VIPRPG夏の陣2010作品を偉そうにレビューするよ!
このペースだと番号が後ろのほうの作者様ごめんなさいだよ!
紅白までに全作品完了を目標にゆっくりじっくりやっていく予定だよ!
週一で五作品くらいずつ感想書いていけば時期的にはぴったりだよね!


No.08 女兵士さん奮闘記外伝第二部 暗黒竜と光の戦士
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もうそろそろ終わりかと思ったら終わったのは序章だったり
ようやく大陸を制覇したと思ったらもう一つ広大なワールドマップが出てきたり
大ボスを倒したと思ったら「もうちょっと続くんじゃよ」と言われたりする超長編RPG。
ストーリーは外伝の第二部という位置付けながら
本筋である女兵士さんの謎や世界の秘密にも踏み込んでおり
(ただし本作ではほとんどの謎を残したまま。)
「本編」と「外伝」の違いって何なんだろうとほんの少し思ってもみたり。
それにしても作品ごとに全く異なる形の自作戦闘を引っさげてくるのがすごいなあ。
しかも今回は「世界樹の迷宮」風のスキルツリーまであるし。
作者様いわく「雑魚戦は通常攻撃のみでも大丈夫」らしいけど
それをするにはパロの実を常に99個携帯しての力押しが必要に感じた気も。
序盤に金が万単位で手に入る割にパロの実が異様に安いからこれが最適解なんだろうか。
「取得経験値が少ない+敵シンボルがガチで向かってくる」から
ちょっとばかり雑魚戦を強要させられてるようにも思ったけど
自分のゲームは毎回レベル上がりやすいって言われてるし
そこらへんは単なる感覚の違いかもしれないなあ。


No.09 もしも娘様軍魔道変 Return of Morutsu
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成長した娘様が活躍するパートと
グリーンサイ+ブラックバイソンが謎を解いてゆくパートが交互に入る二重視点AVG。
大真面目に作ればどこまでもシリアスになりそうなストーリーにも関わらず
あわびとか缶ビールとかがアクションするせいで見事なカオスっぷり。
ナスペディアシリーズもそうだけどシリアスとギャグのバランスが毎回毎回絶妙だなあ。
ちなみにナスペディアではジョジョ5部の奴がお気に入りだったり。
グリーンサイ+ブラックバイソンの推理パートでは
どうでもいいところを調べた時にも何かしらの反応が欲しかったかも。
会話のバリエーションが多かった分期待してたからちょっとがっかり。
おまけ部屋でカラテカが斜め移動したのが無性にツボに入った。


No.11 果てしなく欲望渦巻くこの街で
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エロリアが仮想空間に入り込んで悪事を暴いてゆくAVG。
メインシナリオだけを追っていけば30分ほどで終わってしまうけれど
エンディング後に「俺たちの戦いエロはこれからだ!」的な語が出てくることからも
本筋のストーリーより広大な街を回って各種のイベントを楽しむのが恐らく本編。
着ている服によって細かく変わるイベントやアイテムの収集要素など
「明確な目的がないゲーム」が好きな人には堪らないんだろうなあ。
ただ個人的には作品全体に漂う「明るくオープンなエロ」な雰囲気が苦手だったり。
エロティシズムの魅力っていうのは
「人間に必要不可欠な営みにも関わらず表沙汰にされることを忌避される」
という二律背反的な危うさにあると思うんだよなあ。
何が言いたいかというともっと心にくるような内面/泥沼的なエロが好きなんだよ!


No.13 ぷにえ様の言うとおりに参加する事に意義があるとは言わないけど
     タイトル思いつかないしふと閃いてしまったので性懲りも無くSS詐欺を
     働てしまったんだけど後悔はしていないよ! の巻
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王道長編RPGから最低限必要なもの以外を削っていったらどうなるか、的な作品。
広大なマップの陸海空を移動する展開なので雰囲気は抜群。
後半に何回か強制戦闘が入るけど
特殊技能に戦況を変えうるほどの効果があるわけじゃないし
アイテムの購入やレベル上げなどで味方側を強化+補助する余地も全く無いし
純粋なパワーバトルでこのバランスはかなりきつい気が。
せめて一戦ごとにセーブは欲しかった。
最後の設定大放出にはある種の心地よさすら感じてしまう。
DIABLO2はバージョン1.03の頃にやってたから今はもう別物なんだろうなあ。
ワールウインド最強伝説は終わったんだよ…。


No.14 新しいジャポニカ
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この作品はフィクションだよ!
この作品はフィクションだよ!
大事なことだから二回言ったよ!
架空の国(←ここ重要)「ジャポニカ」を守るために奮闘する者たちを描くRPG。
位置付けとしては恐らく「不謹慎ゲー」あるいは「ネタゲー」になるんだろうけれど
ネタにされている事件や政治問題が異様にリアルタイムで思わずノーコメントしたくなる。
マコ様やグリン+ナスカの設定を見るに
過去作と同じ世界観やキャラクターを使った別ストーリーっていうことになるのかな。
未完成ということで各キャラが顔見せ+立ち上がったところで終わってしまったけど
後編の全員集合+総力戦を楽しみに待つことにしよう。


