永井豪/田畑由秋/余湖裕輝 「真マジンガーZERO 5巻」 感想

あしゅら男爵の死、ブロッケンの策略により崩壊する光子力バリア、
そして大気圏外より襲来する地獄王ゴードン。
更に度重なる戦いによって甲児の体も限界を迎えようとしている圧倒的絶望の中、
マジンガーZの勝利のため、ミネルバXは全ての真実を語り始める…。

というわけでますます盛り上がりを見せる「真マジンガーZERO」の5巻。
3~4巻の「マジン大戦」にも驚かされたけど
今回の5巻にも読者を驚かせてくれる仕掛けが満載。
単なるループではなく研究が濃縮される螺旋的な世界観やミネルバXの正体など
じっくり読みたいのに続きが気になってどんどんページをめくってしまう感じ。
世界が繰り返されている、という基本設定は
「読者が知っていて登場人物が知らない」ことなので
説明の仕方によっては白けてしまうよなあ、とずっと思っていたんだけど
本作の見せ方はそのあたりもものすごく上手いわ。
謎が明かされているはずなのに
逆に新しい謎が次々と出てくるこの緊張感がたまらない。

そして「俺ならあのデカ物を空から攻めるね」という台詞や
フラッシュバックでのゴードンとの戦いが原作漫画そのままだったりする所など
ファンならニヤニヤしてしまう各種ダイナミック作品のネタは本巻でも健在。
そして121ページに映っているのはOVA「マジンカイザー」の最終話?
などなど今までのマジンガーを全て内包しているかのような大胆な描写が続出。
知らなくても一つのロボット漫画として楽しめる、
知っていればもっと楽しめる、と
メディアミックスとしてはまさに理想的な作品だなあ。

次巻ではミネルバXの目的やマジンガーの真の力と絡めて
初期から伏線を張っていた「兜家の血筋の秘密」にも触れてくるだろうし
クライマックスが見えてきた感じもするけれどラストは一体どうなるんだろうこれ。
「ZERO」というタイトルなどから
ミネルバXの完全消滅→ループ世界の終了→世界の再構築
→アニメ「真マジンガー」の世界へ
というラストが一番分かりやすいのかなあ…と予想しているんだけど
今までもいい意味で裏切りまくってくれた本作だけに
こちらの予想を超えた展開を見せてほしいところ。

個人的には第0話でイメージ映像的に示唆されていた
「異なる世界のマジンガー対マジンガー」を
本編でやってくれるのかが一番気になってたり。

 

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