一昨年~昨年に新紀元社から発売された
SDガンダムの資料本「メモリアルブック」以来の新シリーズとして
世界観や物語の解説にフォーカスした
『SDガンダムヒストリア SDガンダム外伝編』が玄光社より発売。
「SDガンダム SDガンダム外伝メモリアルブック」 感想
https://tktkgetter.com/blog-entry-1322.html「SDガンダム 新SDガンダム外伝メモリアルブック」 感想
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以前に「メモリアルブック」の感想で
「SDガンダムの本は画集・イラスト集的な似通ったものが多い」
「後年の追加設定も多いのでそのあたりを分かりやすく整理した本が欲しい」
みたいなことを書いていたので
今回の「ヒストリア」はまさに自分のニーズに応えてくれた本、といった感じです。
というわけでこちらの『SDガンダムヒストリア SDガンダム外伝編』ですが
ページ数こそ「メモリアルブック」と比べると少ないですが
A4サイズのフルカラー、としっかりと大ボリュームの本になっているのが嬉しいところ。
特に「メモリアルブック」はカラーページが少ないのが不満点の1つだったので
フルカラーなのは非常に嬉しいです。
そして内容は「メモリアルブック」と同じく
SDガンダムに長年携わってきた栗原昌宏氏によるものとあって
大きなイラスト+文章たっぷりの非常に充実した内容。
各シリーズに登場したキャラの紹介は「メモリアルブック」にもありましたが
本書の説明文は「◯◯と一騎討ちをした」「◯◯に倒された」など
劇中での描写、活躍に触れているものが多く
物語にスポットを当てた「ヒストリア」らしい差別化がされている感じですね。
カードダスの説明文やセリフを踏襲した紹介がされているキャラも多く
このあたりは知っていると非常にニヤリと出来ます。
そしてストーリー紹介も復刻版以降の新規イラストなどを織り混ぜた充実した内容。
「メモリアルブック」では当時の設定と「新約」以降の設定が
ゴチャゴチャになっていたのが不満点だったんですが
本書では後年の追加部分を「サイドストーリー」として別枠にしているので
完全とは言えないまでもそのあたりを分かりやすくする工夫がされていた印象です。
欲を言えばエピソードごとに「初出:◯◯◯◯(△△△年)」みたいな
「どの作品でどの出来事があったのか」が分かるような記載が欲しかったかなあ、と。
そんなわけで情報量、内容としては申し分のない本なんですが
細かいところで気になってしまったところがちらほら。
例えば出版社のサイトなどでアピールされている「横井画伯描き下ろしの新ガンダム」も
本当に表紙と前書きにイラストが載っているだけだったので
そのあたりはちょっと残念というか工夫が欲しかったですね。
せっかくの「ヒストリア」なので「彼が書いた歴史書」みたいな扱いで
序文などを加えても良かったんじゃないかなあ、と。
要は前書きを「今とは違う時代~」で始めて欲しかった、という希望です。
それと誤植がやけに多いなあ、と思いましたねこの本。
記述の間違いや文の意味が分からなくなるようなものではないんですが
誤字脱字や変換ミス、助詞のミスが「読んでいて引っ掛かる」レベルで多いんですよ。
まだ簡単に一読しかしていないんですが既に10ヶ所以上見つけてしまっています。
このあたりの内容に直結しない細かな校正は納期やマンパワーとの関係になってくるので
この手の「固定客で売り上げがほぼ決まっているような本」では難しいのかもしれませんが
マニア向けだからこそしっかりとしてほしかったところはありますね。
出版社サイトのサンプルページにすら誤字があるのはどうにもなあ、と思います。
そんなわけでリアルタイム世代ならではの贅沢な不満はいくつかあるんですが
前書きを読む限りこちらの「ヒストリア」も「メモリアルブック」同様に
ゼロガンダム以降の新、そして武者、コマンド……と続刊を出してくれそうな感じですし
今後の展開に期待したいところです。
あとは前にも書きましたが現在進行中の「新約」も
「新約」だけをまとめた本を出して欲しいですね。
ユニコーンやダブルオー、鉄血など当時は存在しなかったモチーフのものが出てくると
やっぱり後付け的な違和感がありますし
本書の「スダ・ドアカワールドの誕生」や「騎士王物語」「聖騎兵の誕生」などの前史は
個別の本でまとめてがっつり読みたいなあ、という気持ちがあるのです。
「新約」は限定販売のカードダスでの展開なので
全体を俯瞰できるような本は需要があると思うんだけどなあ……と。