鋼鉄のパン屋=シーブックとの交流によるフォントの心の変化が語られる
『機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト』の単行本9巻が発売。

今回の見所は何と言ってもついに再登場を果たしたシーブックの大活躍。
ブランド・マーカーを使っての「飛び降りろ! コクピットを潰すぞ!」という
無印第1話と同じセリフが飛び出したりと
既に旧式MSとなっているクロスボーンガンダムを駆っての大立ち回りは
シリーズのファンなら思わずニヤリとしてしまうところだね。
セシリーがちゃんと「アノーさん」と呼ばれているのにも何だか嬉しくなったり。
しかしオウムのハロはまだ生きてたのか……。
それにしてもシーブックもセシリーもすごい若いなあ。
年齢的にはもう50歳近いはずなんだけど全くそう見えないわ。

そして後半は最終決戦に向けて敵味方それぞれの決意と思惑が語られる展開。
「今回の仕事が最後」「学校に通うのもいいな」「仕送りしている妹がいる」と
次々とフラグを立てていくジャックやトビアの口調で決意を語るカーティス、
外惑星の素材によって銀色になったファントムなどが気になるけれど
中でも本作のラスボスとなるであろうキゾ中将+トモエが
「人類が絶滅しても構わない」と言っているのが引っかかったところ。

これまでのシリーズのラスボスは
・自分の手で地球を汚染することに拘り続けたドゥガチ
・自分たちが正しいことを証明するためにレーザーの連射を命じたカリスト
と最後の最後で人間であることを捨てきれずに戦局を見誤るような感じだったけど
この二人はそのあたりが感じられないというか
ナチュラルに(フォントの言い方を借りれば理性的に)
人類滅亡というのを一つ選択肢として自然に受け入れてしまっている印象。

今回のフォントの描写なんかを見ても
本作では「理性」というのが一つのキーワードになっている感じだし
このあたりが最終決戦に繋がっていくんじゃないかなあ、と。

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  アニメ・漫画, クロスボーンガンダム

というわけで観てきました映画ドラゴンボールZ『復活のF』。
映画は上映期間ギリギリにスッカスカの館内で観るのが好きなんですが
今回は入場者特典で鳥山明書き下ろし脚本「ドラゴンボール巻『F』」が
貰えるということで早々に映画館へ。
いやーハマってるわー。まんまと特典商法にハマってるわー。

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『帰ってきた孫悟空と仲間たち』『神と神』などの近年の新作は
「あのドラゴンボールが戻ってきたぞ!」みたいな感じで
オールキャストのお祭り、という性格が強かったけれど
今回の『復活のF』は登場キャラをかなり絞ったバトル展開に特化しており
かつての東映アニメフェア作品に近い雰囲気になっていた印象。
ナメック星編でほぼ傍観者だったヤムチャや餃子はともかくとして
フリーザとの因縁を考えるとトランクスや悟天の出番は欲しかったなあ、と。

そしてバトルアクションがメインの映画ということで
フリーザ軍1000人とZ戦士たちとの集団バトルは迫力満点の展開。
ドラゴンボールでこういう集団戦はあまり無かったし
とにかく1シーンの情報量が多いから何度でも観たくなるところだね。

また予想外に嬉しかったのが『銀河パトロール ジャコ』のジャコの出番が多く
戦闘面でもトリッキーな戦い方で魅せてくれていたところ。
立ち位置的に一人だけ浮いたゲストキャラになりがちな彼が
しっかりとドラゴンボール世界のキャラとして違和感なく溶け込んでいるのは
脚本:鳥山明ならではだね。
ほんまクリリンさんのコミュ力は五臓六腑に染み渡るわー。

しかし悟飯、クリリン、ピッコロ、天津飯、亀仙人、ジャコというのは
微妙に理解に苦しむメンバー選出だなあ。
よく考えると悟飯以外全員ハゲじゃないか! かのナッパ戦を思い出すハゲ祭り。
鳥山先生の「作画が楽」という無意識がそうさせたのか?

そんなこんなで前半は楽しめたんだけど
悟空たちが到着してからの後半は所々にチャチャが入る展開が引っかかるというか
状況のシリアスさと鳥山脚本が噛み合っておらず
いまいちストーリーに乗り切れなかったという印象。
特に今回のフリーザ様は「真面目にトレーニングをして強くなった」という
まるで善玉側のような設定だったために
「チートな敵を主人公たちが正々堂々と倒す!」的な
カタルシスを感じる余地が全く無かったのが問題じゃないかなあ、と。
しかし戦闘力130万っていうのはどこから出てきた数字なんだろうか……。
戦闘力に言及したのはファンサービスのつもりなのかもしれないけど
せっかく『神と神』で気で計れない強さを提示したんだから
その設定を活かしたままにして欲しかったなあ。

また導入部のピラフ一味とのやり取りやウイスとの修行シーンに
かなりの尺を割いていたのに対して
終盤の流れがかなり唐突であっさりしていたのも気になるところ。
上映時間も映画としては短めだし
『神と神』同様にディレクターズカット商法がありそうだねこれ。うーん。

というわけで個人的には『神と神』のほうが統一感のある雰囲気で好きなんだけど
とにかく最新の作画でフリーザ様が復活したというだけで満足してしまった部分も。
つまらなくはないよ! むしろ面白いよ! でも『神と神』のほうが好きだよ!
そんな感じ。

