映画 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』 感想

国内のみならず世界中で大ヒットとなった
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』をレンタル配信で視聴しました。

本作はとにかく前評判や上映開始後の評価が非常に高かったので
是非とも映画館で観たいと思っていたんですが
どこの映画館でも字幕版の上映があっという間に終わってしまい
吹き替え版ばっかりだったので9月の配信待ちとなった次第です。

別に吹き替えが嫌いとかそういうわけではないのですが
自分にとってのマリオの声は「ヒューイゴー!!」や「マンマミーア!!」なので
日本語を喋ること自体が解釈違いというのがあったんですね。
なのでイタリア語版があればモアベターなのですが
本作のマリオはブルックリン出身という設定なので英語でもOKです。

そんなわけでかなりの好評価で自分の中でのハードルも上がっていた
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』なんですが
素直に面白かったと言える反面モヤモヤしてしまう部分もあった感じでしたね。

いや確かに序盤から終盤までノンストップで見せてくれた王道のストーリーに
お互いにツンデレライバルのようになっているマリオとドンキーの関係、
そしてしっかりと「マリオ”ブラザーズ”」で決着をつけてくれたクライマックスの展開など
楽しい部分、見るべき部分はたくさんあるんですが
「ゲームのマリオがそのまま映画になった」という各所のレビューから
自分が期待していたものとは少し違っていたかなあ、というのがあるんですよ。

これはもう自分が古い人間だということを突きつけられてしまったところでもあるんですが
自分にとってのマリオというのはFCの『1』~『3』やSFCの『ワールド』、
そしてDSの『NEW』のような横スクロールのステージ攻略型のアクションなんですよ。
そういう意味ではもっと2D的なクラシカルな演出が欲しかったですし
多種多様なステージを攻略して城に攻めていってクッパと戦う……という
ロードムービー的な要素を残しておいて欲しかったのです。

映画では尺の都合もあってか
「キノピオと出会ったマリオがキノコ王国に辿り着く」
「マリオたちがコングのジャングル王国へ赴く」などの
場所移動の部分はあっさりと流されてしまっており
後半もクッパ側が直接攻撃を仕掛けてきて
なし崩し的に最終決戦になだれ込む形になってしまっていたので
もうちょっと「見知らぬ世界を冒険して攻略する」要素が欲しかったなあ、と。
ただマグナムキラーが最終兵器的に使われていたのは『ワールド』好きとして大満足です。

あと贅沢を言えば葉っぱで変身するのなら
FCの『3』のようにしっぽマリオにしてほしかったですし
逆にタヌキマリオを出すなら地蔵に変化するところまでやってほしかったですね。
そういえば海外では地蔵マリオって通じるんですかね……?

そんなわけでもちろん面白かったですし高レベルにまとまった作品だとは思いますが
個人的には首を傾げてしまう部分もあった『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。
正直「映画館で観なくて正解だったな」と思ってしまった部分もあるのですが
まあ「ゲームのマリオ」自体が非常に息の長いシリーズで
「マリオと聞いてどんなものをイメージするのか」も人それぞれだと思うので
2Dアクションの印象が強い自分には合わなかっただけのことではあります。
前半の訓練パート以外はステージ攻略のようなことをしていない本作のマリオが
「まさにゲームのマリオそのまま」と評価されるのに違和感があるだけのことなのです。

そんなわけで本作は興行的にも大成功し続編が出ることはほぼ確定だとは思いますが
今回の話が「うだつが上がらなかったマリオ兄弟がスーパーマリオブラザーズになる」という
いわゆるヒーローのオリジン系の話だったことを考えると
物語的には次回作以降が本番な気もしますね。

意味深な台詞で強い印象を残したルマリーやラストの演出から登場がほぼ確定なヨッシー、
本作では明確にはされなかったピーチ姫の出身地などを考えると
恐らく次回は『ワールド』『ギャラクシー』あたりの要素を中心に
ピーチ姫の出自に迫っていくような話になるんじゃないかなあ、と。

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