牛木義隆/鶴淵けんじ 「影踏みメリー」 感想
「夢喰いメリー」のTVアニメ公式ガイド「ナイトメアマガジン」で連載された
牛木義隆先生監修のスピンオフ作品「影踏みメリー」が単行本化。
アニメ版のほうには興味がなくて「ナイトメアマガジン」も未購入だったから
こうやって単行本にしてくれるのは嬉しいね。
ただ「ナイトメアマガジン」からたった数ヶ月での刊行と言うことで
もし「影踏み~」だけを目当てにあっちを買ってたら不満たらたらだったんだろうなあ、と
ちょっと複雑な気持ちになったりならなかったり。
そんなわけで本編とはちょっと違う「メリー・ナイトメア」が登場する本作、
本編よりも黒ベタが多く丁寧さより勢いを重視した感じの絵柄なこともあって
全編を通して「夢」あるいは「外伝」的な空気がよく出てるなあ、という印象。
ページの少なさからもっとダイジェスト+雰囲気重視の尻切れっぽいのを想像してただけに
一本の筋が通ったストーリー漫画として単体でも楽しめるのは嬉しい誤算だったり。
ただ気になるのは「牛木義隆先生監修」というのが一体どのあたりまでなのか、という点。
今回の「末端」などの設定は本編に持ってくるとかなりややこしくなっちゃいそうだし
「影踏み~」の話はあくまでもアンソロの外伝エピソードみたいな位置付けにして
完全に独立したままのほうがいいなあ、と。
ふと思ったけど原作「夢喰いメリー」と今回の「影踏みメリー」の関係は
上遠野浩平氏の「ブギーポップ」シリーズに対する漫画版「ブギーポップ・デュアル」
みたいな位置付けなんだなあ、と考えると個人的には一番しっくり来るね。
あれも「原作とは別人(?)のブギーポップ」を出しながら
一つの漫画作品として上手く纏まってたし。
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