あの島には怨念がおんねん(激うまギャグ)。
というわけで現在上映中の映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観てきました。
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いやー凄かったですね。
世界観や龍賀一族の面々の紹介も兼ねて立ち上がりこそ静かなんですが
次々と起こる殺人事件、ゲゲ郎たちに襲いかかる裏鬼道衆や村の有力者たちとの戦い、
そして全ての謎が明らかになる終盤、と
話が二転三転しながらノンストップでクライマックスまで駆け抜ける大盛り上がりの展開。
飄々としたイケメンと目をギラギラさせたイケメンが
利害が一致して協力し合ううちにお互いを友と呼ぶようになるんですから
そらもう大きなお姉様方に大人気ですよ(偏見)。

今回の映画は『ゲゲゲの鬼太郎』TVアニメ第6期の前日談として
アニメ本編で断片的に語られた
「水木という男に世話になった恩返しとして人助けをしている」
「かつてはイケメンだった全盛期の目玉おやじ」を膨らませたものとなっているんですが
「水木センセイの生誕100周年記念作品」という性格も非常に強く
原作同様のバベルの塔的なビジュアルと共に語られる幽霊族の繁栄をはじめとして
水木の野心のバックボーンに『総員玉砕せよ!』の戦時中の理不尽な描写を組み込んでいたり
今回オリジナルのキャラデザインが与えられた目玉おやじ夫妻についても
しっかりと原作の「ミイラ男とお岩さん」の姿になる顛末が語られていたりと
「6期アニメの劇場版」以上に「あらゆる水木作品をリスペクトした集大成」という性格を
強く感じましたね。

水木作品は鬼太郎に限らずシリーズごとの繋がりが薄く
鬼太郎の母親も「地獄編」では幽霊族ではなく人間だったりと
キャラの根本的な設定についてもまちまちであり
「水木センセイはそのあたりをはっきりさせることに拘りはなかったんじゃないかなあ」と
本作で明確に描写してしまうことには少々抵抗もあったんですが
こうして各作品の要素を咀嚼しつつ
ここまで高レベル、ハイクオリティな作品でまとめられてしまったら
もはや脱帽&納得するしかないですね。

最後に水木が記憶を失ってしまったのはホラー作品お馴染みの終わり方ではありますが
「水木の頭の中だけに残っていた村の秘密が永遠に闇に葬られた」ことや
「6期アニメのみならず他の鬼太郎作品にも繋げられる」世界観の広がりや可能性を考えると
あの終わり方がベストだった気がします。
原作の水木は遅刻の常習犯で「うだつの上がらない会社員」として描かれていましたが
本作の事件で記憶と共にその野心も失われてしまった……みたいな考え方も
出来るのかなあ、と。

また前半のゲゲ郎が水木を助けるシーン、中盤の裏鬼道衆との戦い、クライマックスと
エンターテイメント的なアクションもしっかりと散りばめられており
特に最終決戦は「目玉おやじがミイラ男のようになってしまった理由」を明らかにすると共に
「チャンチャンコ誕生秘話」となっているのも特筆すべきところ。

祖先の霊毛で編まれたチャンチャンコはあらゆる鬼太郎作品で
最強の道具として扱われていますが
本作の描写を加えるとそれにも納得出来るというか
チャンチャンコは霊毛のみならず全ての幽霊族の願いと呪いが込められた
まさに幽霊族の末裔である鬼太郎に相応しいものになるんだなあ、と。

それとアクションシーンを振り返ってみると
第6期アニメでは指鉄砲が決め技として多用され
目玉おやじが若い姿となった第14話でも指鉄砲で決着をつけていたのに対して
本作では指鉄砲が使われていなかったのも印象的だったところ。
逆に裏鬼道衆の面々がゲゲ郎を鉄砲で狙撃するシーンがあったり
回想として使われた『総員玉砕せよ!』パートの描写などを見ると
本作では「鉄砲」が「自分たちを追い詰めるもの」の象徴だった気がするんですね。
なので本作のゲゲ郎が指鉄砲を使わなかったのは意図的な演出のような気がするなあ、と。

