ついにゴードンヘルとの最終決戦が始まった「真マジンガーZERO」。
映画「マジンガーZ対暗黒大将軍」のように出撃前に怯える甲児や
触れただけで全てを破壊してしまいそうなゴードンヘルの圧倒的な強さなど
とにかくクライマックスの絶望感と威圧感、息もつかせぬ展開がたまらないねこれ。
魔神となったZの脅威は作中で何度も言及されているわけだし
それに対抗するにはやっぱりこれくらい敵もヤバくないとなあ。

その一方で1~2巻からずっと示唆されていた「兜甲児の特殊性」がついに明かされ
伏線回収という意味でも大きくストーリーが動いたのが印象的なところ。
第0話や第4話のルストハリケーンにしっかりと意味を持たせていたりと
ダイナミック的な勢いと綿密な構成が同居してるのはすごいわ。

そして何と言っても今回のメインはマジンパワーもとい魔神パワーの発動。
7つのチャクラによる真の力の解放というのは「マジンサーガ」が元ネタなんだろうけど
「サーガ」では全てのチャクラがあっさりと1~2ページで解放されて
その力をどのように使っていくのか、が話の中心になっていたのに対して
「ZERO」では一つ一つのチャクラとその力をじっくり見せることで
その力を如何にして手に入れるのか、が中心になっているのが面白いところ。
この違いは力の解放が導入部として描かれた「サーガ」と
ラストバトルで描かれている「ZERO」の違いなんだろうなあ、と。

そんなわけで最終回が見えてきた感じもするけれど
まだ隠し球が残っていそうで油断は出来ない感じ。
今までに幾度となく出てきた「甲児の腕とZの腕がかぶって人外の力を出す描写」など
ミネルバさんの言う「断片が過去の自分に影響を与える」だけでは
説明出来ない部分もあるし
もっと強大な何かが甲児に干渉しているのは間違いないんだろうなあ。
ほとんど人類滅亡状態となっている世界観を考えても
単純にヘルを倒して「やったー大勝利めでたしめでたし」とは出来ないだろうし。
こうなったらもう宇宙からやってきたゴッドマジンガーが世界を作り替えるしかないね!
いやあ早くも次巻が楽しみだわ。

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愛蔵版 真マジンガーZERO(1)

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, 真マジンガーZERO

帯にあるように4巻からずっと眠り続けていたエンギが満を持して復活、
そしてエルクレスの正体が明らかになり
いよいよ終章開幕といった雰囲気が出てきた「夢喰いメリー」の第8巻。
いやあ相変わらず表紙のメリーさんがかわいいなあもう。
完璧超人な転校生、白儀くん周りの謎を除けばだいたいの伏線も解消された気がするし
彼が最後にジョーカー的な役割を果たしそうな気も。

また今回は双子の夢魔「アハテルノーテ」との戦闘シーンが
ページの半分ほどを占めており、
女性キャラだろうがなんだろうがお構いなしに鼻血やら何やらを流しつつ戦う姿には
ああそうかこれは少年漫画なんだ、燃え漫画なんだ、バトルアクション漫画なんだ、と
妙なところで納得してしまったり。

ところで今回は「幻界との門」に言及した部分が多く見られたけど
この設定ってなんだか「幽☆遊☆白書」の「魔界の扉」を思い出すんだよね。
もしそうなら最終的に門番メリーさんの管理の下に
人間たちと夢魔たちが和解~共存の道を歩んでいくというラストが見えてくるんだけど
果たしてどうなることやら。

そして普段はあんまり店舗特典とか気にしないんだけど
今回はイラストのデザインに惹かれてメロンブックスのペーパーファイルを選択。
クリオネちゃんの病んだ目つきがたまらんねひゃっほい。

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  夢喰いメリー, アニメ・漫画

1話2ページながらもチャンピオンでしっかりと存在感を見せている
「木曜日のフルット」の2巻が発売。
少ないページならではの切れのいいギャグは今回も健在。
ラストのシュールなコマが笑いを誘う水溜まりの話や
ちょっと人情モノっぽい「魔犬の巻」やマリアの卵を守ろうとする話など
普通のギャグ漫画に留まらないオチを見せてくれる話もあるし
意味のない自転車の鍵の番号が「1374=意味なし」だったりする小ネタも含めて
どこから読んでも面白い、いろんな楽しみかたが出来る漫画だなあ、としみじみ。

ただちょっと引っかかったのが1巻に比べて
時事ネタや風刺ネタの入っているエピソードがかなり多くなっていること。
そういう話は良くも悪くも週刊誌に載ってるような感じの雰囲気で
ゆる~く楽しいがコンセプトの「フルット」にはちょっとそぐわない気も。

そして鯨井先輩の無職ネタがやけに取り沙汰されるようになったのも気になるところ。
「それ町」の紺先輩なんかを見てても
石黒氏はこういうキャラが好きなんだなあっていうのは分かるんだけど
そのあたりの掘り下げをやっていくとどうしても
漠然とした不安=エグい感じの雰囲気になっちゃうし
個人的にはあんまりそういうのは好きじゃなかったり。うーん。

