「サイボーグ009 conclusion GOD’S WAR 第20話」 感想

前回より最終章がスタートした「サイボーグ009完結編」の漫画版第20話。

今回のサブタイトルは「~超巨大東京大震災~」。
小説刊行時のインタビューや後書きなどでも触れられていた
「2011年の東日本大震災を意識しての、首都圏を襲う大災害」
というのが露骨すぎて少し複雑な気分に。
小説の感想でも書いたけど変に現実にリンクさせるよりも
「現実世界とはちょっと違う近未来の2012年」な世界観を提示してほしかったわ。

また今回はついに神々の尖兵たちが現れるんだけど
漫画ならではの見せ方だなあ、と感心したのが
P27の「ビルをよじ登る鰐モドキたち」を遠目からの視点で描いていること。
読者からも「敵がどんな存在なのか」を分からなくすることで
その不気味さを際立たせているところは素直に巧いなあ、と。

ただラスト数ページでジェットが倒されるシーンは
もうちょっと何とかしてほしかった、というのが正直なところ。
・垂直の立ち姿のまま水没地帯に突き進む
・鰐モドキがジェットを振り回してビルに叩き付ける
・回転したままジェットの上半身が空高く舞い上がる
という小説の描写をそのまま画にするとこうなるっていうのは分かるんだけど
今回の絵柄だとどうしても悲痛さが感じられないんだよなあ。
直立不動のまま水面をすいすい流れていくコマ(P28~29)なんて
シュールすぎてギャグ漫画にしか見えないわ。

そしてジェットを引きちぎった鰐が微妙に小さいのも気になるところ。
ジェットと同じくらいの大きさだから1~2メートルしかないんじゃないか。
巨大な海竜みたいなのをイメージしてたからどうにも拍子抜け感が。
今後は超巨大モアイや数百メートルの大仏なんかも出てくるんだし
もっとスケール感のある画でハッタリかましてほしいなあ。
どうにも現時点では敵がチマチマしすぎというか何と言うか。

そんなこんなで今回の話は小説版のP13からP30まで。
最終章に入ってからは一つ一つのシーンを丁寧に描いてる感じだし
このペースで最後までやるとなると
あと20~30話以上かかるんじゃないだろうか。

   

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