永井豪 「新装版 マジンサーガ 第1巻」 感想

「改訂版デビルマン」に続いて「マジンサーガ」の新装版が刊行開始。
いやあとうとう来た! やっと来た!
「集英社版」「扶桑社版」に続いて今回で三回目の刊行となる本作品、
以前に扶桑社から出版された時はすごい気になるところで
「以下続刊→そのまま音沙汰無し」となってしまい
完全に生殺し状態だったわけだけどついに再始動。

実は6~7年ほど前に開かれた永井豪氏のリトグラフ展に足を運んだ際、
アンケート用紙に「マジンサーガの続きまだー?」(意訳)と
大変失礼なことを書いてしまった覚えがあったりするんだけど
とにかくそれくらい待ち望んでいただけに感無量。
もう本屋に並んでるのを見た瞬間に鳥肌立ったわ。マジ泣ける。

…とまあ私的な話はどうでもいいとして
今回は講談社からの刊行となった「マジンサーガ」。
帯にあるように全編に亘って200P超の補筆改訂が施され
更に最終巻にも200Pほどの完全新作ページが予定されているなど
ただの新装版に留まらずまさに「完全版」的な内容。
実際に第1巻の時点で既に
・導入部
・悪魔と化したマジンガーの描写
・火星で生体機械獣に蹂躙される軍隊
を中心に50ページ近い完全描き下ろしページがあり、
「既存部分はそんなに変わらないんだろうなあ」と思っていただけに
これは嬉しい誤算だったり。
帯のアオリ文「15年の時を越えて蘇る!」は伊達じゃないわ。

それだけに「改訂版デビルマン」同様に
後書きや解説文が無かったのはちょっと残念なところ。
以前の「集英社版」にはちょっとした設定資料があったし、
「扶桑社版」では作家の瀬名秀明氏などの解説文や
永井豪ロングインタビューなどが充実してただけに正直不満な感じ。

そんなこんなで動き出した「マジンサーガ」だけど
早くも気になるのが最終巻に追加されるという約200Pの描き下ろしのこと。
200Pっていうのはもちろんすごい分量なんだけど
サイコジェニーとの決着、不動明と悪のマジンガーとの戦い、
そして襲来する宇宙艦隊とグレンダイザーの登場、と
現時点で示唆されている要素を全て入れるだけでも
200Pじゃ全然終わらせられる気がしないんだよなあ。
それこそ300Pや400Pあっても足りないくらい。
ここまで待たされてしまった身としては「凄ノ王」みたいな形でもいいから
とにかくある程度区切りのいいところまで行って欲しいなあ、と思ってるんだけど。
そういえばあれもいきなり火星だったっけ。

ところで今回の描き下ろしページって
トーンの使い方やモブキャラの顔なんかがが緻密で完全に石川賢タッチだね。
同じ人がアシスタントやってるのかな。

   

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