 

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  アニメ・漫画

週刊少年サンデーのWEBコミックサイト「クラブサンデー」で
サイボーグ009の完結編「conclusion GOD’S WAR」がついに連載開始。

小説版・上巻の発売から5年、
完結編アニメ化という触れ込みだった平成版009から10年、
そして「天使編」「神々との戦い編」から数えると40年の時を経ての完結編。
いやあ長かった。比較的新しいファンである自分から見ても長かった。
なんかもうここまで来ると
どんな形でもいいから最後まで見せてくれーってのが正直な気持ちなんだけど
小説+漫画という石ノ森氏が望んでいた(と思われる)
最良の形での発表になったわけだし
満を持してって感じでこれは素直に嬉しいなあ、と。
まあぶっちゃけ今年を逃したらサブタイトル的に考えてヤバすぎるんだけど。

そんなわけで今回の完結編第1話、基本的には小説版のプロローグと第1章を
まとめてダイジェストっぽくした雰囲気だったけど
光の者たちのビジュアルや「収穫ノ時」というフレーズなど
「天使編」の要素が色濃く入っているなあ、と思われるところがちらほら。
石ノ森氏とギルモア博士の邂逅が病床の他に仕事場でも行われているなど
アニメ版の設定が混じっているところもあるし
まさに今までの断片の集大成という感じで完結編がついに始まったんだなあ、としみじみ。
もう読めるだけで感無量。

そんなわけで早くも来月が待ち遠しいんだけど
気になるのは一体どれくらいのボリュームになるのかという点。
「天使編」の時点で石ノ森氏の構想は単行本10巻以上にまで広がっていたみたいだし
とにかく最後まで読みたいんけどこじんまりとした感じで終わって欲しくもないし
そこらへんは複雑なところ。
特に次回以降はどんどんストーリー性が出てくるところだしページ数が気になるね。

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それにしてもWEBコミックでの連載っていうのはどうなんだろうねこれ。
いやもちろん誰でも無料で読めるというのは願ったり叶ったりなんだけど
初期の「サイボーグ009」をリアルタイムで読んでいた世代は現在50~60歳、
これは私の両親の世代である(確認済み)。
果たしてそういう世代の人たちに「クラブサンデー」でのWEB連載という形で
009完結編をアピール出来るのかというと微妙なところだし
かといって新規読者を開拓するにしては説明不足、描写不足な点が多すぎるし
そういう意味では完全に熱心なファン向け、内輪向けの作品なんだよなあ、と。
恐らく秋の映画「009 RE:CYBORG」に単行本発売を合わせてくるだろうから
そうしたら少しは宣伝になるのかな。

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  アニメ・漫画, サイボーグ009

デビルマン40周年を記念して「改訂版デビルマン」が刊行開始。
デビルマンは何だかんだで数年おきくらいに新装版が出てるけれど
今回は「改訂版」と銘打たれているように
1980年代から長らく底本となっていた「豪華愛蔵版」(以下:「愛蔵版」)以来の
一大改稿が行われたといった印象。

「あとがき」にもあるように
人物や背景などの修正がかなりの部分にわたって行われており、特に
・悪魔の像が見せるデーモン世界のイメージ
・明と了の乗った車がデーモンに襲われるシーン
・デビルマンに変身した明がデーモンたちを虐殺するシーン
などは単なる修正に留まらずコマやページそのものを描き下ろした部分も多く
「激マン!」とはまた違った形でのリメイクを見せてもらった感じ。

それでいて「愛蔵版」ではなぜかカットされていた
・明が病院にいる了を見舞いに行くシーン
・ゼノンの夢に怯える明
なんかのエピソードもしっかりと収録されており
そのあたりはオリジナル版と愛蔵版のいいとこ取り。
このペースだと了のデーモンハンター編もちゃんと収録されるんじゃないだろうか。

そんなわけで「愛蔵版」をベースにして
カットされたオリジナル版エピソードを復活、更に加筆修正が施された
まさに「改訂版」(あるいは完全版?)に相応しい内容だった今回の改訂版デビルマン。
ただ一つだけ不満があるとすれば全4巻構成という部分かなあ。
かつての「愛蔵版」は全5巻で
それに合わせて描き下ろしやカラーページが組まれている形だったから
全4巻にするとどうしても単行本としてのまとまりが悪くなっちゃうんだよなあ、と。
やっぱり1巻は猫デーモンが飛ぶところで締めたほうが良かった気がするし。

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この「あとがき」に書かれてることってけっこう興味深いんだよね。
いわゆるオリジナル至上主義がはびこっているデビルマン界隈に
果たして「改訂版」は一石を投じることが出来るのか、的な感じで。

  

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  アニメ・漫画, ダイナミック系