また中盤以降の展開は「特定の誰か」を黒幕とするのではなく
「過去の風習に囚われた村そのものが敵である」点を強く感じるものとなっているように
本作のテーマの一つには「変化を嫌い過去に囚われた者たちとの対立」があると思うんですが
いわゆる被害者的な立ち位置だった沙代さんにしても
彼女の考えも「東京にさえ行けば全てが解決する」
「○○さえすれば全てが上手くいく」と夢見がちな極論であり
だからこそ彼女も「邪魔な者たちを始末すれば上手くいく」という
極端な解決方法しか取れなかったんだと思うんですね。

それを踏まえて本作を最後まで見てみると
「人間もこの世界もそう簡単には変わらないけど子供たちが生きる未来はあるんだよ」
「過去に囚われてはいけないけど過去を生きた人たちがいたことは忘れちゃいけないよ」
という結論にしているのは納得できる着地点だなあ、と。

そんなわけで大満足の本作なんですが
すごく面白かっただけに「100分じゃ尺が足りない」
「もっとここを膨らませて欲しかった」という贅沢な不満があるんですね。

水木やゲゲ郎と絡むことがほとんどなく
一族の水増しのような立ち位置で序盤に退場してしまった丙江や
限りなく男女の関係に近いことを仄めかしていた長田幻治と乙米の間柄、
ダイジェスト的に済まされてしまった水木とゲゲ郎が村の調査するシーンなどなど
「ここをもっと観たかった」という部分がたくさんありますし
敵キャラクターはどれもこれも近年のアニメでは珍しいくらいに胸糞揃いだったので
カタルシス的な意味でもアクションシーンをもっと増やしてほしかったと思います。
最終決戦では1シーンだけゲゲ郎が長髪になるところがありましたが
あの状態でのアクションを5期アニメの武頼針みたいな感じで観たかったですね。
これが120分の映画だったら「尺もギリギリだしまあ仕方ないな」と諦めもつくんですが
なまじ100分なだけに「まだいけるんじゃないか」と思ってしまうのです。

それと本作はレーティングがPG12になっているところも話題の一つで
近親相姦を繰り返す一族という設定や
深夜アニメ『墓場鬼太郎』でも改変されていた
「幽霊族の血を輸血することで人間が生きながら死者となる」のをはっきりと描いた点、
後半につれて多くなる「目玉」「血」を意識した演出などが引っ掛かったと思われるんですが
個人的にはPG12にするにはまだまだ大人しい感じもしましたね。

自分は前に観たPG12の映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』が
エログロをかなりはっきりと描いていて
「モロ的な部分が無ければPG12ってここまでやっていいんだ……」と感心すると共に
アレが基準になってしまったところがあるんですよ。
まあPG12はあくまでも「助言・指導が必要」であって「12禁」というわけではないので
明確な基準とかはなく内容もピンキリ、みたいなところはあるんじゃないでしょうか。
本作については表向きには「ニチアサアニメの劇場版」となっていることもあって
ハードルをやや低めにしてPG12が設定されたような気もします。
どうせPG12なら「リモコン手」や「本当に指を飛ばす指鉄砲」など
最近のアニメシリーズでは見なくなってしまった欠損系の技を出してほしかったなあ、と。

というわけでいろいろ書きたいことがあって話がとっちらかってしまった感もありますが
大人も子供もおねーさんも面倒くさい原作ファンも
納得のハイクオリティな映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。
いやもう本当に大満足です。

実は自分は6期アニメについては「新作より5期の続きをやってほしい」というのが先にあり
放送終了から数年が経った今でも正当な評価が出来ないままだったんですが
今回6期の世界観をベースにあらゆる水木作品の要素を取り込んだ
すごい作品を観させてもらったことで
ある意味怨霊となっていた自分も浄化されたような気がするのです。
ありがとうゲゲ郎。

