コバヤシテツヤ 「九十九のあまのじゃく 1巻」 感想

「二丁目路地裏探偵奇譚」のコバヤシテツヤ氏の待望の最新作
「九十九のあまのじゃく」の第一巻が発売。
今回は「二丁目~」とは違いストーリー漫画の第一巻ということで
まだまだ各キャラの顔見せ+導入部という感じ。
家の掃除や村の散歩などで一エピソードまるまる作ってしまうのは
四コマ形式だと不自然じゃないんだけど
普通のコマ割だとちょっと冗長に思えてしまうかも。
「レギュラーキャラのほとんどが妖怪と知り驚くアヤカ」も
読者視点だと既に分かっちゃってる流れだから少々引っ張りすぎな印象が強いところ。

メイン二人が両方ひねくれ者というのは面白い組み合わせだし
(なんか話を動かしにくそうだけど)
「妖怪の隠れ里にアヤカの祖母がいる理由」など
ストーリー漫画ならではの全体にかかわってくる謎も随所に見られるんだけれど
それだけに「絶対に妖怪にはなりたくない」という
主人公アヤカの行動原理にもなり得る人間社会での日常(導入部の学校生活)が
かなりあっさりとしてしまっているのが残念。
その性格から孤立しがちなアヤカや彼女を心配する優しいクラスメイトの描写なんかは
逆にもうちょっとじっくり描いてほしかったかも。

そんなわけで「二丁目路地裏探偵奇譚」が大好きだったから
どうしてもハードル高めで比べちゃうんだけど
「九十九のあまのじゃく」はまだまだ序盤ということで
優劣はまだまだ決められないよなあ、というのが正直なところ。
各キャラの魅力が出てくるエピソードの積み重ねがあれば印象は変わってくるだろうし。
つまり何が言いたいかというと「二丁目~」のショコラかわかわ……あれ?

 

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