「真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍 第6巻」 感想

闇の帝王の正体や封印されたミネルバXの記憶など
前巻で示された謎が次々と明かされストーリーが大きく進んだ
『真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍』の単行本第6巻が発売。

今回は新世界の謎解きがメインであり
特に前半部分は過去に飛ばされたDr.ヘル=闇の帝王の長大な時をかけた計画が
ヘルの視点で語られるという一風変わった展開。
両親の描写や一つ一つの出来事に一喜一憂する人間味のあるヘルなどは
桜多吾作氏の短編『闘え!!Dr.ヘル』をオマージュしている感じだね。

また十蔵とヘルが「世界の偶然が生み出した遺伝子の一致した存在」ということが
明らかになったのも一つのポイント。
この二人は短編『マジンカイザー新魔神伝説』ではクローンだったりと
「似た者同士、表裏一体」の存在として描かれることが多いけど
本作でも興味深い関係になっている模様。
この遺伝子の一致というのも単なる偶然じゃなくて何かウラがありそうだなあ、と。

そして後半は大きく雰囲気を変えて地獄大元帥との一大決戦が話の中心。
Z対ヘルの戦いがメインに描かれているため
グレートと暗黒大将軍の死闘、剣造博士の最期など
他の状況がダイジェスト気味に消化されてしまっているのがちょっと気になるけど
やっぱりマジンガーの物語は甲児とヘルのもの、という考えなのかな。
しかしグレンダイザーモザイク処理のアレは
文字通り「住む世界が違う」で退場なんだろうか……。
ミケーネ文明が「なぜかロボット工学だけが発達している」という部分には
『グレンダイザー』や『ゴッドマジンガー』のような
外宇宙からの干渉があったからだと思うんだけど。

また「ヘルを倒したらZEROと決着を付けて全ての並行世界を救う」という
あらゆる並列世界と繋がった甲児の最終目的? が語られたのも気になるところ。
まだまだ謎が多いストーリーだけど
物語の終着点が朧気に見えてきた感じなんじゃないかなあ。
何はともあれ次回が楽しみ。

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