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  アニメ映画, アニメ・漫画, 映画

カードウエハースの新シリーズとして11/27日に第1弾が発売となった
「ブルーアーカイブ ウエハース」を箱買いしました。
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というわけでこちらのブルアカウエハース、カードの枚数が全30種で
キャラクターカードとビジュアルカードが収録、ということで
同じくスマホアプリ出身の「ウマ娘ツインウエハース」を仮想敵としているというか
かなり意識している印象がありますね。
あちらは順調にシリーズを重ねて現在は来年発売予定の第7弾の予約が始まっていますし
こちらの「ブルーアーカイブ ウエハース」も長寿シリーズにしたい、という
メーカーさんの強い決意を感じます。
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またキャラクターカードについては事前の画像からは
「立ち絵のみでシンプルすぎじゃないかなあ」と感じていたんですが
裏面がデザイン、情報量ともにかなり充実したものになっており
これは予想外に嬉しかったところ。

今のカードウエハースはWEBの商品紹介ページで
表面のデザインが全て公開されてしまっていることが多く
宣伝になる一方で「デザインが全部分かったからいいや」と思われる可能性もある、
という点で一長一短だと思っているので
公開されていない裏面で「おお」と思わせてくれるのは有り難いですね。
ビジュアルカードも表面と裏面が別のイラストになっており
「裏面にもしっかり気合を入れよう」という気概を感じます。
表裏で同じイラストが流用されているカードってかなり多いですからね……。

欲を言えばキャラクター図鑑的なプロフィールも載せてほしかったんですが
『ブルーアーカイブ』はキャラ紹介も充実している設定資料集が刊行されているので
カードのほうにそこまで求めるのは無粋な感じですね。

あ、それと運が良かったのか
今回は新シリーズでアソートが優しめになっていたのかは分かりませんが
BOXを2箱購入して全30枚中29枚が揃ったのも嬉しかったですね。
残りの1枚がよりにもよってNo.01のシロコだというのがキツいですが。
並べた時にNo.01だけ抜けてるとやっぱりモヤモヤするんですよ。
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逆にNo.02のセリカがBOX内ダブりも合わせて計4枚が入っていたので
こちらが1枚でもNo.01だったらなあ……と。

そんなこんなでこちらの「ブルーアーカイブ ウエハース」。
現時点では第2弾以降の発売アナウンスは出ておらず
恐らく第1弾の売り上げや反応を見てから、ということになるんでしょうが
『ブルーアーカイブ』にはまだまだ魅力的なキャラがたくさんいるので
是非ともシリーズ化してほしいですね。
今回収録されていないキャラだと古書館の臭そうな子(誉め言葉)とか好きです。

しかしあれですね。個包装されているウマ娘ウエハースに慣れてしまっていたので
2箱40パック全てを一気に開けてしまうとどうにもウエハースの保存方法に困りますね。
ちなみに自分は冷凍して1日1杯のコーヒーを飲む時に浸して食べてます。
これで今年いっぱいは楽しめるのです。

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  トレーディングカード, コレクション, ゲーム

「ミニミニカードダス SDガンダム外伝」の第2弾として発売された
「ミニミニカードダス SDガンダム外伝 円卓の騎士編」を購入しました。
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第1弾「ジークジオン編」の売れ行きや評判が良かったためか
こちらの「円卓の騎士編」の発売もかなり早い段階で発表され
商品の仕様も1カプセルに入っているカードの枚数が6枚から12枚と増えてパワーアップ。
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もちろんミニミニながら細かい文章までしっかりと再現されたクオリティの高さもそのままで
今後の「聖騎兵物語」以降のシリーズのミニミニ化への期待も高まり
第1弾の「ジークジオン編」同様に大満足のミニミニカードダス。

ただ今回は商品の質とは全く関係のないところで
個人的に「失敗してしまった……」という部分があるんですね。

ガシャポンオンライン|ナムコパークス
https://parks2.bandainamco-am.co.jp/gashapon.html

どういうことかと言いますと今回はいち早く予約が始まっていた
WEB上の「ガシャポンオンライン」で事前購入をしていたんですが
これがもう大失敗だったんですよ。
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筐体内の個数に限りがある実機と常に全ての商品が同確率で出てくるネットガチャでは
実機のほうが有利、というのは感覚的に分かってはいたんですが
運の悪さもあってマジで大爆死状態となり
初挑戦にしてネットガチャはやるもんじゃない……と思わされてしまったんですね。

