神山監督自らが筆を執った
映画『RE:CYBORG』の公式ノベライズが発売。

ピュンマの発掘シーンが冒頭に入っていたり
「トモエ」の外見は学生時代のフランソワーズに瓜二つだった、など
無意識下でのジョーとフランソワーズの関係を補足する描写もところどころにあるけれど
映画の内容を完全ノベライズ、という触れ込み通り
基本的には良くも悪くもそのまま映画を文章化したという印象。
既に映画を観た身としては
最初から最後までほとんど同じというのはちょっと物足りなく感じたり。

……というところで思い出したのが
かの問題作(あえてこう書く)『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』を
押井監督自らが小説化した時の解説文。

フィルムでのみ表現可能だった世界を、言葉だけの世界に再構築する──
映画のノベライズとは、本来、そういう作業のはずである。
<中略>
これまで彼の映画につきあったことのある者にとって、興味深いのは
押井守が、言葉だけで、その世界をどのように語るかだろう。
もしかしたら、映画監督としての
手の内をさらすことになりかねないのだから…。
監督自身の手によるノベライズを読む──これはめったにない、
すこぶるスリリングな体験なのだ。

※富士見ファンタジア文庫『機動警察パトレイバー TOKYO WAR <前編>』より引用

つまり監督自らがノベライズするからには小説ならではの追加エピソード、
あるいはボツ設定や裏設定を流用し再構成した物語
(『逆襲のシャア』に対する『ベルトーチカ・チルドレン』などのように)
が読みたいわけで
そういう意味でも今回のは映画に忠実すぎて
あくまでファンアイテムだなあ、というのが正直なところ。
映画を未視聴の人がストーリーを理解するには分かりやすくていいんだろうけど。

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009 RE:CYBORG

009 RE:CYBORG

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  アニメ映画, アニメ・漫画, 映画, サイボーグ009

小説版が無事に完結した「サイボーグ009完結編」の漫画版第7話が公開。
単行本作業が入ったのか10月は更新がなかったし
ずいぶんと久しぶりに感じるなあ。
小説の刊行や映画『RE:CYBORG』など話題には事欠かなかったんだけど。

今回はハインリヒを主人公としたエピソード『妖精街道』の後編ということで
小説版では201Pから233P(文庫版234P~273P)に当たるストーリーが展開。
内容的にはこれまでと同じように小説版に忠実で
変更点や見るべき所は余りないんだけど
イエレがハインリヒに自分たちの正体を告白する部分やカトウリクスとの決闘シーン、
ハインリヒが「戦い続けるのが俺たちの指名なんだ……!」と告げるところなどで
ヒルダの画や仲間たちの姿がイメージシーンとして挿入されており
分かりやすく、読みやすくなっている感じ。
こういう回想シーンやイメージなどをしっかりと画で見せてくれるのは
小説では出来ない表現だけに嬉しいところ。

ただ後半に<クロウ>が登場してからは完全に迫力に欠けてしまっているというか
今回の完結編の丸っこいマイルドな絵柄が悪い形で出てしまっている印象が。
絵柄のせいで事の重大さや緊張感が完全に削がれてしまっており
はっきり言ってしまうとまるで幼年誌の漫画を読んでるかのようなコミカルさが
全体に漂っているんだよなあこれ。
首や腕が吹っ飛んだりと起こっていることはかなり凄惨なはずなのに。

何はともあれ今回でハインリヒのエピソードも完結し
次回からはいよいよ小説2巻の内容に突入。
今のペースでじっくり描いていくと終わるのは2~3年先になりそうな気も。
先は長いなあ。

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  アニメ・漫画, サイボーグ009

現在発売中の「ゲッサン12月号」に
島本和彦氏による「サイボーグ009」の短編が掲載。

正直最近の島本氏の漫画は悪ノリが酷くてあんまり好きじゃないんだけど
今回はそういった勢いのあるギャグは完全に鳴りを潜めており
至って真面目な短編という印象。逆に新鮮だわこういうの。

ストーリーは島本氏のコメント通り『天使編』の続きを想定して書かれており
世界各地に現れた天使たちとの戦いが繰り広げられているという設定。
登場するのが009と003、そして001の三人だけというところなど
(この短編だけだと002が死んでるようにすら思えたり……)
単発作品ならではの思い切った部分が多い感じ。
一見さん完全に置いてけぼりなんだけどいいのかこれ。

とは言え「抵抗することによって自分たちの意思を示す」というテーマを
ヨミ編ラストの自己犠牲と結びつけてしっかり描いているのはさすがに上手いなあ、と。
天使たちに加速装置が通用しない以上
残された対抗手段はまさに「あとは勇気だけだ」なわけで
こういう部分は映画『RE:CYBORG』も同じかもしれない。

