二年数ヶ月ぶりの新刊となる『ひだまりスケッチ』の単行本第8巻が発売。
ゆのっちの一人暮らし&入学から始まった本作も
いよいよ最上級生となって進路や受験というものが目の前に見えてきた印象。
特に宮子が実家に電話をかけるエピソードはお互いを気遣う兄妹の微笑ましさの他、
「一人暮らしだからこそ知っている現実」などの
女子高生四コマ漫画ではあまり出てこない部分に触れており
ひだまり荘での日々の中でしっかりと成長しているのを感じさせてくれる話だね。

そして今回のメインは何と言ってもヒロ、沙英の二人の先輩の卒業と
宮子や乃莉とはまた違う明るさを持つ新キャラ、茉里ちゃんの登場。
ただ刊行ペースから分かるように今回の部分は途中途中での休載が非常に多く
特にヒロ、沙英の二人が卒業してひだまり荘を去るまでの流れは
一話ごとに休載が挟まるようなテンポの悪さで
「二人の卒業を名残惜しむ」というよりも
「話を進ませたくない大人の事情」のようなものを感じてしまったところ。
また8巻ラストでは二人が再登場してひだまり荘を訪ねてくるエピソードがあるけれど
同じ単行本に別れと再開が入ってるというのは正直早すぎるかなあ、と。
二人の再登場自体はもちろん嬉しいし
新入生の茉里との対面、という意味でも必要な話なんだろうけど
沙英がひだまり荘に来た理由が「一種の甘え」のようなものだったことも相まって
「引退したのに部活に顔を出してくる面倒な先輩」的にも思えてしまった感じ。

そんなこんなで話の構成としては
「ヒロ、沙英の二人を手放したくない」というのが
良くも悪くも目についてしまう感じだった今回の8巻だけど
休載の多さは単行本では気にならないし
各エピソードの雰囲気やなずなのポスターのようなシュールなギャグなどは
いつもの安心して楽しめる『ひだまりスケッチ』という印象。
特に個人的に興味深いのは新入生が茉里一人だけだったところ。
ゆの&宮子、ヒロ&沙英、乃莉&なずな、と
基本的に同学年同士でのペアが生まれている中で
相方がいない彼女がどんな立ち位置になっていくのか、
はたまた途中で再び新キャラが登場するのか、などなど
このあたりはいろんな展開が考えられるし気になるなあ、と。

   

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  四コマ漫画, アニメ・漫画

VIPRPG紅白2014作品を偉そうにレビューするよ!
マイペースで進めてきた紅白レビューもとうとう15回目に突入だよ!
過去のレビューと比べるといつの間にか一番記事数が多くなってるよ!
何はともあれこのまま最後までやっていくつもりだよ!


No.084 槍のシンデレラレディ

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結婚を焦る女兵士パルミラさんの恋愛模様を描いた長編ノベルゲーム。
前半は「それぞれの女性キャラが現状に満足している中で
一人だけ思いっきり打算的で空回りしている主人公」
というドタバタ劇な雰囲気が強いけれど
中盤以降はその言動の理由が明らかになりややシリアスな方向にシフトしていった印象。
とは言え猪突猛進のパルミラさんのおかげで必要以上に暗くなることはなく
ラストも皆が収まるところに収まった感じのすっきりとした読後感がある作品。
ただ現代的な要素とファンタジー的な要素が融合した世界観で
「銃」や「輸血」の位置付けが分かりにくかったため
終盤のリン姉やアルシェスがいきなり過激な行動に走ってしまってからの流れは
ちょっと違和感を覚えてしまったところ。
「文庫本一冊に相当する文字数」という触れ込みだけど
小説とノベルゲーでは同じ分量でも受ける印象が全く違うから一緒くたには出来ないし
全体の雰囲気もあってさくっと読める感じだったなあ、と。


No.085 紅白☆フェーニ

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ニトロにより銃の需要が高まった世界で銃士フェーニが活躍するガンアクション。
二種類の範囲を持つ銃の使い分けや滑らかに回転するスコープ、
スキルによるアクションなどゲームパッドの使用を前提とした本格派の作品であり
軽さと理不尽さが同居しているストーリー展開も見所。
タイトルの「紅白」をさりげにしっかりと消化しているところも上手い感じだね。
序盤は遠くの小島の敵を銃を使い分けて倒す、などの
パズル的にじっくり攻めていく要素もあったものの
中盤以降はどんどん敵の攻撃が厳しくなり
高難度ゴリ押しゲーに近い感じになってしまったのが個人的には残念だったところ。
強化ポイントもかなりキツキツだったので
練習ステージみたいな自由にポイントを稼げる救済処置がほしかったかも。