「ヴァトラスの剣(A)」「流星の騎士団(C)」「キングガンダム(E)」「円卓の騎士(G)」の
各弾1個ずつの4種を揃えることを目的としていたんですが
これがもう全然当たらない当たらない。
5回連続で同じものが出てくるなど実機では物理的にあり得ないであろう状況なども起こり
結果として全8種のうち4種を揃えるのに12000円以上かかってしまったんですよ。
期待値的にはもはやコンプ出来る個数ですし
そもそも全種セットが5000円前後で売っているので完全に大外れです。

というわけで記事の後半は完全に愚痴になってしまいましたが
ネットガチャのメリットは「確実に手に入る」「事前購入が出来る」点にあると思うので
発売時に確実に実機でガチャガチャ出来る環境と勝算があるのなら
絶対に実機のほうがいいと思います。

あ、それとネットで購入するとカプセルじゃなくて小袋に入ってくるんですが
カプセル回収機にはちょっとしたオマケが貰えるサービスもありますし
その点でも実機のほうがいいですね。はい。

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  トレーディングカード, SDガンダム, コレクション, 玩具

単行本の第1巻が発売しプラモデルもいよいよ来月発売となる
『破獄のマジンガー』の第9話。

というわけで前回のラストで現れた巨大なバケモノに加え
さっきまで味方だった3人が敵陣営となる展開から始まった今回の『破獄のマジンガー』。
四面楚歌となったシレンが孤軍奮闘するバトル描写がメインとなりますが
何と言っても見所は敵に回ってしまった3人のうちの1人、キッドが
自らの意思で決められた陣営を無視してシレンを助ける側に回ったところ。
このあたりは「創造者を無視してシレンの敵に回った」前回のブレイの行動と
対になっている感じですね。

ただ「罪を憎んで人を憎まず」はこの状況にはそぐわない表現な気がしたので
この台詞回しだけはちょっと気になってしまったり。

そんなわけで「シレンの行動に周りが感化され、創造者に反逆する」
ところを見せてくれた今回の『破獄のマジンガー』ですが
次回はバケモノとの決着の他にも
結果として創造者に歯向かってしまったキッドがどうなってしまうのかが気になるところ。
真紅郎のエピソードでは「存在が消滅されられる~」みたいな雰囲気もありましたし
何らかのペナルティ、マジンガーの搭乗者たちが創造者に逆らえない理由、みたいなものが
次回ははっきりと出てくるんじゃないでしょうか。

そして次回の配信予定日はなんと1月1日。
元旦に最新話を読むことが出来る、というのもWEB連載ならではですね。
何はともあれありがたいことです。

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  アニメ・漫画, ダイナミック系, 破獄のマジンガー

漫画家、石川賢先生の急逝から十三回忌となる2018年に
画集「石川賢画集 Collected Paintings KEN」が発売。(2018年12月発売)
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というわけで1999年に刊行された3冊の画集
「闘神」「邪神」「魔神」以来の約20年ぶりとなる石川賢先生の画集ですが
本書の一番の魅力は何と言っても2018年の最新版ということで
過去の画集が出版されたあとのイラストが当然ながら載っていること。
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「ゲッターや虚無、魔獣戦線を石川作品の核と捉えて編集した」と前書きにあるように
『ゲッターロボアーク』の表紙や各OVA作品のジャケットイラストを中心に
数は少ないながらも『柳生十兵衛死す』『神州纐纈城』などのイラストも収録されており
どれもこれも迫力満点。
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また過去の画集の付録となっていたB2版ポスターのイラストが
3点全て載っていたのは嬉しいところ。
画集の付録ポスターはサイズの都合上八つ折りで本に挟まれていたので
折り目がついていない形でイラストを見ることが出来るのは
今回の画集が初めてなんじゃないでしょうか。
欲を言えば『神州纐纈城』の表紙は4巻ぶん全て収録してほしかったですね。
全編描き下ろしということもあってすごい格好いいんですよ。
2000年以降の作品では一番好きなのです。

