永井豪 「デビルマンサーガ 第114話」 感想
大天使グルエルが降臨し世界の破滅が迫る中、
デビルマンたちが次々と人の姿と記憶を捨てて異次元世界の戦争に参列してゆく
『デビルマンサーガ』の第114話。
というわけでクライマックスに向けて
物語がどんどん加速していく『デビルマンサーガ』ですが
今回はついにジンメンを唆した大天使グルエルが現世に出現。
無数の有機物の集合体、要塞のような姿はとにかく迫力がありますし
何よりもこれまでの作品では直接描写されることのなかった
「天使たちとの戦い」が間近に迫っていることにワクワクします。
そして本作の神々の正体が「異次元世界のAIが暴走したもの」であることも明らかに。
うーんこのあたりはちょっと唐突すぎるというか
近未来っぽく、理屈っぽくようとしすぎてしまった感じもしますね。
恐らくはAIが人間を超えてしまう技術的特異点、2045年問題などから
着想を得たものだと思うんですが
それだったら人間と共に歩むロボットの研究者という
勇希の設定をもっと活かしてほしかった気がしますし
(勇希が消滅してしまってからこの設定を出されても……)
『デビルマン』や『魔王ダンテ』のように単純に創造主の神々、
宇宙から来た精神エネルギー体の侵略者、みたいな感じでもよかったような気もします。
それと向こうの宇宙の文明や生活、歴史の描写がほとんどないまま
「異次元宇宙のAIから生まれた」と言われてもちょっと想像がしにくいですね。
最先端のロボット学者、という勇希のキャラクターを
もっとがっつり絡められればすごく面白くなっていた設定だと思うので
勇希がいなくなってしまった後の混乱の中で一気に説明されちゃったのが
本当にもったいないなあ、と。
そして神々の力を得て変貌を遂げたジンメンが
自らを「天使ジンメン」と呼称するところで次回に続く。
おおぅ……ついに亀の姿すら捨ててしまってたんですね……。
正直ジンメンがここまでの宿敵キャラになるとは思ってませんでした。
『デビルマンサーガ』が始まった頃の自分に
「今回はジンメンが天使になってラスボス的存在になるよ」
なんて言っても絶対に信じなかったと思います。
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