映画 「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」 感想

45年ぶりに劇場作品として復活した
「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」が先日1/13よりついに上映開始。
全世界待望の超期待作ということで
さっそく初日の通常版初回上映、4DX版初回上映を連続で観てきました。

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ちなみに売店では各種グッズの他「劇場版マジンガーZ新聞」や
「改訂版マジンガーZ」の単行本が売っていました。
先日発売したばかりの徳間書店版じゃなかったのがちょっと意外です。

そして映画本編ですが控え目に言って最高でした。最高でした。
大事なことなので2回言いました。
そこには観たかったものが全てありました。

いやー本当凄いです。2回連続で観たのに既にもう一度観たくなってます。
予告編ムービーが格好良く試写会等での評価も高かったため
自分の中でのハードルはかなり高くなっていたんですが
そのハードルを軽々と越えていっちゃいました。
生きてて良かったレベルでとんでもないものを観てしまった、と感じます。

可能性によって生まれる多次元世界、AIによる自動運転や3Dプリンタなど
現代的ガジェットを数多く組み込んだ世界観、
そして宇宙の存亡を賭けた観念的な超インフレバトルに昇華しつつも
物語はあくまでもTVアニメ版の延長線上。
で、そのマクロな設定と「家族」を中心としたミクロなテーマを
仲立ちしているのが新キャラのリサ。
アンドロイドらしい合理性と「子供」らしい純粋さで大人の事情に反発する彼女は
敵も味方もいつものメンバーが大集合する中で明らかに「異分子的」に描かれており
前情報からは反発する声もそれなりにありましたが
彼女のような新キャラが必要だった理由は映画を最後まで観ると分かってきます。
TVシリーズの10年後、そして更なる未来を描いた『INFINITY』において
彼女は「未来」の象徴として存在しないといけなかったんですね。

とまあそんな細かい部分はとりあえず置いておいて
本作のメインは何と言ってもマジンガーの戦闘シーン。
ドッタンバッタン大騒ぎのお祭りムードあふれる
ボスボロットのコメディアクションももちろん魅力ですが
機械獣軍団~あしゅら&ブロッケン~地獄大元帥まで
ノンストップで送られるZの戦いっぷりはまさに圧巻。
パンフレットに載っている機械獣リストを見るだけで圧倒されます。
ここまでの長い尺でロボットアクションを見せてくれたアニメは
少なくとも自分の知る限り過去10年~20年レベルでありませんよ。

いやーほんと本作のバトルシーンはアニメ史に残るレベルだと思います。
異形の機械獣軍団をマジンガーが全身のギミックを余すところなく使って突破する
アクロバティックな戦闘シーンには
ロボットアクションの要素が全部入っていると言っても過言ではないと思います。
問答無用のスーパーロボットです。
自分はCGで描かれたロボはあんまり好きじゃないというか
3DCGのロボットアクションはスピード感やカメラワークに優れていても
なかなか重量感を出すのが難しい、というのが不満なところだったんですが
そんな鑑賞前の不安は重厚なSEと劇場クオリティの作画の前に吹っ飛びました。
最新3DCGの凄さを見せつけられました。クルクル掌返しです。

そしてマジンガーのキャッチコピーとして有名な
「神にも悪魔にもなれる」という部分を更に突き詰めていたのも印象的。
このあたりは過去作品では
「神にも悪魔にもならず、1人の人間として正義のために使う」的な感じで
兜甲児をあくまでも等身大のヒーローとして描いていたんですが
本作では更に一歩踏み込んで
「人間が正しいと考えることなんてそれぞれだぞ」という多様化を突きつけられた上で
「神にならざるを得なくなった時、この世界をどうするか?」が描かれているんですね。

これは2回目の上映で気づいたんですが
映画のクライマックス、巨大マジンガーがインフィニティに最後の一撃を放つ際の
光子力エネルギーの最高出力が「56億7000万」って言われてるんですよ。
56億7000万ですよ。弥勒菩薩ですよ。偶然の一致の数字とは思えませんし
古代神であるインフィニティに代わる存在として
マジンガーZが新たに人々を救済する存在となった、的な意味合いが
込められているんじゃないかなあ、と。

また劇場作品ならではの画面の情報量、細かい小ネタの多さも本作の魅力。
OPで愉快に登場する冷奴先生+K君ロボに始まって
車のナンバープレートが「永井50」だったり
上に挙げた「56億7000万」の数字だったりと
背景キャラの演技とか看板の文字とか作中で登場した数字とか
恐らくかなりの部分に何らかの意図が込められているんじゃないかと思います。
上映時間の短さやあまりにも王道すぎるストーリーとは裏腹に
何度映画館に足を運んでも新しい発見があるような気がします。
スポンサーの宣伝のようにわざとらしく挿入される
VAIOやNISSANももはや微笑ましいレベルです。

そして通常版に続いて4DX版も鑑賞しましたがこっちも大満足。
4DXを体験するのは『ガールズ&パンツァー』『艦これ』に続いて3回目ですが
ぶっちゃけ今までで一番動いていたと思います。
後半はほとんど戦闘シーンなのでガッシャンガッシャン大興奮です。
あしゅら&ブロッケン戦でのパイルダー分離~再合体のシークエンスとか
もう気分は「おれはふたたびマジンガーZになったのだ!」てなもんですよ。
ボロットのお尻ペンペンに合わせてフラッシュ焚くような遊び心もバッチリです。

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それとなぜか4DXのほうが上映時間が短く表記されていました。謎です。

というわけであまりの興奮に
ネタバレなんて知るか! とばかりにかなりの長文を書き殴ってしまいましたが
もう本当に2回観ただけじゃ語りきれません。
マジンガーの壊れかたが「対暗黒大将軍」のものと似ていたり
インフィニティのシチュエーションがマジンガーZERO(地獄モード)っぽかったり
人類を見限ったら宇宙を破壊してしまうのは
完全にゴッドマジンガー(漫画版)の設定だよなあ、とか
ダイナミック作品好きとして触れていきたい部分はあるんですが
映画館で劇場クオリティのスーパーロボットアニメが観られるという
興奮の前には全てが吹き飛びます。
こまけぇことはいいんだよ!

いやーほんと新年早々こんな凄いものを見せられてしまったら
今後のロボットアニメはどうなってしまうんですかね。
マジンガーZは「原点」にして「頂点」と評されることが多いですが
2018年に復活した本作によって「最先端」にまでなってしまったんですよ。
ああもう全てがマジンガーだよ!(喜)

というわけで最高でした(大事なことなので3回ry)。
ありがとう本当にありがとう。

あ、それと改めて見直すと予告編の作り方が非常に巧みですね。
融解するマジンガーZの描写などが顕著ですが
「あのシーンここかよ!」的なフェイクやミスリードを
多重に練り込んでいるので本編でも常に驚きがありました。

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