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  夏の陣2010レビュー, VIPRPG祭りレビュー, RPGツクール

時間封鎖<スピン>から数十年─宇宙時間の数十億年─が過ぎた地球では、
火星からの来訪者であるワン・ンゴ・ウェンにより新たな局面が迎えられていた。
ジェイスンの計らいにより、ワンの専属医、そして親友となるタイラー。
ワンがもたらした技術を用い、〝仮定体〟との接触を図ろうとするジェイスン。
救いを求め新興宗教に走るが、それがただの幻想に過ぎないことを知るダイアン。
そんなタイラーたちを「スピンに呪縛された世代」と看破するジェイスンの父、E・D。
それぞれの思惑が渦巻く中、時間封鎖<スピン>は唐突に終わりを迎え、
地球は新時代に入ることとなる…。

先週感想を書いた上巻に続く「時間封鎖」の下巻。
上巻に続いて主人公タイラーの一人称で書かれていながら
時間封鎖<スピン>の時代を生きる者たちの群像劇としても楽しめる見事な構成力。
交互に描写されてきた過去と未来が一本の線になるクライマックスは
しんみりと、そして淡々としながらも新しい歴史が始まることを予感させる内容。
さすがにネタバレになるからこれ以上は言えないよ!
ブログの記事としては一週間空いちゃったけど実際は上下巻一気に読んでしまったから
これから上巻読む人は必ず下巻も手元に置いておこう。

というわけでタイラー、ジェイスン、ダイアンの三人の物語としてだけ見れば
本作は見事に完結しているわけだけど
SF小説として見るとまだまだ終わってない部分がまだまだあるんだよなあ。
政治闘争、宗教対立などの地球の混乱はまだまだ続きそうだし
何より時間封鎖<スピン>を起こした超存在〝仮定体〟の目的はいぜんとして謎のまま。
しかも後半では〝仮定体〟を生み出した更に上位の存在
(「幼年期の終り」におけるオーバーロードに対するオーバーマインドを彷彿させるような)
が宇宙の何処かにいるということまで仄めかしている。
本作は続編「無限記憶」そして完結編「Vortex」(邦題未定。2010年8月時点で未発表)
と続く全三部作の第一部だということが明言されているけれど
一体どこまで話が広がっていくのか楽しみで仕方ない。
続きを早く読みたいのは山々だけど尻すぼみになるほうがもっと嫌だから
ゆっくり待とうじっくり待とう。

ところで「時間封鎖」で検索すると
同名の18禁ゲームが同じくらいの割合で出てくるんだけど
確かあっちもSF要素を含んだオチだった気がするよ!

  

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  SF小説

デントン教授が残した土壌サンプルを手がかりに、
一連の事件は解決へと向かい始めていた。
ヒューズの依頼を受け、犯人の拠点と目された炭坑跡に向かうジョーイとサイ。
〝犯人は果たしてウィルなのか?〟
訝り、そして悩むジョーイに対し、
サイはかつてウィルとフットボールのチームメイトだったこと、
そして自らの足の怪我について吐露する…。

前回の予想が少し当たったというか
各キャラのバックグラウンドに一気に踏み込んできた感があるHEROMAN第21話。
今回はサイの過去話だったけどこの辺りの流れいいなあ。
ちょっと間違えれば「サイの自業自得」あるいは「ウィルが全面的に悪い」
となりかねない所だけど、単純に善悪の構図にはならずに
結果としてサイとウィルの二人両方を持ち上げることに成功してる。
ここらへんの脚本地味だけどすごい巧いと思うわ。

逆に人間たちを誘拐した理由とか本当にスクラッグの残党なのかとか
海で戦った植物兵器との関連性はあるのかとか
大局的な部分は謎のままでぼかされちゃって肩すかしな部分も。
ウィルが乱入してきて三つ巴の戦いになるのを少し期待してたんだけど
さすがにこれ以上事態を混乱させたら収拾付かなくなっちゃうんだろうなあ。

一つ気になったのは
「サイとウィルがチームメイトだったのをジョーイが知らなかった」って所。
ジョーイ、ホリー、サイの三人は幼馴染みと言っていい関係のはずだし
回想シーンのサイたちはどう見ても中学校に入った後だから
知らないはずはないんだと思うんだけど。

何はともあれ次回はいよいよジョーイの過去話。
ジョーイが〝ヒーロー〟に固執する理由をはじめとして
今まで断片的にしか語られてこなかったことがどこまで明言されるのか、
各所で予想されてきたヒーローマン=父親説が果たしてどうなるのか。
それにしてもやっぱり母ちゃん美人だな! 子供二人いるとは思えないよ!
ちょっと調べてみたらアメリカ西海岸には結婚に年齢制限のない州が多いらしいから
20代前半とかでも全くおかしくないんだなあ、と。

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  アニメ・漫画, HEROMAN

今回は気楽で身軽な1プレイヤーだ!
というわけでVIPRPG夏の陣2010作品を偉そうにレビューするよ!
当然ネタバレありだから嫌な人は注意してね!


