永井豪 「キューティーハニー対デビルマンレディー」 感想

「デビルマン対ゲッターロボ」「魔王ダンテ対ゲッターロボG」などの
永井豪クロスオーバーシリーズの最新作
「キューティーハニー対デビルマンレディー」の単行本が発売。
「ハニー」は何度もリメイクや新作が出ていたけど
「レディー」が連載終了後にこういう形で登場するのは初めてなんじゃないかな。

そんな本作は「ハニーたちの高校にジュンが赴任してきて……」というストーリーで
「不動ジュンが高校教師」「普通の人間が因子によってビーストになる」
というレディー本編の設定が上手く活かされているなあ、という印象。
「レディー」の1エピソードとしても自然に納まるんじゃないだろうかこれ。
レディーとハニーが森で邂逅して「敵なのか味方なのか?」と
お互いに不審がるシーンなんかはまさにクロスオーバーの醍醐味。

……と中盤まではかなり面白かったんだけど
ラストの1~2話がかなり駆け足で
「とりあえず敵を倒してハッピーエンド」になってしまったのがちょっと残念。
単行本1冊にまとめる必要があったんだろうけど
2~3巻くらいでもっとじっくり読みたかったなあ、と。
特にパンサークローとデビルビーストとの関係やハニー=天使? などの
クロスオーバー的な広がりが中盤で示唆されていたにも関わらず
そのあたりの部分がほとんど意味を持たずにフェードアウトしちゃってたし。

とは言え両作品の親和性も含めて
間違いなく「一連の対決シリーズでは一番面白かった」と言える内容だった本作。
生徒(ハニー)が教師(レディー)をフォローするという
「レディー」本編では見られなかったシチュエーションがあったのも微笑ましいところ。

そして何より嬉しかったのが戦闘シーンの構図やジュンの仕草などが
「レディー」本編にかなり近い雰囲気で描かれていたこと。
「あのレディーが帰ってきた!」と思わせてくれるのはやっぱりいいね。

   

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