鳥取砂丘 「境界線上のリンボ 2巻」 感想
異世界との境界線上に存在する街〝リンボ〟にやって来た
ハーフエルフの少女・フゥの日々を描く「境界線上のリンボ」の最終巻。
幼少時から疎まれてきたフゥを受け入れるリンボという街の設定や
過去を振り返りたくない鱗族のワムの話など
一巻から良くも悪くも四コマらしかぬ漫画だったけれど今回もそれは健在。
特に後半は街の崩壊、そして種族の対立をテーマに
完全にストーリー漫画の方向にシフトしていった感じ。
ラストは大団円。いやあ面白かった。ごちそうさまでした。
ただやっぱりラスト数話の駆け足っぷり(打ち切りなんだろうか?)が残念なところ。
あそこまで混迷してしまった状況がフゥの一喝だけで解決してしまうとは思えないし
そして数ヶ月後……のラストもどうにも唐突感が否めないんだよなあ。
妖精でありながら人間になったアヴリルや一巻から伏線を張っていた尾族の犯罪者、
そして一巻ラストで示唆された超文明とアポジーとの関係など
最終エピソードではほぼスルーされてしまった「境界線上の者たち」がたくさんいるし
恐らく初期の構成では彼らももっとストーリーに深く関わってくるはずだったんだろうなあ、
などなどいろいろ考えれば考えるほど至極残念無念。
帯の文である「ひとりぼっちだった女の子が やがて、街を救うまで。」に
きちんと説得力を持たせるという意味でもせめてあと一冊はほしかった。うーん。
せっかく満を持して本巻で登場したシルヴィの活躍や
フゥとの姉妹の日常などももっと見たかったところ。
そんなわけで芳文社は「けいおん!」の続編なんかよりも
リンボ完全版を可及的速やかに出すべきだね! いやマジで!
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