それにしてもこの短編ですごいのは
コマ割や会話のテンポ、雰囲気が完全に石ノ森氏のものを踏襲していること。
もちろん絵柄は違うんだけど作品全体に漂う石ノ森リスペクトがたまらんね。

 

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  アニメ・漫画, サイボーグ009

というわけで遅ればせながら観てきました映画「009 RE:CYBORG」。

最初は妙にスタイリッシュになったジョーたちに「お前ら誰だよ」と突っ込んだものの
作品の雰囲気に合っていたこともあり違和感はすぐに消失。
3Dメガネで映画を観るのは実は初めてだったんだけど
導入部のビルが倒壊するシーンや宇宙空間での慣性による浮遊感、
水滴や煙など不定形のものがヌルヌル動くところはCG作画ならではで感動モノ。
これが現在の3Dアニメか……!

前に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 破』で
一部のシーンやモブキャラにCG作画を導入しているのが話題になったけど
今回の『RE:CYBORG』は完全CGらしいからなあ。技術の進歩はすごいわ。

そしてストーリーは『地下帝国ヨミ編』『神々との闘い編』をベースに
先日発表された完結編小説『2012 009 conclusion GOD’S WAR』の
エッセンスを加えたような印象。
ジョーが高校生活3年を延々と繰り返している設定や<彼の声>に操作される人間たちなど
記憶の消去や改変、脳や感情といったものの危うさを主題としているところは
神山作品というより『イノセンス』などの押井作品寄りな雰囲気があるなあ。
前情報から記憶を失ったままの逃亡劇が結構長いのかと思っていたから
早々に記憶を取り戻したのがちょっと意外だったり。

また「27年ぶり」という台詞は原作で最後の連載となった『時空間漂流民編』が
1985~1986年発表であることに掛けてるのかな、など
細かいところでニヤリと出来るネタが入っているのも嬉しいところ。
『時空間漂流民編』のループ構造は本作とは矛盾するとか
『緊急シミュレーション1992』はどこにいったとか突っ込みどころはあるけど。

ただ分かりやすい黒幕がいないということで
クライマックスに向けての盛り上がりがあまり感じられなかったのが残念なところ。
ジョーとジェットの宇宙空間のシーン(どう見ても『地下帝国ヨミ編』)で
「あれもしかしてここラスト?」とようやく分かったくらいだし。
アクション的な盛り上がりや緊張感は中盤、
核ミサイルの爆発から加速装置で逃れるシーンがピークだったかもしれない。

そしてジョーが宇宙空間で叫んでからのエピローグは
完全に小説『2012 009 conclusion GOD’S WAR』のラストを思わせるビジュアル。
読んでいれば「ああここでこういう世界に転換するのね」と
それなりに納得出来るんだけど
初見だとかなり唐突に感じてしまうんじゃないだろうかこれ。

<神>が人間の脳味噌の中に原初的に存在するものならば
スタッフロールで月の裏側にアレがあった理由は……?
って感じのSF的な広がりを最後に提示していたし
本作『RE:CYBORG』は小野寺氏の小説に合わせて発表された
「別解釈の完結編」だったんだろうなあ、と。
「人間の悪の部分」を神の軍団という分かりやすい敵に顕在化させて
敢えてB級エンターテイメントに落とし込んだのが小野寺氏の完結編、
あくまでもリアルな世界観で「人間の悪意(あるいは自滅遺伝子的なもの)」を
広げていった場合何が起こるのかを描いたのが今回の『RE:CYBORG』って感じ。

しかし尺の関係もあるだろうけどやっぱり9人全員にスポットを当ててほしかったなあ。
PVの全員集合がまさか「※イメージ映像です」だったとは思わなかった。
特にピュンマは監督に怒っていいと思う。
深海活動用サイボーグとは一体なんだったのか……。
こんな扱いだから完結編小説で敵に回っちまうんだよ!

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ところでどうでもいいんだけど
「三次元」を「サンジゲン」と表記するのが生理的に好きじゃないわ自分。
「ブンガク」「セカイ」なんかと同ベクトルの胡散臭さががががが。

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009 RE:CYBORG

009 RE:CYBORG

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  アニメ映画, アニメ・漫画, 映画, サイボーグ009

一連の自作ゲーの裏設定やら何やらをまとめました。
いろいろあったり考えたりしましたが全てぶん投げます。超ネタバレです。

自作ゲーム年表。
諸事情により削除しました。ご了承下さい。

脳内年表大放出でこれですっきりです。きれいさっぱりです。
前にこんなことを書いたように
表に出てこないものを自分で無視出来ない状況に陥ってしまったので
いっそのこと全部出しちゃおう、的な。

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  自作品まとめ, RPGツクール