というわけで「過去の画集に載っていない後年のイラストがある」というだけで
手放しで喜んでしまうところがあるんですが
過去の画集が全3冊でインタビュー記事や付録も充実していたこともあって
ページ数や収録数、読みごたえという点では
こちらの「石川賢画集 Collected Paintings KEN」はどうしても劣ってしまっている印象。
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また本書では真ゲッターロボ(『號』と『真』の両方に登場する機体)について
「真ゲッターのイラストは描かれた内容をおおよそ鑑みて二つのブロックに分けた」と
「イラストがどちらの作品のものかはこちらで勝手に判断したよ」
的なことが書かれており微妙に引っ掛かるものがあったんですが
この部分で「違う、そうじゃない」と思ってしまうことが多かったんですね。

例えば『ゲッターロボ號』のものとされている90ページのイラストは
『真ゲッターロボ 新たなる戦い』の1シーンですし
95ページのイラストは「スーパーロボット大戦FコミックPS版」の表紙としても使われた
『真ゲッターロボ ドラゴン争奪Act1』の1コマです。
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逆に『真ゲッターロボ』とされている103ページのイラストは『號』連載時のものですし
ファンなら一目で「これこっちの作品じゃないよ」と分かるような判別ミスが
多発しているんですね。
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OVAジャケットのほうでも133ページで
『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』のものが『新ゲッターロボ』と誤記されていますし
さすがに一文字號がデカデカと描かれているイラストを
『新』と言われてしまうとなあ……と思ってしまうのです。

そんなわけで先述した「内容を鑑みて~」の結果がこれだとすれば
正直な話「この本に携わった人たちは石川作品にあまり詳しくないし
詳しい協力者もいなかったんじゃないかなあ」と思ってしまうんですね。
いや別に編集者がマニアである必要はないと思うのですが
仕事として誰もが分かるようなミスは出さないでほしい、くらいの気持ちはあるのです。
特に90年代以降の作品についてはちょっと調べれば初出は分かると思いますし
前書きの「年代順ではなく年代的」の部分を読んでみても
「細かいことはよく分からないから……」みたいな
ちょっとした言い訳のような雰囲気を感じてしまうのです。

あとは自分が画集を買う目的の一つに「大きな絵を見てみたい」というのがあるので
スニーカー文庫の『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』や
電撃文庫の『ゲッターロボ』(たかしげ宙版)など
文庫本の小さなものしか見たことがない表紙イラストなどを収録してほしかったですね。
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ゲーム『ゲッターロボ大決戦』の攻略本などにも描き下ろしイラストがありますし
そのあたりの露出の少ない絵が載っていれば「おお」とも思うんですが
今のままだと「これでゲッターを軸とした画集と言われてもなあ」と感じてしまうのです。

そんなわけでこちらの「石川賢画集 Collected Paintings KEN」、
後年の画も収録された画集が2018年に出た、という点だけで嬉しいものではあるんですが
過去の画集と比べると廉価版・劣化版的なイメージが強く
ゲッターロボ中心と考えてもそちらも中途半端、
過去の画集との差別化のためにも後年のイラスト収録にもっと力を入れてほしかった、と
一冊の本として見てみるとなかなか厳しい評価になってしまう感じでしたね。

そもそも過去の画集が全3巻で刊行されているのに
新たなイラストも加えて1冊で出す、ということ自体に無理があったと思うんですよ。
なので個人的にはいっそのこと過去の画集3冊はそのまま復刊した上で
後年のイラストのみを収録した本を別巻の「増補版」として発売する、
みたいな感じのことをやって欲しかったなあ、と。
ファンなら中身が見合っていれば4冊でも喜んで買いますよ。はい。

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