西川秀明 「偽書ゲッターロボダークネス 3巻」 感想
「おれが女のコになって登場だってよぉ!」な帯が目を引く
「偽書ゲッターロボダークネス」の3巻が発売。
帯にある通り今回はムサシが中心の話ということで
石川賢氏の漫画「スカルキラー邪鬼王」の面々を敵として登場させた
達人たちとムサシの出会いを描いたエピソード…の途中までを収録。
本作の闇のゲッターと光のゲッターの戦いというのは
「スカルキラー邪鬼王」の醜と美の戦いにもいい具合に繋がるし
美に固執するイオナスや人間を食糧とすることに驚愕する達人など
元ネタそのままの展開が節々に見られるのが石川賢ファンとしては嬉しいところ。
「偽書ゲッター」は元ネタのある台詞回しも多いし
(今回だったら「ゲッターを乗りこなせるのは優秀な奴かバカかだ!」など)
そういうのを探す楽しみもある感じ。
正直「ドワオ」はギャグとして使われすぎだと思うけど。
ただ2巻の感想でも書いたけど
ハヤト編やムサシ編はちょっと長すぎるなあという印象があったり。
特に今回は回想話ということで
・達人が身を挺してムサシを守る
・ムサシがゲッターのパイロットとなる
という大体の流れを読者側が理解してしまっているだけに
冗長さが際だってしまっている感じも。
そういう意味では漫画「ゲッターロボ號」に登場する
シュバイツア博士やバルコスキー博士がまさかのゲスト出演をする短編
「死地での邂逅」が一番面白かったなあ、と。
特にバルコスキー博士と敷島博士が親友だったという本作独自の設定には
思わずニヤリとしてしまったり。
クロスオーバーというか二次創作的な面白さがあるよなあこういうのって。
マガジンZ連載の「ゲッターロボDASH」のフォローをしてくれるラストもいい感じ。
そして次巻はムサシ編の完結と新展開…になるんだろうけど
気になるのが次巻予告の発売予定が「2012年夏~秋」となっており
次巻まで一年近く待たされてしまうであろうこと。
まあこの描き込まれた画で「職殺」も同時連載していること自体すごいし
仕方ないんだろうなあ、と。
ただ雑誌連載でもまだ続いているムサシ編はやっぱり長すぎると思う。うーん。
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