OYSTER 「男爵校長High! 2巻」 感想

タイトルや掲載誌を変えながら続いてきた「男爵校長」シリーズが
アリカさんたちも卒業を間近に控えていよいよ最終巻。

実質全6巻にもわたる長期連載のラストと言うことで
赤井先生とマチルドさん、小蘭さんとDT部隊4号さんといった
それぞれのカップルの様子などをはじめとして
単なる繰り返しネタかと思われた村々7の意外な正体、
ハードボイルドな雰囲気が漂う宇宙商人ブッピンとウナの逃避行、
そして別作品「光の大社員」のレギュラーキャラである越前コンバッ太の弟が登場するなど
とにかく最終巻に相応しい大盤振る舞い+お祭り騒ぎの集大成といった感じ。
まさかブッピンがこんなに頼もしく見えるなんて。
ウナさんマジヒロイン。

そしてラストも「~DS」以降4コマ漫画としてはかなり異色の方向に向かっていた本作らしく
非常に現実的…というかある意味非情にも思えるような話作りといった印象。
普通の女子高生4コマは
「卒業してもわたしたちは変わらないしずっと一緒だよ」的なラストになることが多いけど
あえてそこから突き放し全員の進路を別々にして「離れ離れになること」「変わっていくこと」
そして「他の誰かのために自分を捨てて〝変身〟していくこと」を肯定するという
「男爵校長」の雰囲気はやっぱり他とはちょっと違うなあ、と。

とはいえそうした中に暗さを微塵も感じさせずに前向きさだけが残るのは
今までの積み重ねがあって各キャラが「未来という名の荒野」をしっかりと
理解しているからなんだよなあ、としみじみ。
特に卜伝周りのエピソードにはそういうのが多かったし。

そんなわけでアリカさんたちがそれぞれ荒野=未来へと旅立っていき「男爵校長」も大団円。
ありがとう男爵校長! さようなら男爵校長!
ウナさん主人公+ドナさん導き手の新シリーズとか始まったりしないかな!

…ところでやっぱり月彦の研究→小説化→アニメ化→「少女→惑星探査」に繋がるのかな。
そのあたりが明確に語られることはないんだろうけど。

 

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