうが
(モブゲッターにいちいちCGデータ作ってられねえよという事情は分かります)
超合金魂が発売するD2の活躍を増やしたい意図もあるかもしれないですね。
制作側の都合とD2の玩具を売りたいバンダイのニーズとが
上手く噛み合った感じなんじゃないでしょうか。
そんなこんなで次回のタイトルは「アーク始動」。
1~3話までは全て漫画と同じサブタイトルで
内容的にも「漫画1話=アニメ1話」で進んでいくみたいですね。
漫画は全14話連載だったのでどこかでこの構図が崩れてくるとは思うんですが
果たしてどうなるのかなあ、と。