「真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍 第7巻」 感想

闇の帝王=Dr.ヘルと融合した真マジンガーHELLによる世界の崩壊、
そして「新たな世界」での甲児の人生を描いた
『真マジンガーZERO VS 暗黒大将軍』の単行本第7巻が発売。

クライマックスに向けてストーリーがどんどん加速していく今回は
まず前半が光子タイムトラベルを起こすために
鉄也さんのグレートがZEROを食い止める展開。
4巻のグレートマジンカイザーのような派手さはないけれど
やっぱり鉄也さんには安心して背中を預けられる雰囲気があるというか
話の中心になって主人公をやるよりもこういう立ち位置が似合ってるなあ、と。
剣造博士のクローン、という本作の設定から
Dr.ヘルにしっかりと「兜の血筋の一人」と認識されているのには
なんだか妙に感慨深くなるね。

そして何と言っても今回のメインは後半、
最後の世界で全てを救うために奮戦する甲児と
その先に待ち受ける絶望、という流れ。
数々のフラグを先回りして一つ一つ潰していくワクワク感は
タイムトラベル物の醍醐味だし
「未来に確定する事象が過去の出来事を決定する」などの
センスオブワンダー溢れるSF展開が目白押し。いやーたまらないわこれ。
光子タイムトラベルはありまぁす!

そして絶望の中でついにZとZEROの最終決戦! というところで次回に続く。
一見勝ち目の全く無い状況に思えるけれど
気になるのは今回の光子タイムスリップを起こす前に
「俺と一緒に来い」と甲児がZの自我を取り込んだような演出が見られたところ。
もしZの意識が甲児と共に過去に飛んでいたとすれば
同じ目的を持つZと甲児が
ZEROとは別の形での「真マジンガー」として誕生、覚醒する可能性も
残されているんじゃないかなあ、と。

また「認識出来ない存在をモザイクで描く」という演出が使われたことで
グレンダイザー前回のアレの再登場も期待したいところ。
やっぱり宇宙の王者があれでフェードアウトじゃ格好が付かないし。

そんなこんなで今回はストーリーが一気に広がって
すっかり遠い所まで来てしまった感のある本作。
今まではヘルやミケーネとの戦い、慣れ親しんだキャラデザの甲児など
辛うじて「誰もが知っている甲児とマジンガーの戦い」的な部分を残していたけれど
今回は10年後の甲児(30歳)の登場を始めとして
今までのコミックス16巻ぶんのストーリーを一気にひっくり返して
完全に既存のマジンガーワールドを跳び越えてしまった印象。
いやーもうここまで来ちゃうともうどうなるか分からないね。
何はともあれクライマックス待った無し!

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