永井豪/田畑由秋/余湖裕輝 「真マジンガーZERO 6巻」 感想

単行本組としては表紙のグレー…マジンガーに驚かされる
「真マジンガーZERO」の6巻が発売。

今回はミネルバXによる消えた世界の解説ということで
ミネルバが世界を何度もやり直すようになった理由や
過去のマジンガーとヘルとの戦いなどが明らかになる「決戦前の小休止」的な展開。
絶望したミネルバが「デビルマン」の美樹ちゃんのように引き裂かれるようなところなど
各ダイナミック作品をリスペクトした描写はやっぱり嬉しいね。

逆に「マジンガーにひれ伏す各国首脳」や「ジジイVSクソジジイ」なんかの
勢いのままにシリアスとギャグが融合しているパートは
田畑由秋/余湖裕輝コンビが得意とする部分だと思うし
単なる永井豪パロディの漫画で終わってしまっていないところもいい感じ。
特にTV版「マジンガーZ」の戦いがまるで現実に存在していたかのような
マジンガーと機械獣のデスマッチ設定には思わず唸らされてしまったり。
以前の「機械獣は週に一度しか襲ってこない~」の時にも思ったけど
このコンビの作品は現実との摺り合わせネタがすごい上手いよなあ。
「アクメツ」とかまさにそれだけで長編漫画をやってしまったようなものだし。

そんなわけでまだまだ先が気になる「真マジンガーZERO」だけど
特に気になるのは「真マジンガー」という機体が
本来のマジンガーZと同デザインの別存在であることが明言されたということ。
アニメ「衝撃!Z編」での真マジンガーはあくまでも
「マジンガーZ+ゴッドスクランダー」の呼称でしかなかったけど
「真マジンガーZERO」のは本当に「誰も見たことのないマジンガー」なんだよなあ、と。
意思を持ち吸収を繰り返して進化するということで
石川賢の「ゲッターロボ」「魔獣戦線」「スカルキラー邪鬼王」
永井豪作品だと「凄ノ王」なんかを思い出すね。
ビジュアル的にはそれらをリスペクトしたと思われるエヴァが一番近い感じだけど。

そしてもう一つ引っかかるのは
十蔵とヘルの二人ともが宇宙への進出、征服を目的としていたということ。
単に二人が似た者同士だというだけなのかもしれないけど
もしかしたら二人とも宇宙に更なる勢力が存在することを見越しているのかなあ…
などと思ってみたり。
実際「マジンサーガ」「Zマジンガー」「ゴッドマジンガー」など
永井豪作品のマジンガーは最終的に未完宇宙規模の戦いになっているのも多くて
真マジンガーも十分それらと渡り合えそうだし。
しかしそうなると本当にどこまで話が広がっていくのか分からないねこれ。

そんなわけでまさに最初からずっとクライマックスな感じの「真マジンガーZERO」。
次回はいよいよ甲児のフラッシュバックなどの秘密が明らかになりそうだし
神に等しい真マジンガーに人の頭脳を加えた時に何が起こるのか…などなど
いろんな謎にどういう決着をつけてくれるのか本当に楽しみだわ。

それにしても「ススムちゃん大ショック」のススムちゃんとママが
どの世界軸でも仲が良いのを見ると安心するね。うん。

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