永井豪 「デビルマンサーガ 第112話」 感想
悪魔同士の闘争が現世全てを巻き込んでゆく中で
自身の消滅を迫られ苦悩する勇希が描かれる『デビルマンサーガ』の第112話。
というわけで前回から続く形で
勇希の消滅とアモンの復活が避けられないことを言い放つジェニーの描写から始まった
今回の『デビルマンサーガ』。
神々によって悪魔同士が戦うように仕向けられている、という彼女の説明からは
前回同様に「悪魔たちもまた被害者だ」というのをしみじみと感じますね。
『魔王ダンテ』でも神々によって家族や仲間同士が戦うことを強要される展開がありましたが
今回の『サーガ』はそれを世界レベルに発展させた設定になっている印象です。
悪魔の世界も人間の世界も同じではないのか、というのは
既存のイメージや常識への疑問から始まる永井豪先生らしい着眼点だと思いますね。
そして大天使グルエルに唆された亀井教授=ジンメンが変身し
反旗を翻したところで次回に続く。
大天使というと『デビルマンレディー』終盤に登場したミカエルが思い浮かびますが
口調からも天使っぽい雰囲気を携えていたミカエルと比べると
今回のグルエルの台詞は「腹が立つだろ?」「お前の力を見せつけてやれ!」と
ちょっと乱暴な感じというか「傲慢な超越者」というのが強調されている気がしますね。
何はともあれ表向きは和解しても「決して相容れない仇敵」と描かれてきた
亀井=ジンメンと遂に決着をつける時が来たみたいですし
大天使の存在が明確に表に出てきたことで
その先にあるであろう「神々との戦い」をいったいどこまで描いてくれるのかも
非常に楽しみなところです。
ちょっとここ数話の加速っぷりを見ると
「そろそろ終わってしまうんじゃないか」といった感じもするんですが
個人的にはここからが本番だと思いたいです。
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