No.086 KB

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ロックマンの高難度トラップの代名詞とも言える
消えるブロックを完全再現したアクションゲーム。
ツクールのテクニック的にはリトライモードが目玉になるんだろうけど
アクション部分の再現性も非常に高く元ネタと全く同じ操作感で遊べるのがすごいところ。
ブロックの位置やタイミングのフェイントなども本家を踏襲している部分が多く
ロックマン好きなら問題なくクリア出来る感じだね。
しかしカービィなのに飛べないのかこいつは……。


No.087 そして私たちは冒険の旅に出る

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身寄りのないウォーターIたちが躾の厳しい施設からの脱出を目指す探索AVG。
メモや鍵を集めて行動範囲を広げていったりタイマー動作時のみ入れる部屋があったりと
短いながらも正統派の脱出ゲームを楽しめる作品といった印象。
手に入るアイテムやイベントの数などは多いものの
ほとんどがダミーでどのEDにも必要ないというのがちょっと残念だったので
もうちょっとアイテムを組み合わせるなどの複雑な仕掛けが欲しかったなあ、と。
たとえ幾つになっても冒険は出来るんだ!


No.088 一発ネタ

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タイトルからして潔い10秒ほどで終わる掌編見るゲ。
始まったと思ったら終わっている衝撃の展開であり
「うん」「そうだね」としか反応出来なくなる様はまさに一発ネタ。
独特のリズムが癖になってくる……かもしれない。


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  紅白2014レビュー, VIPRPG祭りレビュー, RPGツクール

VIPRPG紅白2014作品を偉そうにレビューするよ!
3月になってももうちょっとだけ続く紅白レビュー第14回だよ!
なんだかすっかり紅白は終わってしまったような感じだけど
この手の祭りは作品数やボリュームに反して消費が早すぎると思うんだよ!
つまり時勢を無視してレビューする人がいたっていいじゃない的な話だよ!


No.079 もしもフェイレンが個性的になったら

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出番の無さに悩むフェイレンがゴメス博士から力を得て魔王討伐に挑む短編見るゲ。
内容としてはシンプルな良くある吹っ飛ばし作品だけど
エリアごとにインパクトのある変化を遂げるフェイレンなど
短いながらもどこか懐かしい王道のギャグを楽しめる作品といった感じ。
八年越しのデータを完成させた作品ということで
八頭身などのネタの古さには妙に納得出来るなあ。


No.080 革命中年ベホマン

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現代社会に不満を持つ主人公ベホマンが
あんな有名人やこんな有名人たちを相手取り暴れ回る短編RPG。
一対一のシンプルな戦闘ながら
三すくみの武器やスキルカスタマイズ、成長ボーナスなどによって
プレイすればするほど味が出てくる奥深い戦闘に仕上がっているのが魅力の作品。
全体のテンポも良くレベル上げや繰り返しプレイが苦にならないのはもちろんのこと
戦闘中の装備変更が表示パラメータにちゃんと即時反映されるなど
細かいところでのユーザビリティの高さがとにかく嬉しいなあ。
序盤のストーリーは「お騒がせ有名人たちにツッコミを入れていく」という
ネタ要素が強く明るい雰囲気だったけれど
終盤の首相ラッシュあたりからは不謹慎ゲーにありがちな流れになってしまっており
このあたりは評価が分かれるところかも。


No.081 選択

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「選択」をテーマに八つのストーリーが語られるオムニバス系見るゲ。
オーソドックスな「アレブラ」、ピクチャを使ったテレビの演出が見所の「ザッピング」、
最後に救いがある「プリーズ」などなど、同じ主題にもかかわらず
登場キャラクターはもちろん演出や雰囲気が全く異なるものになっているところは
まさにオムニバス作品の真骨頂と行った感じ。
個人的には正統派コントの性格が強い「魔王」がお気に入り。
無限ループって怖いね!


No.082 遊王戯ゼアルジャンスターズ 激突!ドリル・バーニカル!

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カオスな世界に召喚された主人公がパートナーと共にデュエル麻雀大会に挑む
特殊ルール付きの麻雀ゲーム。
カードバトルと麻雀が融合した「デュエル麻雀」が作品のウリらしいけれど
それ以上に本格的な四人打ち麻雀を完全再現しているところが見所であり
「鳴き」の処理はもちろんのことリーチ後の自動処理、複雑な点数計算などなど
通常の麻雀ゲームと全く同じ感覚で遊ぶことが出来るのがすごいところ。
敵のAIとか役の判定とかどうやってるんだこれ……。
ただゲーム部分が非常に本格的なのとは裏腹に
ストーリーはパロディと理不尽な展開、プレイヤー置いてけぼりのキャラ崩壊が織りなす
完全に人を選ぶ超カオス的な内容になっているため
麻雀ゲーとしてはそこで取っつきにくくなっているのが個人的には勿体ない感じ。
何だか感想掲示板を見ていると自分の楽しみ方が間違ってるような気がしてきた。