あ、あといろいろ言われているももいろクローバーZによるED。
ぶっちゃけ曲としては好きじゃないんだけど
何でもかんでも「DB=チャラヘッチャラ」な風潮には正直嫌気が差していたので
新曲を持ってきてくれた、というだけで評価したいです。はい。

前作『神と神』の感想はこちら

   

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  アニメ映画, アニメ・漫画, 映画

なかなか話が進まない『デビルマンサーガ』の第8話。
今回は前半が勇希とアスカの談義、
後半が研究所での白縫女史の動向、といった感じの内容。
神と悪魔は元は同じもの、ミカエルとサタンはそっくり、
というくだりは『レディー』でもあったし
このあたりの会話はちょっと焼き直しっぽい感じもあるね。

それにしてもやっぱりテンポが悪いなあ。
なんだかんだで三話くらいずっと会話してるんじゃないだろうかこの二人。
永井豪氏は以前にエッセイで
「月刊連載だと一話ごとに話を纏めなくちゃいけない、
週刊連載だとそのあたりを気にしなくても読者はついてきてくれる」
みたいなことを言っていたけれど
『デビルマンサーガ』はどうにも中途半端というか
月二回発行なのに週刊のペースでやっちゃってる感じだね。

そんなこんなで今回のラストでようやく白縫女史がアーマーと融合。
アーマーの無数の針による痛みを伴う合体、というのはまあ予想通りかなあ。
ともあれ次回は巻頭カラーらしいしやっと話が動き出しそう。

   

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  デビルマンサーガ, アニメ・漫画, ダイナミック系

闇の帝王の正体や封印されたミネルバXの記憶など
前巻で示された謎が次々と明かされストーリーが大きく進んだ
『真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍』の単行本第6巻が発売。

今回は新世界の謎解きがメインであり
特に前半部分は過去に飛ばされたDr.ヘル=闇の帝王の長大な時をかけた計画が
ヘルの視点で語られるという一風変わった展開。
両親の描写や一つ一つの出来事に一喜一憂する人間味のあるヘルなどは
桜多吾作氏の短編『闘え!!Dr.ヘル』をオマージュしている感じだね。

また十蔵とヘルが「世界の偶然が生み出した遺伝子の一致した存在」ということが
明らかになったのも一つのポイント。
この二人は短編『マジンカイザー新魔神伝説』ではクローンだったりと
「似た者同士、表裏一体」の存在として描かれることが多いけど
本作でも興味深い関係になっている模様。
この遺伝子の一致というのも単なる偶然じゃなくて何かウラがありそうだなあ、と。

そして後半は大きく雰囲気を変えて地獄大元帥との一大決戦が話の中心。
Z対ヘルの戦いがメインに描かれているため
グレートと暗黒大将軍の死闘、剣造博士の最期など
他の状況がダイジェスト気味に消化されてしまっているのがちょっと気になるけど
やっぱりマジンガーの物語は甲児とヘルのもの、という考えなのかな。
しかしグレンダイザーモザイク処理のアレは
文字通り「住む世界が違う」で退場なんだろうか……。
ミケーネ文明が「なぜかロボット工学だけが発達している」という部分には
『グレンダイザー』や『ゴッドマジンガー』のような
外宇宙からの干渉があったからだと思うんだけど。

また「ヘルを倒したらZEROと決着を付けて全ての並行世界を救う」という
あらゆる並列世界と繋がった甲児の最終目的? が語られたのも気になるところ。
まだまだ謎が多いストーリーだけど
物語の終着点が朧気に見えてきた感じなんじゃないかなあ。
何はともあれ次回が楽しみ。

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愛蔵版 真マジンガーZERO(1)

愛蔵版 真マジンガーZERO(1)

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, 真マジンガーZERO

40年の時を経て新生し「チャンピオンRED」で連載中の
『グレンダイザーギガ』の単行本第1巻が発売。
海外で圧倒的な人気を誇る『グレンダイザー』だけあって
販促のプロモアニメが制作されたりとかなり力の入った宣伝がされている感じだね。

『Zマジンガー』の時には「疾走感をイメージして
Zとマジンガーを逆にするネーミングを思いついた」と言っていたけれど
今回の『ギガ(巨神)』はどちらかと言えば
守護神的な力強さをイメージしたネーミングなのかなあ、と。
グレンダイザーにマントを羽織らせたりするアレンジは
『マジンサーガ』的なアプローチで結構好み。

そんな第1巻はまだ始まったばかりということで
主人公リュークと彼を取り巻く人々の紹介、といった感じ。
敵の目を欺くために記憶を消去する、というのは
『デビルマンレディー』を彷彿させるパターンだね。
またひかるさんがまさかのキューティーハニーに変身し
リュークよりも目立って活躍しているあたりは
チャンピオンREDで過去に掲載された一連の「~対~」シリーズを思い出すなあ。

しかしアレだね。馬での登校やリュークのモテ描写などのレトロな部分が
他の要素が現代風アレンジをされている中で
異彩を放っているというかシュールというか。

そんなこんなでハニーの登場を始めとして
過去の永井豪作品を思い起こさせる要素も随所に入っており
「永井豪本人による現代リメイク」な雰囲気はよく感じられるんだけど
残念なのが一部の作画がヘタレてしまっているところ。
『激マン!』や『デビルマンサーガ』との同時連載でマンパワーが取られているせいか
上記の二作品と比べると差は歴然。うーん。

っていうかこれ『スーパーロボット列伝』とかと同じアシスタントじゃないかな。
メカの顔の描き方がそっくりな気がする。

   

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  アニメ・漫画, ダイナミック系