永井豪 「デビルマンサーガ 第113話」 感想
天使によって歪んだ力を得たジンメンから愛する者を守るため
勇希が自らの存在を捨ててアモンへと変わる『デビルマンサーガ』の第113話。
というわけで物語が加速し続ける今回の『デビルマンサーガ』の見所は
何と言っても涙と共に美紀ちゃんに別れを告げながら最後の変身を行う勇希の姿。
愛する者に別れを告げて主人公の存在が消えてしまい
真の姿として復活を遂げる……というのは
『デビルマンレディー』終盤のジュンを思い出しますが
あくまでも「ジュンはかりそめの姿であり元の姿に戻るだけ」
という見方も出来た『レディー』に対し
今回の『サーガ』では勇希は完全に巻き込まれただけの被害者で
しかも勇希自身が自分の意思で自分の存在を消さなければいけなかった、という
残酷さが感じられますね。
「否応なしに争いに巻き込まれ、自分の意思とは正反対に戦うことを強いられる」というのは
『デビルマン』シリーズを現実の戦争と絡めて語っている
近年の永井豪先生のインタビューなどを読むと
『サーガ』全編に亘って描かれているテーマの一つのような気がします。
そして完全復活を遂げたアモンとジンメンが対峙する中、
ジンメンへの援軍として天使たちの軍団が降臨するところで次回に続く。
いやーなんかもうここ数話で物語が一気に動き出したせいで
世界の状況は大混乱でいろいろ置いてけぼり感がありますが
アオリ文なんかを見る限りもしかしてもうすぐ最終回になっちゃうんですかねこれ。
個人的には盛り上がるのはここからというか
ダイナミックな描写で異次元での神々との戦いを描ききってほしいんですが
果たしてどうなるのかなあ、と。
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