No.083 パンイチとファイアⅡと愉快な仲間たち

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魔人ファイアIIの召喚に成功してしまった一般人パンイチと
彼の住むアパートの愉快な仲間たちとの日々を描く日常系ドタバタ見るゲ。
ギャグ中心の賑やかなストーリーに宗教が絡む意外なシリアス展開もあり
未完成ながらさまざまなバリエーションのエピソードを楽しむことが出来る作品。
いわゆる現実世界なのかと思っていたら普通にダンジョンが存在していたりと
元々ファンタジー色の強い世界だったのが個人的に引っかかったところ。
この手の作品は世界観や常識のギャップが面白いところなので
設定的にそのあたりを活かしきれてなかったような気もするなあ、と。


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  紅白2014レビュー, VIPRPG祭りレビュー, RPGツクール

そんなこんなでいよいよ本編が始まった『妖鬼少女』の制作日記。
とりあえず今週はオープニング~操作可能~ワールドマップ~
あたりまでの流れを仮組みしつつ細かい部分をちまちまと直しています。

基本的にはイベントの他、今まで作ったマップを繋げるだけなんですが
移動速度やら場所移動での画面の切り替えで不自然な部分が出てきてしまったので
ここに来て更にRGSS3素材を追加したり
逆に「イベントコマンドのほうがいいや」と使わない素材が出てきたりと
根幹の仕様が結構変わってたりします。
とりあえず後々のことを考えて全部コモンイベントでやっておきます。

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あとは図鑑の中身も少しずつ進行中。
用語辞典、人物図鑑などは初期状態で結構な数の項目が解放される予定なので
気分転換も兼ねてじっくり文章を考えていこうかなあ、と。

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  妖鬼少女(現在制作中), RPGツクール

二年ほど前に堂々の完結を迎えた『成恵の世界』の劇中劇として
スピンオフ連載されている『魔砲少女四号ちゃん』の単行本第1巻が発売。

四号ちゃんやシャーマンちゃんのキャラクターデザインは
『成恵』に登場したものそのままながら
「聖統魔術協会」と「始めの九門」の板挟みになり
日常でも不安を抱えて生きる主人公、真名花などなど設定が深く練られており
『成恵』での描写よりもややダウナーな作品になっている印象。

また学校が破壊されても普通に旧校舎で授業が始まったり
助けられた警察官が四号ちゃんたちに普通にお礼を言ったりする
「現実世界そっくりだけどちょっとズレた世界観」は
『成恵』の雰囲気そのまま、といった感じだね。

ただ良くも悪くも丸川トモヒロワールドが全開というか
『成恵』中盤以降に顕著になった複雑な関係や隠喩を多用したモノローグなどを
序盤から思いっきり全力で持ってきているため
読んでいて置いてけぼりになってしまうというか戸惑ってしまう部分がちらほら。
その一方で普通の魔法少女モノならメインとなるであろう
「四号から力を託されるシーン」「四号ちゃんへの最初の変身シーン」が唐突に、
そしてあっさりと済まされてしまっているのは
丸川トモヒロ氏の魔法少女へのスタンスと捻くれっぷりが
そのまま現れている感じだなあ、と。

そして『成恵』ファンとして嬉しいのは
オマケ漫画「魔砲少女四号ちゃん対成恵の世界」が巻末に収録されていること。
ちょっと成長した成恵ちゃんが星門を理由に真名花の存在を普通に受け入れたり
『成恵』最終巻ラストページに繋がるような演出が入っていたりと
単なるファンサービスの共演で終わってないのがたまらないね。

そんなこんなで1巻から丸川ワールド全開な『魔砲少女四号ちゃん』だけど
個人的に興味深いのが表紙裏の作者コメントで
ここ十数年間エンタメ作品で主流となっている「魔法の本質を外れてしまった魔法」
への疑問というかアンチテーゼ的なことが書かれていること。
そういう意味では本作が「魔法少女」ではなく「魔砲少女」と銘打たれているのは
一種の自虐的な意味合いも含む重要なところなんじゃないかなあ、と。


ぶっちゃけてしまうと
「完全に魔法が軍事力となった世界で
主人公が組織に組するようになった『魔法少女リリカルな○は』」とか、
「使われる魔法に関しては二の次になり、魔法少女という存在そのものを
問いかけるようになってしまった『魔法少女ま○か☆マギカ』」とか
そこらへんのアレとかアレ。たぶん。

  

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  アニメ・漫画