永井豪/TEAM MOON 「デビルマン対闇の帝王 1巻」 感想
デビルマン&マジンガー40周年企画の1つとして月刊ヤングマガジンで連載中の
「デビルマン対闇の帝王」の単行本第1巻が発売。
死んでしまった美樹ちゃんを復活させるために不動明が暴れ回る、というのは
「ネオデビルマン」にもあったシチュエーションだけど
本作はストーリーが地獄から始まり
その地獄の支配者がマジンガーシリーズの「闇の帝王」ということで
第1話から盛り上がる展開が目白押し。
いやもう作品タイトルだけでファンにはたまらんね。まさに夢の対決。
またマジンガーシリーズで闇の帝王と決着がつかなかった理由に触れていたり
闇の帝王の正体=ハデス(ハーデス)という「真マジンガー」を意識させる部分があったりと
既存のダイナミックプロ作品の設定を上手く補完しているのも面白いところ。
シレーヌやジンメンの再登場や「世界を作り替える神々の力」に言及する場面、
混沌と化した現世の描写は「デビルマンレディー」を思い出すし
ジンメンとの肉体や意識を食い合う戦いは石川賢チックな感じもあるなあ、と。
そしてもう一つ面白いと思ったのが
漫画版「デビルマン」の最終話から直接繋がっている、という本作の時間軸。
この手のデビルマン外伝はアーマゲドン以前を描いていることがほとんどだから
「デビルマン」の続編とも言える本作の舞台設定はそれだけで新鮮。
「ジャック」あるいは「レディー」に繋がるようなラストになるのか、
それとも美樹ちゃん復活で独自のハッピーエンドを迎えるのか、
はたまた別次元の物語となっているマジンガー組の本格登場はあるのか?
などなど気になるところはたくさん。うーん続きが楽しみだわこれ。
そして巻末に8Pの永井豪インタビューが写真付きで載っているのが嬉しいところ。
「改訂版デビルマン」や「新装版マジンサーガ」の解説文より
気合いが入ってるんじゃないだろうかこれ。
「豪ちゃん以外の人の二次創作には興味ないや」っていう人も
このインタビュー目当てに買って損はないと思う。マジで。
ところで本作の不動明は一見ぶっきらぼうだけどやけに血気盛んというか
「魔獣戦線」の来留間慎一あたりのイメージで描かれてる気がするなあ。
「来留間慎一~OVA真ゲッターの竜馬~本作の不動明」みたいな系譜かもしれない。