永井豪/田畑由秋/余湖裕輝 「真マジンガーZERO 7巻」 感想

ついにゴードンヘルとの最終決戦が始まった「真マジンガーZERO」。
映画「マジンガーZ対暗黒大将軍」のように出撃前に怯える甲児や
触れただけで全てを破壊してしまいそうなゴードンヘルの圧倒的な強さなど
とにかくクライマックスの絶望感と威圧感、息もつかせぬ展開がたまらないねこれ。
魔神となったZの脅威は作中で何度も言及されているわけだし
それに対抗するにはやっぱりこれくらい敵もヤバくないとなあ。

その一方で1~2巻からずっと示唆されていた「兜甲児の特殊性」がついに明かされ
伏線回収という意味でも大きくストーリーが動いたのが印象的なところ。
第0話や第4話のルストハリケーンにしっかりと意味を持たせていたりと
ダイナミック的な勢いと綿密な構成が同居してるのはすごいわ。

そして何と言っても今回のメインはマジンパワーもとい魔神パワーの発動。
7つのチャクラによる真の力の解放というのは「マジンサーガ」が元ネタなんだろうけど
「サーガ」では全てのチャクラがあっさりと1~2ページで解放されて
その力をどのように使っていくのか、が話の中心になっていたのに対して
「ZERO」では一つ一つのチャクラとその力をじっくり見せることで
その力を如何にして手に入れるのか、が中心になっているのが面白いところ。
この違いは力の解放が導入部として描かれた「サーガ」と
ラストバトルで描かれている「ZERO」の違いなんだろうなあ、と。

そんなわけで最終回が見えてきた感じもするけれど
まだ隠し球が残っていそうで油断は出来ない感じ。
今までに幾度となく出てきた「甲児の腕とZの腕がかぶって人外の力を出す描写」など
ミネルバさんの言う「断片が過去の自分に影響を与える」だけでは
説明出来ない部分もあるし
もっと強大な何かが甲児に干渉しているのは間違いないんだろうなあ。
ほとんど人類滅亡状態となっている世界観を考えても
単純にヘルを倒して「やったー大勝利めでたしめでたし」とは出来ないだろうし。
こうなったらもう宇宙からやってきたゴッドマジンガーが世界を作り替えるしかないね!
いやあ早くも次巻が楽しみだわ。

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