少しずつ思い出しながらつらつらと書いてゆく制作後記第2弾。
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そんなこんなで動き始めた本作「輪姫少女」であったが
オープニング終了後、第1話にしていきなり最大の壁にぶち当たることになった。
それは「主人公が街の一員として溶け込んでいる」という基本設定そのものである。
プレイヤー≒主人公の視点となるRPGにおいてこれは致命的であった。
主人公が記憶喪失であったり狭い田舎町からスタートするゲームは非常に多いが
そうした舞台設定は主人公とプレイヤーの知識量を同一にするという点で
非常に理に叶っていることである、と
PCゲーム「水月」のビジュアルファンブックに書いてあった記憶がある。わはー。
雪さんルートの最後で花梨を選ぶのがジャスティス。
つまりRPGのスタート地点としてぶん投げるには
本作は初期状態での交友関係や舞台が広すぎたのである。
とにかく手を動かさないと始まらない、と当初の予定通り第1話で必要な
・主人公の行動目的
・今後パーティに加わるキャラクターたちとの簡単な会話
を詰め込んでいったのだが
その結果本作の導入部は雪だるま式にどんどん長くなり
最終的には初回戦闘まで約20~30分というアホみたいな時間になってしまった。
しかし今後の展開を考えると第1話で出しておかないと支障が出るキャラは約10人。
これ以上はどうしても削れなかった。
少なくとも「制作側にしか分からないストーリー」だけは避けたかった。
そんな置いてけぼり状態になるくらいなら
どんなに馬鹿丁寧で冗長になろうがじっくりイベントを作っていったほうがいい。
それが結論だった。
そして第1話完成後、約1年間「輪姫少女」の制作は中断することになる。
つまり「このままやってやるぜヒャッハー!」と開き直るのに1年かかったのである。
つづく。