永井豪 「新装版 マジンサーガ 第5巻」 感想

いよいよ最終巻を残すだけとなった「新装版マジンサーガ」の第5巻。
帯にある「最終第6巻 12月6日(木)発売!」のアオリ文を見ると
ついにここまで来たか、と感慨深くなるね。

そんなわけで今回の第5巻は
ビストリカ村での比丘魔子爵との戦いを中心に
「集英社版3巻」「扶桑社版5巻」ラストの悪醜羅男爵の宣戦布告までを収録。
・デュークの翼の存在が明らかになるシャワーシーン
・宇宙艦隊が太陽系に襲来するシーン
が入っていないのがちょっと中途半端な感じもするけど
この二つは最終巻のアバンタイトルみたいな感じになるんだろうなあ。

そして今回の描き下ろしは全部で60ページほど。
2巻や3巻のように細かい部分での戦闘描写や説明がちまちまと増えており
特に「醜いバケモノ」と罵られた火銅鑼M3の哀しみや
「生む機械」に対する比丘魔子爵の語り、甲児の怒りが強調されているのが印象的。
このあたりは以前の「扶桑社版」のインタビューでも
「後味の悪さと戦いへの疑問」として言及されていたし
新たな勢力が登場する(と思われる)次回への布石になっているんじゃないだろうか。

また
・襲いかかる火銅鑼M3に苦悩するマジンガー(150~151P)
・ダブルフェイザーV1と対峙するマジンガー(214~215P)
など迫力のある見開きページが多かったのも今回の特徴。
ダイナミックな構図や緻密な描き込みがすごい格好いいし
「集英社版」みたいな大判サイズでじっくり見てみたいところ。
イラスト集とか画集とか出ないかな。

ただストーリーには大きな変更点はなく
大幅な追加があった4巻と比べると少し物足りない、というのが正直な感じ。
特にラストの餓羅蛇K7+スパルタンV5との戦いはかなり駆け足になってしまっており
グレンダイザーの登場シーンが旧版とほぼ同じだったのにはがっかり。
最終巻に向けてグレンダイザー(人型)や
不動明(恐らく登場する?)の顔見せをしてくれるんじゃないかと思っていたんだけど
そのあたりはちょっと期待しすぎだったかもしれないなあ、と。

まあとにかく来月の6巻だ! 未知の領域に突入する最終巻だ!

   

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