門瀬粗 「Felice 1巻」 感想
男子小学生にも間違えられる外見の女子高生「氷室凛」をはじめとし、
凛を女の子らしくしようとする友人の「九条灯里」、
語り手的な役割を持つ苦労人ポジションの「橘大地」など、
喫茶店「Felice(フェリーチェ)」に集まる少年少女たちの日常が描かれる四コマ漫画。
登場人物のほとんどが学生なのに
学校を舞台にしたエピソードがほとんどないのはかなり珍しいなあと感じたけれど
前作「とらぶるクリック!!」(以下「とらクリ」)との差別化を図っている、
的なことが後書きに書かれていてなるほど、と納得。
「とらクリ」も全巻揃えてるくらい好きだから
凛と灯里の関係は「とらクリ」の部長と桃乃さんの関係に少し似てる気がするなあ、
などどうしても比べて見てしまう所があるんだけど
今回の「Felice」は「とらクリ」以上に成長物語としての要素が強い感じ。
大地という同年代の男キャラを出してわずかながら恋愛要素を含ませているのもそうだし
第一巻にして前後編エピソードが存在する(ケンカして仲直りする話)というのは
四コマでは結構思い切った構成なんじゃないだろうか。
描き下ろしカラーで明らかになった
「灯里には友人がほとんどいない」という設定も成長物語には欠かせない伏線っぽいから
今後は学校でのエピソードも増えていくんじゃないかなあ、と予想。
ただ少し気になったのは「凛と灯里が以前出会っていた」というその描き下ろしカラーの話。
単行本描き下ろしで第0話というのは4コマのお約束みたいな感じになってるけど
0話→1話と続けて読むと二人が初対面じゃない、という所にちょっと違和感があったり。
そんなわけで1巻後半でレギュラーになった少女「白鐘玲亜」
(別の高校に通っている、という設定も喫茶店が舞台ならではだよなあ)
がこのまま恋愛要素を膨らませていくんだろうか、ということも含めて
ストーリーマンガとしても日常系四コマとしても先が気になるところ。
そして最後に超個人的なことを言わせてもらうと
このマンガには「とらクリ」における柚ちゃんポジションが足りないんだよ!
裏表のある内気系ダウナーキャラが欲しいんだよ!
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