永井豪 「デビルマンサーガ 第108話」 感想
モスクワでの異変に対しギラン博士による異次元世界の推論が語られる
『デビルマンサーガ』の第108話。
というわけで今回はギラン博士の推測と
それを裏付けするように世界各地で混乱が起こりつつある、という展開。
現実世界と異次元の「精神と肉体の関係」は
『デビルマンレディー』での地獄の描写と似たものを感じますね。
そして今回嬉しかったのが
モスクワへのミサイル投下を伝えるアナウンサーのセリフ回しが
完全に無印『デビルマン』を意識したものになっていること。
これは話を盛り上げるファンサービスであると同時に
『デビルマンサーガ』の物語もまた最終局面に来ていることが窺えますね。
異次元世界の介入によって国と国レベルだった話が一気にスケールアップした感があります。
しかし今回のアスカは今までのデビルマン作品とはちょっと違う感じですね。
その正体に仏教やインド宗教まで絡めていたりと設定はかなり盛っているものの
主人公、勇希が物語が始まる前から既に妻帯者であったり
恋愛関係は美紀ちゃんやシレーヌ=白縫さんとの関係でお腹いっぱいで
不動明に対する飛鳥了のような「愛」を意識させる描写がほとんどなかったりと
勇希との関係という意味ではかなり希薄になってしまっているような気がします。
これからの戦いはアスカたち異次元人が本格参戦してくるようですし
そのあたりは今後の流れで変わってくるのかなあ、と。
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