フランソワーズを主人公とするエピソード「ありえざるもの」の
後半のストーリーが展開した「サイボーグ009完結編」の第5話。

今回は小説版では143Pから172P(文庫版165P~200P)にあたるストーリーが展開。
とにかく小説に忠実に漫画化していたこれまでのエピソードとは違い
中盤、アランとカネットがフランソワーズを訪ねてくるあたりからの流れが
かなり簡略化+分かりやすくなっており
特にモーリス警部の行動や2人目のアランの登場など
小説ではかなり話の流れが唐突+説明不足だったところを
上手く噛み砕いていたという印象。
小説版を既読ということもあって全く同じ話だと新鮮味はないし
そういう意味でも1~5話の中で一番面白かったような気がするなあ今回。

ただ小説と違って画で見せているということもあり
フランソワーズの前に現れたUFOや羽の生えたアランとカネットなどが
妙に陳腐なデザインに思えてしまった部分も。
彼ら、彼女らの存在は現段階では「よくわからない存在」として書かれているんだし
ジェット編の「王の王」のように不定形っぽくしても良かったんじゃないだろうか。
あんなふうに羽だけ生やされると妙に笑いを誘うというか何と言うか。

そんなわけで文庫版の刊行も正式にアナウンスされた「サイボーグ009完結編」。
あと2ヶ月後には完結してるとか全然実感湧かないんだけど
まあとにかく漫画版ともどもゆっくり読んでいくことにしよう。

しかし文庫に当たってかなり加筆修正が入るみたいだし
ハードカバー版は上巻で打ち切って無かったことになってしまうんだろうか。
個人的にはそういう後出しジャンケンみたいなのあんまり好きじゃないんだけど。

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  アニメ・漫画, サイボーグ009

講談社より刊行中の「マジンサーガ」の2巻が発売。
今回も前回に引き続き完全描き下ろしのページがあり
餓羅蛇K7がマジンガーに襲いかかる見開きや地獄門の描写などが追加されているものの
全部で10~20Pほどとやや抑え目になっており
ある程度まとまった新作ページがあった1巻に比べると旧版とさほど変わらない印象。

特に剣を持ったZと餓羅蛇との戦いや
新作部分のキーパーソンになるであろうデュークの登場シーンなんかは
描き下ろしページがあるんだろうなあ…と勝手に期待してただけにちょっと残念だったり。
とは言えこのあたりは集英社版→扶桑社版の時もほとんど変更がなかった部分だし
作品全体を考えても「起承転結の承」的な雰囲気があるから
これからに期待、という感じ。

それと今回の新装版でもう一つ気になっているのが
「第3章 ドクロの蛇」「第4章 さやか」などといった章分けがされているところ。
今回のを完全版にする! という気合の表れなんだろうけど
章ごとのページ数もバラバラだし
「とりあえず章立てしてみた」的な感じがあるのは否めないなあ、と。
章分けするのならせめて目次くらいは付けてくれないと存在意味が無いような気が。
読み返すときにも楽になるし。

  

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, マジンサーガ

ゆったりとした発刊ペースでいつの間にやら
かなりの長期連載になっている「光の大社員」の4巻が発売。
1話ごとの構成が決まっており「お約束」のような面白さがある本作だけど
初期に比べるとたまきさんのネコの話などシュール系ギャグの割合が多くなった印象も。

特に今回からレギュラーとなったヘンリーさんの話はどれも秀逸。
内容として4コマ漫画ではよくある「日常のあるある話」なんだけど
それを「誰よりも日本人らしい外国人」であるヘンリーさんがすることによって
ある意味で出オチ的な面白さが生まれている感じ。

ところであとがきで「それにしてもキャラが増えた」みたいなことを書いてるけど
個人的にはあんまりそういう感覚はないんだよね。
「大社員」は新キャラの登場エピソードをじっくりやるんじゃなくて
それまで何度か登場してた人物がいつの間にか定着してる感じだから
余計にそう思えるんだろうなあ、と。
宮代主任がいつの間にか結婚していたりと
そのあたりの大きな変化の過程をあえて描かないのも作風なのかな。

 

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  四コマ漫画, アニメ・漫画

OVA付の限定版と同時発売となった「侵略!イカ娘」の12巻。
今回は内気な性格から他キャラとの絡みが少なかった
鮎美ちゃんの意外な内面やたけるの先生と渚の関係、
そしてまさかの磯崎主役回「モテなイカ?」「格ゲーしなイカ?」など
今まで中心になることがなかったサブキャラのエピソードを持ってきた印象。
特に「格ゲーしなイカ?」は安部先生らしかぬラブコメ的シチュエーションに加えて
イカ娘が最初の1ページ目にしか登場していないという異質さ。

また今までの「イカ娘」のエピソードは
各キャラのノリや性格なんかで引っ張ってきた話が多かっただけに
「よくすべるキャスター」「色メガネ」なんかの正統派ギャグがちょっと新鮮だったり。

あとがきなんかを見ても分かるけど
ここ2~3巻はいろいろと試行錯誤してる感じもするし
今後もサブキャラが主役となるエピソードが多くなりそうな気がするなあ、と。

   

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  アニメ・漫画

4巻で衝撃の事実が明らかになりストーリーが大きく動いた「ネコあね。」の第5巻。
今回はページの約半分を前中後編の回想話「昔の話。」が占めており
前回と比べると小休止というかちょっと抑えた展開だった印象。

今まで断片的に出てきた恵美ちゃんとの出会いや
祖母との絆などのエピソードと今回の過去話が上手く繋がるあたりの構成は
長期連載ならではという感じで嬉しいところ。
また今回の回想話から杏子の願いが成就するまでは約十年の間があるわけで
全く出てきていない銀ノ介の中学校~高校入学あたりの話も知りたいなあ、と思ったり。

他には「第24話 花火」で見せた杏子の複雑な表情(P30)
なんかも印象に残ったところ。
「ネコあね。」は初期から絵柄が大きく変わってるわけじゃないけど
2~3巻あたりはデフォルメの効いたデザインが多かった気がするし
各エピソードの雰囲気に合わせてちまちまと変えてるような感じがして上手いなあ、と。

そして本巻ラストの「涙を拭いに駆けつける~」は
間違いなくクライマックスへの布石なんだろうな、などと思いつつ次回に続く。
ある種のタイムリミットが生まれてるわけだし
長くてもあと2~3冊で最終回になってしまうような気も。

 

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  アニメ・漫画