No.01 終わらない夏2010
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ツクラーを助ける〝妖精さん〟の役割を剥奪された主人公「まさお」が
人間界で一人のツクラーとなって奮闘する見るゲ。
…というごく普通の紹介文を書いてる自分に疑問を抱いてしまうくらいに混沌とした内容。
いい意味でとにかくひどい。
作中作「ブライヤーンクエスト」のタイトル画面は必見。
ちなみにボンボン派なので四駆郎は未読。


No.03 もしもの短編集
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その名の通り数分で終わる短編の詰め合わせ。
単なる避けゲーかと思ったらアクションになったり
偽ムシャのミニゲームは死んだ場所で出てくるヒントが変わったりと
細かいところで力が入ってる印象。
ちょっとよそ見してたらエンディングが終わってて泣いた。


No.04 なんと今度こそ水煮が経済学講座しないksg(予定)
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重要語句の解説から確認テストまである本格派経済学講座。
経済学と一口に言ってもいろいろあるけれど
日本を対象にしたマクロ経済学ということで不況問題などかなり現実に即した内容。
対話形式なこともあって非常に分かりやすい。
ことあるごとに「大学行け」って語が出てくるけど
経済学部でもない限り経済学史や経済思想史の方面に行っちゃって
マクロ経済はノータッチな気がするなあ。
確認テストなんて無かったんだよ…。


No.06 見るゲコレクション NO-RIMIX
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まず起動時の演出で度肝を抜かれる。
内容はピクチャをふんだんに使った見るゲ…かと思ったらまさかの疑似3Dゲーム。
画面作りとしては「3Dエアホッケー」や「3Dブロック崩し」に近い感じ。
防御の判定はやや早めにされてるような印象を受けたけどどうだろう。
「締切」以降の敵がやってくる多段ヒットが怖い。ガリガリ削られる。
見る…ゲ? コレク…ション?


No.07 ここだけもしも世界闘技場
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限られたポイントを行動内容や攻撃力に振り分け、闘技場を勝ち抜いていくゲーム。
こういう「編成だけして後は見守るだけ」っていうの急かされなくて好きなんだよなあ。
好きなだけに作品の肝である編成部分のインターフェースがやや扱いにくいのが気になる。
手間がかかるのは分かるけど「数値入力の処理」や「選択肢の表示」を使わずに
画面上でピクチャのカーソルを動かす形式のほうがよかったなあ。
シナリオやストーリー性は意図的に排除しているみたいだけど
「○○連勝すればランクAだ」みたいな感じで
とりあえずの目標くらいはあったほうがいいような気がするんだけどどうだろう。
一回戦でアーサーが混乱連打してきて封殺されたのは秘密だ。


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  夏の陣2010レビュー, VIPRPG祭りレビュー, RPGツクール

ある夜を境に、空から星々が消えた。
惑星全体が界面に覆われ、界面内の時間の流れが1億分の1にまで遅くなる
時間封鎖<スピン>現象が、突如として地球を襲ったのだ。
その時間の暴走はまた、太陽が赤色巨星化して寿命を迎える数十億年後が
地球時間において数十年後に迫っていることをも意味していた。
突如突きつけられた滅亡に人々は嘆き、そして足掻こうとする。
タイラー、ジェイスン、ダイアンの三人の少年少女。
彼らもまた時間封鎖<スピン>によって運命を大きく変えられた「最後の世代」であった…。

背表紙の解説文いわく「ゼロ年代最高の本格SF」。
正直「ゼロ年代」という言葉とか区切り方とかがあんまり好きじゃないから
煽り文で少し敬遠してた部分もあったんだけど
敬遠してたのを少しばかり後悔。

地球全体が幕に覆われて時間の流れが変質する、
という設定だけを見るとかなり論理武装的な作品に思えてしまうんだけど
本作は科学的な理論や説明の描写がかなり平易に抑えられており、
SF小説というよりもタイラー、ジェイスン、ダイアンの三人を中心とした
青春小説の様相が非常に強い感じ。
更に過去と未来が交互に描写されるミステリ的な部分、
(構成としては「火の鳥」の復活編がかなり近いかも)
政府のエージェントらしき人物から逃げ回るというサスペンス的な部分、
そしてもちろんSF的な部分もしっかりとツボを押さえた形で入っている。
「西暦4*10^9年」って語だけでわくわくするわ。

いやあ本当に面白かった。
あらゆるジャンルの小説が融合したまさに総合エンターテイメント。
なんかベタ褒め過ぎる気もするけど個人的大ヒット。

著者のR・C・ウィルスン、訳者の茂木健はどうやら両氏とも熱心なジャズ・ファンらしく、
作中に登場する曲名については既に下巻の解説文で指摘されているけれど
確かに「出しゃばりの邪魔者」を「アメリカ南部版オノ・ヨーコ」と比喩するところ(133P)
なんかは古典SFでは当然出てこない、まさにゼロ年代ならではの表現だよなあ、
なんてことも思ったり。
うーん嫌いなのに使ってしまった「ゼロ年代」。
何はともあれ下巻に続く。

下巻の感想はこちら

  

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  SF小説